【R18】二人は元恋人、現セフレ

遙くるみ

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後日談

同じようで、全然違う②

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「あっあっ、そこ、ばっか、やあっあっ」

「気持ちいい?」

「う、んっ!はあ、ああ、きもち、い!」

 
 大きく両足を広げられ、その中心に悠馬が顔を埋めている。
 膨れた突起を口に含んでちゅうちゅう吸ったり、舌で転がしたり、つついたり。その度に逃げるように腰が浮いて、逃がさないとばかりに悠馬に押さえつけられて、ひたすら快楽の波が押し寄せてくる。

 舐められるのは、ちょっと苦手だ。
 自分でもあまり見たことのない部位を至近距離で見られるのとか、排泄場所だとか、においとか諸々。どうしても抵抗があるし、それをされなくても十分に気持ちいいから、以前付き合っていた時にやんわり断って以降、悠馬がそれをしてくることはなかった。なのに、

「あっ!あ、はっああ!も、」

 愛撫されているのは表面の部分なのに、ちょうどその裏側の内壁がムズムズして、ぎゅうぎゅうと勝手に収縮を始めている。すぐ目の前にいる悠馬に、はしたなくもパクパクと強請っているみたいで、すごく恥ずかしい。
 ううん、みたいじゃなく本当に強請っているんだ。
 外側そこだけじゃなくて、ここも触ってほしいって。もっともっと気持ちよくなりたいんだって。

 セフレの関係になってすぐ、悠馬はこの行為を毎回するようになった。もちろん、断った。やんわりじゃなく、はっきりと嫌だって。
 でも、悠馬はやめてくれなかった。
 私の抵抗なんてお構いなしに毎回、ぴちゃぴちゃ、じゅくじゅくと卑猥な音を立ててそこを執拗に愛撫するのだ。

 そんなところを舐められるのとか嫌以外何ものでもないのに、恥ずかしくて堪らないのに。それ以上に気持ち良くて、もっともっと気持ちよくなりたくて、羞恥心なんて早い段階で吹き飛んでしまった。
 それでも毎回最初は抵抗を試みるんだけど、指では得られないまた別のタイプの快感を知ってしまった私は、いつもその誘惑に抗えず、この身を委ねて溺れてしまうのだった。

「イキそう?」

「い、く、っん」

「まだだめ」

 そう言うと悠馬は目元を細め、ぺろぺろと突起を舐め始めた。
 さっきまできつく吸引され痛い位の快感を与えられていたのに、急に緩やかでこそばゆいものに変わり、立てた膝がプルプル震える。

「ゆーま!あ、やあ」

 もっと、欲しい。
 もっともっと気持ちよくなりたい。イキたい。

 悠馬を求めるように、腰を押し付ける。
 そこだけじゃなくて、中も触ってほしい。ぐりぐりしたり、トントンって押したり。もっともっと直接的な快感が欲しい。

「かすみ、胸さわって」

「む、ね?」

「うん。自分の気持ちいいようにやってみてよ。そしたらイカせてあげる」

 意地悪そうな、楽しそうな、情欲にまみれた悠馬の目。でも快楽に沸いた頭では反論する気力も起きず、言われるがままに自分の胸に手を当てる。
 膨らみ全部を覆い隠す様に、そしてゆっくりとその手を回す。

「んっ、んん。はっ」

 下腹部から向けられる真っ直ぐな視線に耐えられなくなって目を瞑る。
 真っ暗な世界に、ぴちゃ、ぴちゃという控えめな水音。私の短い息。速い鼓動。

 見えないけど、わかる。安易に想像できる。
 悠馬が私の膨れたクリトリスを舐めている。舌を突き出して、アイスクリームを舐めるみたいに、美味しそうに。それでいて私をじっと見つめてる。私の微々たる表情の変化も見逃さない、とばかりに。

 こんなの恥ずかしい。でも、泣きたくなるくらい気持ちいい。

 自然と手の動きが大きくなる。

 手で大きく揉みこみ、そして乳首を擦る。ビリリっと身体の中に快楽が走る。
 もっと、もっと。
 硬く、大きくなった乳首をつまんで、くりくりと動かしてみる。最初は恐る恐る。でもあっという間にその力は強くなり、自分で快楽を追求し始める。ぎゅっと根元を絞ってみる。カリカリと先端を爪でかいてみる。

 気持ちい。気持ちい気持ちいい気持ちいい。

「かすみ、どう?気持ちいい?」

「う、ん。きもちー、よお」

「いやらし」

 ふっと悠馬が笑ったと同時に、待ち望んでいた場所にぬぽりと指が突き入れられた。

「あっああ!」

「ほんとだ。うねうねしてる。ほら、もっと触って。どうやったら一番気持ちいいのか、探してみろよ」

 挿入されたのはたった一本で、しかも私の望むようには全然動いてくれない。ぐるりと膣内を確認する様に動かされて、それで終わりだった。

「っゆーま、お願いっは、ああん」

「かすみ」

 中の良い所をもっとついてほしくて、腰が揺れる。もどかしくって焦ったくて、たまらない。
 悠馬はそんな私を叱咤するように腰を押さえ、促す様にもう一度「かすみ」と呼んだ。

「ああ、っやあっ、は、ああ!」

 何も考えらなくなって、一心不乱に自分の乳首を刺激する。
 ぐりぐりと両乳首を摘まんで、ぴんと引っ張って。お腹の中がぎゅうぎゅうに締まって悠馬の指を催促する。お願い、触って。ここを触って、私をイカせてほしいーー!
って。

「かすみ、可愛い」

「あああ!あっ!ん、----!」

 じゅうっとクリトリスを吸われ、ぐりりっと内壁を擦られ、期待していた以上の快感が全身を支配して。 
 絶頂の大波が私を呑み込む。弾けて、飛び散って、いっぱいに満たされる。

 ビクンビクンと、私の意思とは無関係に膣内が収縮を繰り返している。立てていた膝を横に寝かし、はあはあと荒くなった呼吸を整えていると、いつの間にか準備を終えた悠馬がのしかかってきた。
 そして、休む暇もなく一気に奥まで挿入される。

「っはあ!んんん!」

「っく」

 二人横になったまま、ピタリと身体を重ね、動きが止まる。
 さっきまでの行為の激しさと打って変わって、とても静かだ。いつも寝るときと同じ体勢。同じ方向を向いて、抱き枕みたいにぎゅっとされる。
 悠馬の腕枕が心地よい。全身疲労もあって、このまま寝ちゃいそうなくらいだーー

「!?っは、ああん!」

「っ、きもち」

 と思ったけど、悠馬がゆっくり抽送を始め、やっぱり寝られるわけがない。
 差し込まれたものは、無視できないほど大きくて硬い。悠馬の動きはいつも以上にスローなのに、すごく気持ちいい。いつも以上に中が擦れてるのかな。

 ちゅっと悠馬が首筋にキスをする。

 もう一度付き合い始めてから、悠馬が噛んできたことはない。痕が残るかも、とその時は心配していた歯型もすっかり綺麗になってしまった。

「ゆ、ま」

「ん?」

 そのことにホッとしていたはずなのに、今はちょっと物足りないと感じている自分もいて。
 あの時の、怖くて痛い、突き刺さるような快感が、忘れられない。

「かまないの?」

 抽送がピタリと止む。

 そろりと後ろを振り返ると、じっと私を見つめる悠馬と目が合った。
 
「あん時は、ごめん。ちょっと、カッとなって。自分を抑えられなかった」

「そ、なの?」

「もう、かすみに痛いことは絶対しないから」

 そう言って悠馬が眉をひそめる。後悔してる顔だ。
 
 違うの。責めてるんじゃないの。そうじゃくて。

「今は?」

「え?」

「もう、余裕なの?」

「……んなわけ、あるか。笑えねえくらい必死だよ」

 今度はぎゅっと眉根を寄せる。本当に笑えない位必死そうな顔だった。そんな悠馬が愛おしくて、胸が温かくなる。もっとそういう顔が見たい。

「かんでほしいな。悠馬のものなんだって、いっぱい痕つけてほしい」

 悠馬の独占欲をもっともっと感じたい。自分を抑えられない位、必死になってカッとなっちゃうくらい、悠馬に独占されたい。心も身体も全部、悠馬のモノになりたい。

「……っくそ、せっかく我慢してたのに。知らねーからな!」

「きゃ!」

 そういうや否や、悠馬にうつ伏せにされがっちりと腰を掴まれた。そして揺さぶる位に激しく抽送を始める。

「あ!ああっ、ああ!!ゆーま!」

「っかすみ」

 ガンガンと乱暴に奥を突かれ、その度に快楽が全身を突き抜ける。切羽詰まった声で悠馬が私の名前を何度も呼ぶ。好きだとごめんを何度も繰り返して、そして、肩に甘く鋭い痛みが走った。

「っつ!ゆーま、すき!あっ、ああん、きもち、い!すき、すきっ!」

 痛みが麻薬成分のように脳内を駆け巡り、支配する。
 バックの体勢だというのにどうしてもキスがしたくて身体を捩る。それを察した悠馬が私の身体を支えてくれ、挿入したまま乱暴に唇を重ね合わせた。

 好き、好き。悠馬が好き。
 悠馬のことが大好きだから、気持ちいい。

 少しして、悠馬の動きが止まった。でも私の中から出て行くことなく、キスを続ける。
 
 さっきまでのキスとは違う、穏やかでお互いを慈しむようなキス。しばらくそうやってセックスの余韻に浸ってから、唇をそっと離して目を合わせる。

「……っぷ」

「っく、はは」

「あはははは!なにこれ、すっごい変な体勢。身体イタイ」

「すっげえ動き辛かったし」

 体勢的に辛いのに無理やりキスをしようとしたのが、今になって笑えてきた。
 悠馬がそっと出て行き、後処理をする。一気に現実に帰ってきたみたいで、さっきまでの二人が必死過ぎて、イタ面白くて。
 照れ隠しをするみたいに、また二人で声を上げて笑った。

 気持ち良くて、恥ずかしくて、頭ん中悠馬でいっぱいになって、それでもって楽しい。


 そんな悠馬とのセックスが、大好きだ。

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