放浪戦記

アブナイ羊

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幼少期 盗賊団時代

魔術の初歩の初歩

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 魔素を感知できるようになった後は、疲れたからすぐに寝た。そして翌朝魔術を習いに昨日と同じ女の先輩のところにいくと、もうすでにアルトが正座してなにかしていた。

「あれ、もうアルトいたの」

声をかけると、先輩にジェスチャーで「しーーっ!」とされた。アルトが珍しく集中してるから、邪魔をするなということだろう。

「むぐ、うぐぐぐぐぐ……き、キタッ!!!


当然奇声を発したかと思うと、水をすくうかのような形をした手のなかでほんのわずかに光が見えた。

「おおー、これで第一段階クリアだね」

え?もしかしてわたし、こいつに先越された!?あー、もう!もっと早く起きればよかった!

「それわたしにも教えてください!」

先輩に指示されたのは、まず昨日感じ取れるようになった魔素を手に集めることだった。魔術はイメージで力を産み出すものだが、魔素を一定以上の濃度にすると、なにもイメージしなくても一番適正のある属性の力が産み出されるらしい。アルトは一番適正があったのが光だったということだ。

魔素を手に集める。言うには簡単だが、これがまた難しい。皮膚を手に向けて動かすようなイメージでやっているが、いかんせん皮膚を動かしたことなどないのでなにもわからない。一応、魔素はちゃんと感知できている。
…癪だけど、アルトにコツを聞くか。

「え?どうやって魔素を集めたのかって?うーん、ぐぐぐぐぐぁあー!ってやったら動いたんだよ、まじで。あー、そうやって力を込めるんじゃなくてな、こう、外側のモヤモヤをな………」

…だめだこいつ。絶望的に説明が下手だ。







「そろそろ昼ごはんにする?」

手で作ったお椀を覗き込むようにしていたわたしは、その声で集中が完全に解け、手をおろして床につけた。

「熱っ!?」

床に手がついた瞬間、床が熱くなってわたしは反射的に手を床からはなした。
え?え?なんで?
倉庫の床には手の形に焦げ跡ができていた。

「あれ!できたじゃん!おめでとう!」

「え…できた、の?」

どうやら出来てしまったらしい。不本意にも、集中を解いた瞬間に、何気無くやった動作によって。
ちなみに属性はお察しのとおり火属性だった。
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