15 / 39
本編
事変(2)
しおりを挟む
私を襲ってきたのはボブだった。
ミシェルに私を襲うように言われたらしい。
私をレイプすることで、心身ともに痛め付け、そのままこの屋敷から追い出す魂胆だったという。
頼まれたからと言って、その通り襲ってくるというのはどうなのだろうと疑問しかないが、ボブはミシェルに好意を抱いていたみたいで、言うことを聞く代わりに、今度デートをする約束をしていたらしい。
デートするために襲われたんじゃ、割に合わない。いや、どんな理由があるにせよ、決して許されることではないけれど。思考が安直で短絡的だと常々思っていたけれど、まさかこう来るとは思ってもみなかった。
この世界では、女性の地位は低いし、人権なんていう言葉はもちろん概念すらない。さらに私は黒髪で、人買いに攫われた異民族という設定だ。
ミシェルとボブは、金に近い茶色の髪をしているので、自分達は上位に位置しているというプライドがあったのだろう。
それは、普段の態度からも見てとれるし、実際、生家は富裕層だという。
なので尚更、最下層に位置している私のことが気にくわなかったのだろう。
そこら辺は私もちゃんと分かっていて、気を付けていたつもりだった。だったのだけど、まさかここまでするとは思わなかった。
むしろ、私の存在は彼女達にとって、そんな簡単な理由で傷付けられるほど、どうでもいいものだったのかと思い知らされた。
私は彼女達を対等に見ていたが、彼女達からすると、人と犬くらいかけ離れたものだったのだろう。
完全に認識の甘かった私の自業自得だ。
「ミシェルとボブが二人で何か企んでるのはわかってたんだ。だけど、なかなか尻尾がつかめなくて。あの時も、二人がいないのにもっと早く気付いていたら、こんな痛い目に合わせることもなかったのに。本当に、ごめん。俺のせいだ」
ジョセフは私が落ち着くまで、優しく抱き寄せてくれ、少しずつ何があったのか教えてくれた。
私の左頬は、軟膏を塗ったあとガーゼのようなものを貼って、腫れているのがわからないようになっている。
「そんな、ジョセフは何にも悪くないよ。むしろ、私のこと助けてくれてありがとう。……私、何にも分かってなかった。ジョセフは私に気を付けろって言っていたのに、本気にしてなかったの。ううん、自分では気を付けていたつもりだったんだけど、まさかあんなことされるなんて……」
さっきの出来事がフラッシュバックして、身体が震える。もし、ジョセフが来てくれなかったらーーそう思うと、嫌な汗が止まらない。
「私、そんなに悪いことしたかな?って思ったんだけど、違うんだよね。私なんてどうなってもいい存在だったから、軽い気持ちでやったんだよね」
もしかしたら女性を暴行すること自体、この世界ではよくあることなのかもしれない。この世界の人達にとって、気に食わない相手を暴力でねじ伏せるのは、ごく普通の思考なのかもしれない。
ここは、そういう世界なのかもしれない。
異世界という場所の本当の恐ろしさが、今になってようやく理解できた。
怖い、こんな所にもういたくない、帰りたい。日本に、帰りたい。
ガタガタと震えつづける私の肩に、そっと力が込められる。項垂れた頭をゆるりと上げると、ジョセフが眉を顰めていた。心配そうな、苦しそうな、それでいて私を丸っと包みこむような瞳。
そんなことないよって言ってくれているようで、私の心がじんわりと満たされる。
「私が思ったよりももっと、私の存在ってちっぽけなものだったんだね。ただ黒髪で異民族ってだけで、なんであんなに酷いことされなきゃいけないんだろうって思ってた。でも、黒髪で異民族ってことは、この国ではものすごく大きな問題なんだよね。でも、そのせいで一人の人間として認めてもらえないなんて、悔しいよ。どう足掻いても、絶対にそこは変えられないじゃない」
ジョセフは私を宥めるように、そっと背中を撫でてくれる。ジョセフに触れられた場所から、震えがなくなっていくようだ。あんなに寒くて寒くて仕方なかったのに、今では少し温かい。
「表向きはこの国では差別をしてはいけないと言っているけれど、昔からの考えは未だ根深く残っている。それが富裕層になればなるほどね。でも、確実に差別意識は減少してきてるし、見た目や生まれじゃなく、人の中身を見ている人はたくさんいる。特に、今回の聖女様は黒髪だっていうし、今はかなり黒髪差別をなくそうという動きが強い。この屋敷の人たちだって、サトゥが一生懸命仕事をしていることは知ってるし、だからこそ女中長にだって認めてもらえたんだろ。ミシェル達みたいな考えは完全に少数派だよ」
一度話を止めて、背中に回した手を離される。
フッと温もりが消え、離れがたくなるが、ジョセフは代わりに私の握りしめた拳をそっと両手で包んでくれた。
私の手がジョセフの大きな手にすっぽりと隠される。
大きくてゴツゴツしてて、私とは全然違う、男の人の手。温かくて、私を守ってくれる、優しい手。
「それに。俺はサトゥが誰よりも頑張ってる所をずっと見てきたよ。何もわからない環境で、たった一人努力して。どんな時も諦めないで前を向いて。そんなサトゥを見て、いつも凄いなって思ってた。一人の人間として、尊敬してる。サトゥに比べれば、この屋敷にいる人間なんて、誰一人頑張ってないグータラだらけだよ」
ジョセフの言葉がじわじわと胸に染みて、心臓がギュッと締め付けられる。また目頭が熱くなり、抑えきれなくなって涙が溢れた。
「……あと、サトゥの黒髪はとても綺麗だよ。艶があって真っ直ぐで。まるで、始まりの女神アリティアスのようだ。誰に何て言われても、どう思われていようと、俺は好きだってこと、絶対に忘れないで」
ボロボロに崩れそうになった自尊心が、ジョセフの一言一言で修復されていく。
全否定された私の存在が、ジョセフのお陰で、ここにいてもいいって、私は間違ってないって認められているみたいで、安心する。
日本にいたときに比べれば、パサパサになってお世辞にも艶があるとはいえないのに。私のために誉めてくれるのが分かるから、単純にその気遣いが嬉しい。
誰か一人に認められることがこんなに嬉しいなんて、知らなかった。
ううん、違う。ジョセフに認められたからこそ、こんなに嬉しいんだ。
嬉しい、ありがとう…………好き。ジョセフが、好き。
一気に感情が溢れて、止められない。
重なった手が、見つめられている場所が、ジョセフの吐息が、全部が熱くて苦しくって、居たたまれない。
一度その感情を認めてしまうと、もうなかったことはできなかった。
口を開くと何かを勝手に口走りそうで、ぎゅっと口を引き結ぶ。そのかわり何度も何度も頷いて、私の涙が止まるまで暫く二人で手を重ねていた。
ミシェルに私を襲うように言われたらしい。
私をレイプすることで、心身ともに痛め付け、そのままこの屋敷から追い出す魂胆だったという。
頼まれたからと言って、その通り襲ってくるというのはどうなのだろうと疑問しかないが、ボブはミシェルに好意を抱いていたみたいで、言うことを聞く代わりに、今度デートをする約束をしていたらしい。
デートするために襲われたんじゃ、割に合わない。いや、どんな理由があるにせよ、決して許されることではないけれど。思考が安直で短絡的だと常々思っていたけれど、まさかこう来るとは思ってもみなかった。
この世界では、女性の地位は低いし、人権なんていう言葉はもちろん概念すらない。さらに私は黒髪で、人買いに攫われた異民族という設定だ。
ミシェルとボブは、金に近い茶色の髪をしているので、自分達は上位に位置しているというプライドがあったのだろう。
それは、普段の態度からも見てとれるし、実際、生家は富裕層だという。
なので尚更、最下層に位置している私のことが気にくわなかったのだろう。
そこら辺は私もちゃんと分かっていて、気を付けていたつもりだった。だったのだけど、まさかここまでするとは思わなかった。
むしろ、私の存在は彼女達にとって、そんな簡単な理由で傷付けられるほど、どうでもいいものだったのかと思い知らされた。
私は彼女達を対等に見ていたが、彼女達からすると、人と犬くらいかけ離れたものだったのだろう。
完全に認識の甘かった私の自業自得だ。
「ミシェルとボブが二人で何か企んでるのはわかってたんだ。だけど、なかなか尻尾がつかめなくて。あの時も、二人がいないのにもっと早く気付いていたら、こんな痛い目に合わせることもなかったのに。本当に、ごめん。俺のせいだ」
ジョセフは私が落ち着くまで、優しく抱き寄せてくれ、少しずつ何があったのか教えてくれた。
私の左頬は、軟膏を塗ったあとガーゼのようなものを貼って、腫れているのがわからないようになっている。
「そんな、ジョセフは何にも悪くないよ。むしろ、私のこと助けてくれてありがとう。……私、何にも分かってなかった。ジョセフは私に気を付けろって言っていたのに、本気にしてなかったの。ううん、自分では気を付けていたつもりだったんだけど、まさかあんなことされるなんて……」
さっきの出来事がフラッシュバックして、身体が震える。もし、ジョセフが来てくれなかったらーーそう思うと、嫌な汗が止まらない。
「私、そんなに悪いことしたかな?って思ったんだけど、違うんだよね。私なんてどうなってもいい存在だったから、軽い気持ちでやったんだよね」
もしかしたら女性を暴行すること自体、この世界ではよくあることなのかもしれない。この世界の人達にとって、気に食わない相手を暴力でねじ伏せるのは、ごく普通の思考なのかもしれない。
ここは、そういう世界なのかもしれない。
異世界という場所の本当の恐ろしさが、今になってようやく理解できた。
怖い、こんな所にもういたくない、帰りたい。日本に、帰りたい。
ガタガタと震えつづける私の肩に、そっと力が込められる。項垂れた頭をゆるりと上げると、ジョセフが眉を顰めていた。心配そうな、苦しそうな、それでいて私を丸っと包みこむような瞳。
そんなことないよって言ってくれているようで、私の心がじんわりと満たされる。
「私が思ったよりももっと、私の存在ってちっぽけなものだったんだね。ただ黒髪で異民族ってだけで、なんであんなに酷いことされなきゃいけないんだろうって思ってた。でも、黒髪で異民族ってことは、この国ではものすごく大きな問題なんだよね。でも、そのせいで一人の人間として認めてもらえないなんて、悔しいよ。どう足掻いても、絶対にそこは変えられないじゃない」
ジョセフは私を宥めるように、そっと背中を撫でてくれる。ジョセフに触れられた場所から、震えがなくなっていくようだ。あんなに寒くて寒くて仕方なかったのに、今では少し温かい。
「表向きはこの国では差別をしてはいけないと言っているけれど、昔からの考えは未だ根深く残っている。それが富裕層になればなるほどね。でも、確実に差別意識は減少してきてるし、見た目や生まれじゃなく、人の中身を見ている人はたくさんいる。特に、今回の聖女様は黒髪だっていうし、今はかなり黒髪差別をなくそうという動きが強い。この屋敷の人たちだって、サトゥが一生懸命仕事をしていることは知ってるし、だからこそ女中長にだって認めてもらえたんだろ。ミシェル達みたいな考えは完全に少数派だよ」
一度話を止めて、背中に回した手を離される。
フッと温もりが消え、離れがたくなるが、ジョセフは代わりに私の握りしめた拳をそっと両手で包んでくれた。
私の手がジョセフの大きな手にすっぽりと隠される。
大きくてゴツゴツしてて、私とは全然違う、男の人の手。温かくて、私を守ってくれる、優しい手。
「それに。俺はサトゥが誰よりも頑張ってる所をずっと見てきたよ。何もわからない環境で、たった一人努力して。どんな時も諦めないで前を向いて。そんなサトゥを見て、いつも凄いなって思ってた。一人の人間として、尊敬してる。サトゥに比べれば、この屋敷にいる人間なんて、誰一人頑張ってないグータラだらけだよ」
ジョセフの言葉がじわじわと胸に染みて、心臓がギュッと締め付けられる。また目頭が熱くなり、抑えきれなくなって涙が溢れた。
「……あと、サトゥの黒髪はとても綺麗だよ。艶があって真っ直ぐで。まるで、始まりの女神アリティアスのようだ。誰に何て言われても、どう思われていようと、俺は好きだってこと、絶対に忘れないで」
ボロボロに崩れそうになった自尊心が、ジョセフの一言一言で修復されていく。
全否定された私の存在が、ジョセフのお陰で、ここにいてもいいって、私は間違ってないって認められているみたいで、安心する。
日本にいたときに比べれば、パサパサになってお世辞にも艶があるとはいえないのに。私のために誉めてくれるのが分かるから、単純にその気遣いが嬉しい。
誰か一人に認められることがこんなに嬉しいなんて、知らなかった。
ううん、違う。ジョセフに認められたからこそ、こんなに嬉しいんだ。
嬉しい、ありがとう…………好き。ジョセフが、好き。
一気に感情が溢れて、止められない。
重なった手が、見つめられている場所が、ジョセフの吐息が、全部が熱くて苦しくって、居たたまれない。
一度その感情を認めてしまうと、もうなかったことはできなかった。
口を開くと何かを勝手に口走りそうで、ぎゅっと口を引き結ぶ。そのかわり何度も何度も頷いて、私の涙が止まるまで暫く二人で手を重ねていた。
10
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる