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再び悠馬
彼女がいる奇跡
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かすみの先輩だという人は、なかなかに強烈な人だった。
かすみから聞いた印象だと、とにかく自分のことを目の敵にして嫌がらせばかりしてくるバリキャリな美人、というものだったが、実際に会ってみると全く逆に思えた。
初対面の俺に対してにこやかな笑みを浮かべながらも、大切な後輩泣かせたらただじゃ済まさねーぞガルルルル、と牙を剥き出しにして威嚇されているようで、正直居心地が悪かった。まあ再会してからというもの、かすみは仕事の話をあまりしなかったので、俺の中の先輩の情報が古すぎるのだろうけど。
多分、今はものすごく仲が良いのだろう。二人で飲みに行くくらいなのだから当たり前なんだけど、かすみが先輩に向ける眼差しや、先輩のかすみに対する態度なんかからも、ただの先輩後輩の関係よりももっと深いものだということが伺えた。
「先輩、すっごい可愛いかったでしょ?」
そう俺に問いかけるかすみの顔は嬉しそうで、誇らしげで、だというのに少しだけ不安の色を滲ませていた。
確かに顔の造作の整った人だなとは思ったがそれだけで、可愛いとは思えなかった。
かすみの方が、よっぽど可愛い。
だからそれをそのまま口にした。俺の言葉に可愛く狼狽えるかすみを見て、やっぱり可愛いなと再確認し、またそれを口にした。
別れる以前と復縁した今とで、かすみに対する想いが変わったとは思っていない。どっちだって同じくらい、かすみのことが好きだ。
ただ、前よりも色々と思うところはある。
それは、一度別れた経緯があるからだし、再会するまでの空白期間、セフレだった期間を経て、ただ付き合っているだけじゃわからなかったことに気が付いたからでもある。いや、普通に付き合っている時にそれに気付くことのできなかった俺が、大馬鹿野郎なだけなんだが。
かすみと別れるということ。かすみが隣にいないということ。
かすみが俺ではない別の誰かに好意を抱き、別の誰かと付き合うということ。その延長線上として、親密な行為をするということ。
かすみが俺を好きでは無くなるということ。
想像すればすぐにわかりそうなことなのに、実際にそうなってみてようやく、それがどんなことなのかがわかった。痛感した。
嫉妬したし、不安だったし、ムカついたし、傷ついた。付き合っている時、ここまで感情が揺さぶられたことはなかったという程に。
中でも、無関心というのが一番堪えた。辛かった。胸が引き裂かれるかと思った。だったら嫌われた方がまだマシだった。
でも、それが嘘かもしれないと気付き、俺はそこで初めてかすみのことを考えた。
カラッとした笑みの裏にある、本当のかすみのことを。
かすみが何を考えてるか分からなかったからこそ、何を考えているのか知りたかった。必死にそれを隠そうとしているのは何故なのか。何を思って、何をしようとしているのか。
嫌われてもいいから無理やりにでもそれを引き出してやろうと思って、嘘をついてかすみを試す様な事をした。付き合っていた頃のように、嫉妬して不安になって、それを隠すことなく俺にぶつけて欲しかった。
他にもっといくらでもやりようはあったのかもしれない。でも、俺には思いつかなかったし、そんな余裕はなかった。必死だった。かすみの関心を引きたくて、逃がしたくなくて、どうにかもう一度俺のことを好きになってほしくて。
付き合っている時のかすみを思い出した。思い出せるだけ、全部。
笑顔のかすみも、怒っているかすみも。くだらない会話も、一緒に出掛けた場所も、些細なことがきっかけの口論も、別れた時のことも。全部。
あの時の俺は本当に何も考えていない馬鹿だった。
どうしてかすみが喜んでいるのか、泣いているのか、怒っているのか、不安になっているのか。言葉や態度の目に見えるものをそのまま受け止めるだけで、その裏にあるかすみの気持ちを全く考えていなかった。
かすみは良くも悪くも感情表現が豊かで思ったことはすぐに態度や言葉で表していたから、そうだと思い込んでいたから、俺はただそれに甘えていたんだ。
セフレ期間、どうしようもなく嫉妬したし不安だった。それは、かすみが何を考えてるか分かんなかったからで、つまり、かすみが何も俺に話してくれないからだと気付いた。俺のいない所で何をしているか、会社ではどういう人とどんな仕事をしているのか、別れていた間何を考え誰と過ごしていたのか、いないのか。何もわからないから、想像するしかない。そしてそれは、なかなか楽観的なものとはならない。
かすみも、同じだったのかもしれない。
かすみと一緒にいるのに仕事の話なんてしたくないと思ってたし、過去付き合った彼女やかすみの知らない友人の話なんて聞きたくないだろうと思ってた。だから、したくなかったししなかった。でも、そのことがかすみの不安を助長させていたのかもしれない。もっと、自分のことをかすみと共有させるべきだった。かすみは多分、もっと共有したかったはずだ。
俺のことが好きだという気持ちから来る嫉妬や不安だって?そんな馬鹿で阿呆なことを本気思ってた俺は、捨てられて当然だ。俺がかすみをそんな風に追い詰めていたというのに。かすみは俺のことを不安にはさせなかったというのに。
俺が言いたくないから言わないんじゃない。
かすみが聞きたいかどうかだろ。
自分ではなく相手の気持ちになって考える、とか。小学校の道徳の時間に習ったはずのことなのに、なんでこの歳になってできていないんだろな。気を許せる、気を使わない親密な相手だからと甘えていた。そういう相手にこそ、一番気を使うべきだというのに。
かすみの尊敬する先輩と顔を合わせたことで、かすみが普段誰とどんなふうに仕事をしているのかが、ほんの一部だけど具体的にイメージできるようになった。
だから、俺も同じことをしたいと思った。
狭山に会ってみるか?と聞いてみると、かすみは少し驚いた後嬉しそうに頷いた。その表情を見て、俺の同僚に会ってみたかったんだなってことが分かった。もしかしたら、別れる前からそう思っていたのかもしれない。言葉にされたことはなかったが。
別に隠しているつもりも会わせたくないとも思ってた訳じゃなかった。だけど、俺が何も話さないし話したくなさそうにしていることで、かすみはそう感じていたんだろう。それも、実際に自分の身で経験して、ようやく気付いた。
自分がどう思ってようと、相手に正確に伝わっているとは限らない。全く正反対の意図で受け止められる可能性だってある。
だから、言葉にする。態度で示す。
復縁してからというもの、かすみは俺とは反対に、俺への好意を隠そうとしていた。行き過ぎた自分の想いを引け目に感じて、どこか恥じているようだった。
だから、そんなことはないと言葉で伝える。俺はそれが嬉しくてたまらないと態度で示す。
「悠馬が私のこと好きとか、奇跡みたい」
俺の腕枕で微睡んでいたかすみが、ぽそっと呟く。
俺からすればそんなもの全然奇跡なんかじゃなく、ごくごく当たり前のことで。
かすみが別れた後もずっと俺のことを想い続けてくれて、こうしてまた俺のことを受け入れてくれたことの方が、よっぽど奇跡だった。
かすみがアクションを起こしてくれなかったら――今の俺たちはない。それを想像すると、ゾッと背筋が凍りつくようだった。
かすみの想いに感謝こそすれ、怖がったり気味悪がったりなんてこと、絶対にない。絶対に。
スースーと規則的な呼吸を繰り返すかすみのおでこに軽く口付けをして、明日起きたら一番に言葉にしようと決め、俺も目を閉じる。
かすみのくれたこの奇跡を、幸せを噛み締めて。
【最後までお付き合いいただきありがとうございました!これで本編は完結となります。読んでくださったお礼といたしまして後日談をご用意してますので、そちらも是非^_^】
かすみから聞いた印象だと、とにかく自分のことを目の敵にして嫌がらせばかりしてくるバリキャリな美人、というものだったが、実際に会ってみると全く逆に思えた。
初対面の俺に対してにこやかな笑みを浮かべながらも、大切な後輩泣かせたらただじゃ済まさねーぞガルルルル、と牙を剥き出しにして威嚇されているようで、正直居心地が悪かった。まあ再会してからというもの、かすみは仕事の話をあまりしなかったので、俺の中の先輩の情報が古すぎるのだろうけど。
多分、今はものすごく仲が良いのだろう。二人で飲みに行くくらいなのだから当たり前なんだけど、かすみが先輩に向ける眼差しや、先輩のかすみに対する態度なんかからも、ただの先輩後輩の関係よりももっと深いものだということが伺えた。
「先輩、すっごい可愛いかったでしょ?」
そう俺に問いかけるかすみの顔は嬉しそうで、誇らしげで、だというのに少しだけ不安の色を滲ませていた。
確かに顔の造作の整った人だなとは思ったがそれだけで、可愛いとは思えなかった。
かすみの方が、よっぽど可愛い。
だからそれをそのまま口にした。俺の言葉に可愛く狼狽えるかすみを見て、やっぱり可愛いなと再確認し、またそれを口にした。
別れる以前と復縁した今とで、かすみに対する想いが変わったとは思っていない。どっちだって同じくらい、かすみのことが好きだ。
ただ、前よりも色々と思うところはある。
それは、一度別れた経緯があるからだし、再会するまでの空白期間、セフレだった期間を経て、ただ付き合っているだけじゃわからなかったことに気が付いたからでもある。いや、普通に付き合っている時にそれに気付くことのできなかった俺が、大馬鹿野郎なだけなんだが。
かすみと別れるということ。かすみが隣にいないということ。
かすみが俺ではない別の誰かに好意を抱き、別の誰かと付き合うということ。その延長線上として、親密な行為をするということ。
かすみが俺を好きでは無くなるということ。
想像すればすぐにわかりそうなことなのに、実際にそうなってみてようやく、それがどんなことなのかがわかった。痛感した。
嫉妬したし、不安だったし、ムカついたし、傷ついた。付き合っている時、ここまで感情が揺さぶられたことはなかったという程に。
中でも、無関心というのが一番堪えた。辛かった。胸が引き裂かれるかと思った。だったら嫌われた方がまだマシだった。
でも、それが嘘かもしれないと気付き、俺はそこで初めてかすみのことを考えた。
カラッとした笑みの裏にある、本当のかすみのことを。
かすみが何を考えてるか分からなかったからこそ、何を考えているのか知りたかった。必死にそれを隠そうとしているのは何故なのか。何を思って、何をしようとしているのか。
嫌われてもいいから無理やりにでもそれを引き出してやろうと思って、嘘をついてかすみを試す様な事をした。付き合っていた頃のように、嫉妬して不安になって、それを隠すことなく俺にぶつけて欲しかった。
他にもっといくらでもやりようはあったのかもしれない。でも、俺には思いつかなかったし、そんな余裕はなかった。必死だった。かすみの関心を引きたくて、逃がしたくなくて、どうにかもう一度俺のことを好きになってほしくて。
付き合っている時のかすみを思い出した。思い出せるだけ、全部。
笑顔のかすみも、怒っているかすみも。くだらない会話も、一緒に出掛けた場所も、些細なことがきっかけの口論も、別れた時のことも。全部。
あの時の俺は本当に何も考えていない馬鹿だった。
どうしてかすみが喜んでいるのか、泣いているのか、怒っているのか、不安になっているのか。言葉や態度の目に見えるものをそのまま受け止めるだけで、その裏にあるかすみの気持ちを全く考えていなかった。
かすみは良くも悪くも感情表現が豊かで思ったことはすぐに態度や言葉で表していたから、そうだと思い込んでいたから、俺はただそれに甘えていたんだ。
セフレ期間、どうしようもなく嫉妬したし不安だった。それは、かすみが何を考えてるか分かんなかったからで、つまり、かすみが何も俺に話してくれないからだと気付いた。俺のいない所で何をしているか、会社ではどういう人とどんな仕事をしているのか、別れていた間何を考え誰と過ごしていたのか、いないのか。何もわからないから、想像するしかない。そしてそれは、なかなか楽観的なものとはならない。
かすみも、同じだったのかもしれない。
かすみと一緒にいるのに仕事の話なんてしたくないと思ってたし、過去付き合った彼女やかすみの知らない友人の話なんて聞きたくないだろうと思ってた。だから、したくなかったししなかった。でも、そのことがかすみの不安を助長させていたのかもしれない。もっと、自分のことをかすみと共有させるべきだった。かすみは多分、もっと共有したかったはずだ。
俺のことが好きだという気持ちから来る嫉妬や不安だって?そんな馬鹿で阿呆なことを本気思ってた俺は、捨てられて当然だ。俺がかすみをそんな風に追い詰めていたというのに。かすみは俺のことを不安にはさせなかったというのに。
俺が言いたくないから言わないんじゃない。
かすみが聞きたいかどうかだろ。
自分ではなく相手の気持ちになって考える、とか。小学校の道徳の時間に習ったはずのことなのに、なんでこの歳になってできていないんだろな。気を許せる、気を使わない親密な相手だからと甘えていた。そういう相手にこそ、一番気を使うべきだというのに。
かすみの尊敬する先輩と顔を合わせたことで、かすみが普段誰とどんなふうに仕事をしているのかが、ほんの一部だけど具体的にイメージできるようになった。
だから、俺も同じことをしたいと思った。
狭山に会ってみるか?と聞いてみると、かすみは少し驚いた後嬉しそうに頷いた。その表情を見て、俺の同僚に会ってみたかったんだなってことが分かった。もしかしたら、別れる前からそう思っていたのかもしれない。言葉にされたことはなかったが。
別に隠しているつもりも会わせたくないとも思ってた訳じゃなかった。だけど、俺が何も話さないし話したくなさそうにしていることで、かすみはそう感じていたんだろう。それも、実際に自分の身で経験して、ようやく気付いた。
自分がどう思ってようと、相手に正確に伝わっているとは限らない。全く正反対の意図で受け止められる可能性だってある。
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復縁してからというもの、かすみは俺とは反対に、俺への好意を隠そうとしていた。行き過ぎた自分の想いを引け目に感じて、どこか恥じているようだった。
だから、そんなことはないと言葉で伝える。俺はそれが嬉しくてたまらないと態度で示す。
「悠馬が私のこと好きとか、奇跡みたい」
俺の腕枕で微睡んでいたかすみが、ぽそっと呟く。
俺からすればそんなもの全然奇跡なんかじゃなく、ごくごく当たり前のことで。
かすみが別れた後もずっと俺のことを想い続けてくれて、こうしてまた俺のことを受け入れてくれたことの方が、よっぽど奇跡だった。
かすみがアクションを起こしてくれなかったら――今の俺たちはない。それを想像すると、ゾッと背筋が凍りつくようだった。
かすみの想いに感謝こそすれ、怖がったり気味悪がったりなんてこと、絶対にない。絶対に。
スースーと規則的な呼吸を繰り返すかすみのおでこに軽く口付けをして、明日起きたら一番に言葉にしようと決め、俺も目を閉じる。
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