【R18】大好きな幼馴染が勇者になったので

遙くるみ

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大好きな幼馴染が勇者になったので

アン(10)

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「だから、俺は最初から魔王を倒したら村に戻って親父の靴屋を継ぐつもりだったんだよ。王女と結婚なんてするわけないだろ」

 落ち着いてから服をまた着て、二人でソファに並んで座る。
 答え合わせをするかのように、疑問だったことを一つずつ聞くと、呆れた顔をしながらもヒューゴは一つずつ私が納得するまで答えてくれた。

「でも、ライオスが祝賀パーティーの時に二人が婚約発表するって」

「ちっ、またあいつか。まじで殺しとけば良かった。そんなん嘘だよ。確かに結婚の話は出たこともあるけど、その場で速攻断ったし。」

「そんな、どうして」

「どうしてって。俺はアンが好きなんだから、王女となんて結婚なんてするわけないだろ」

 繋いだ手をギュッと強く握りしめられる。

「その、ちゃんと言わなくて悪かったよ……でも、アンも分かってると思ってたし、何も言ってこなかったから。これからはちゃんと言う。だからアンも俺に思ってることちゃんと言ってくれ。勝手にいなくなって、心配した。アンがもし危ない目にあってたらって思ったら、死ぬかと思った。それに、好きじゃないって言われて、目の前が真っ暗になった。もうあんな思いするの、嫌だ」

 ヒューゴが真剣な眼差しで真っ直ぐに私を見つめてくる。
 その瞳は嘘をついていない。だってずっと一緒にいたから、ずっとずっとヒューゴのことだけが好きだったから、わかるんだ。

「俺と一緒にいてよ。この村でずっと一緒に」

 繋いだ手を口元に持って行き、ヒューゴが優しくキスをする。
 誰もが知ってる、この行為の意味。胸が熱くて、苦しくて、嬉しくて。
 涙を流しながら、私はまた何度も何度も頷くことしかできなかった。



 大好きな幼馴染みが勇者になったので、性欲処理係として無理矢理ついていきましたが、結局村に戻って二人仲良く靴屋を営むことになりました。

おしまい。


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