放浪戦記

アブナイ羊

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幼少期 盗賊団時代

魔素感知

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 魔素は空気中から取り入れて使う。どこから取り入れるかというと、空気に触れている部分全てだ。肌はもちろん、歯や舌、肺などからも取り入れられる。
普通はそうなったらたいてい死ぬのだが、心臓などの内臓が空気に触れたとすれば、そこから魔素を取り入れることも理論上は可能らしい。
そして魔術を使うには空気中の魔素を感知するところから始めなければならない。
それがどんな方法かというと……

「マジでこっち見んなアルト!ほんとに許さない!」

「うるせーな!見たくなくても目開けなきゃダメなんだから見えちまうんだよ馬鹿!てかそもそもお前みたいななんの魅力もない身体なんて見たくねーわ!」

「はぁ!?それはそれでムカつくんだけど!」

だいたい2人セットで行われるのだが、素っ裸でつま先立ちし、お互いを見つめ合うというものだ。裸なのは空気と触れ合う面積を少しでも稼ぐため。お互いを見つめ合うのは魔素が取り込まれていく様子を観察するため。喋ると呼吸回数が増えるのでよりよい。
他にもパイプを咥えてそこを通る魔素を感じるなど方法はあるが、現状これが一番手っ取り早い。

「はいはい、もうちょっと静かにしようね」

「「だってこいつが!」


教師になっている女の先輩が放った言葉にたまたま、同じ言葉を同じタイミングで言った。
は?キモいんだけどなんでこいつと思考が同じなの。ていうか、さっきから身体の表面と口のなかとか肺が熱くなってきた気がする。…もしかして?もしかしちゃう?

「なんかちょっと、肌とか口とか、いろんなところが熱い気がする」

そういうと先輩はすぐに反応してくれた。

「お、じゃあラヴィちゃんは服着ていいよ。魔術の習得にいこう。アルトくんは……まだみたいだね。もうちょっと頑張って」

「ぷぷっ、アルトのざ~こ!」

「なんだと~!?俺だってすぐに!ふんぬぅぅぅぅ……!!」

ちょっと煽ってやるとアルトはすぐ反応した。やっぱり馬鹿だ。単純すぎ。

「ちょっと、イキんでも何もないから。それより集中して」

「じゃ~ね~」

「ぐっ…くっそぉ!!」

顔面を紅潮させるアルトを尻目にその場を後にした。

魔素を感じとるのには実はかなり時間がかかっていた。昨日の朝、初めてこの作業を始めたときは裸をアルトに見られていると思うと恥ずかしくて少しも集中できなかった。それから一日たって裸でいることに慣れて、ようやく感じとるのに成功した。今はもう夕方。魔素を感じとるだけの作業にほぼ2日もかけている。魔術を使えるようになるのはまだまだ先かもしれない…。
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