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幼少期 盗賊団時代
魔術の初歩
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わたしは今、また魔術の練習をしてる。昨日の仕事でストレスがだいぶなくなったとはいえ、ずっと突っ立って動かずに集中するのはキツい。
「早くなんかでて!火の矢、火の玉、火の槍なんでもいいから!」
「口に出てるよ」
心のうちで思っていたことを思わず口に出してしまうのも無理はないと思う。想像してみてほしい。つい最近触れたばかりの魔素が自分の手のひらで火に変わるところを。
手本を見せてもらったこともあるけど、なにもわからなかったし。
そしてなにより、わたしはじっとするのが苦手なんだよ。
「うおおおおお!!なんか出てきそうだぜ!おらああああー!」
俺はアルト。今魔術の練習をしてるんだけど、あと少しでなんか出来そうなんだ!その証拠に手が光ってるし!
「あとは…これを大きくすれば!ふぅううううん!」
パアッと辺りが照らされ、倉庫のなかにいた団員たちが一斉にこちらを向くのがわかった。
眩しさに固く閉じていた目を開くと、手のひらに人の頭くらいの大きさの白い光の玉があった。
「お?お、お、お、おおおおおお!!できた!できたぜカインさん!」
俺に魔術を指導してくれていたカインさんもおめでとうと言ってくれている。あとはこれを発射するだけ!
…………って、あり?手のひらから光の玉が離れない。ブンブンとてを振り回しても、まるで手にひっついた虫のようにしつこく離れない。
「あー、くそ!発射!射出!飛んでけ!…なんで飛ばないんだよ…」
隣を見ると、びっくりした表情のラヴィが手に火の玉を浮かべてこっちを見ていた。
ラヴィも同時に成功したのかよ。俺が先に成功させて一泡吹かせてやろうと思ってたのに。
一瞬、倉庫のなかがすごく眩しくなったと思ったら、アルトの手のひらに光の玉が浮かんでた。先を越された!と思ったけど、どうやら手にくっついて離れないみたい。まだわたしの負けじゃないみたい。
そう思いつつ、自分の手の上の火の玉に意識を向ける。
「…ん?火の玉?」
えええええ!?いつのまにか火の玉ができてる!や、やった!きっとビックリした拍子にできたんだ!あとはこれを…
「って、あれ?手から離れない…」
どれだけ強く振り回しても、剣で斬ってみても離れない。
これじゃアルトの二の舞じゃない!
そのとき、二人に声がかけられた。
「あっははは!なんで手から飛ばしていかないの?的はあそこだよ?おっかしいな!」
いつもは楽しい声なのに、今に限ってはウザい。
「まぁ、1つアドバイスをあげるよ。唾をはくように飛ばすんだよって言ったらだいたいみんな成功してるよ。僕もその口だしね」
唾をはくように…?
ベチャ、とアルトが唾をはく音が聞こえた。なんで本当にはくかな…。
だが、実際に唾をはいたおかげかアルトは光の玉を飛ばすことに成功していた。
「すげえ!ラヴィ、ホントに唾をはく感じだぞ!こう、ペッてな!」
唾をはくって言ったら、舌の上に乗せた唾を唇や空気を使って押し出す…って感じか。それを手でやるとすると、指で弾く?みたいな感じかな。
「おぉ!飛んでった!」
弾かれた火の玉は的にしていた藁の束に当たり、的が燃えた。すぐに水の魔術で消火されたが。
「早くなんかでて!火の矢、火の玉、火の槍なんでもいいから!」
「口に出てるよ」
心のうちで思っていたことを思わず口に出してしまうのも無理はないと思う。想像してみてほしい。つい最近触れたばかりの魔素が自分の手のひらで火に変わるところを。
手本を見せてもらったこともあるけど、なにもわからなかったし。
そしてなにより、わたしはじっとするのが苦手なんだよ。
「うおおおおお!!なんか出てきそうだぜ!おらああああー!」
俺はアルト。今魔術の練習をしてるんだけど、あと少しでなんか出来そうなんだ!その証拠に手が光ってるし!
「あとは…これを大きくすれば!ふぅううううん!」
パアッと辺りが照らされ、倉庫のなかにいた団員たちが一斉にこちらを向くのがわかった。
眩しさに固く閉じていた目を開くと、手のひらに人の頭くらいの大きさの白い光の玉があった。
「お?お、お、お、おおおおおお!!できた!できたぜカインさん!」
俺に魔術を指導してくれていたカインさんもおめでとうと言ってくれている。あとはこれを発射するだけ!
…………って、あり?手のひらから光の玉が離れない。ブンブンとてを振り回しても、まるで手にひっついた虫のようにしつこく離れない。
「あー、くそ!発射!射出!飛んでけ!…なんで飛ばないんだよ…」
隣を見ると、びっくりした表情のラヴィが手に火の玉を浮かべてこっちを見ていた。
ラヴィも同時に成功したのかよ。俺が先に成功させて一泡吹かせてやろうと思ってたのに。
一瞬、倉庫のなかがすごく眩しくなったと思ったら、アルトの手のひらに光の玉が浮かんでた。先を越された!と思ったけど、どうやら手にくっついて離れないみたい。まだわたしの負けじゃないみたい。
そう思いつつ、自分の手の上の火の玉に意識を向ける。
「…ん?火の玉?」
えええええ!?いつのまにか火の玉ができてる!や、やった!きっとビックリした拍子にできたんだ!あとはこれを…
「って、あれ?手から離れない…」
どれだけ強く振り回しても、剣で斬ってみても離れない。
これじゃアルトの二の舞じゃない!
そのとき、二人に声がかけられた。
「あっははは!なんで手から飛ばしていかないの?的はあそこだよ?おっかしいな!」
いつもは楽しい声なのに、今に限ってはウザい。
「まぁ、1つアドバイスをあげるよ。唾をはくように飛ばすんだよって言ったらだいたいみんな成功してるよ。僕もその口だしね」
唾をはくように…?
ベチャ、とアルトが唾をはく音が聞こえた。なんで本当にはくかな…。
だが、実際に唾をはいたおかげかアルトは光の玉を飛ばすことに成功していた。
「すげえ!ラヴィ、ホントに唾をはく感じだぞ!こう、ペッてな!」
唾をはくって言ったら、舌の上に乗せた唾を唇や空気を使って押し出す…って感じか。それを手でやるとすると、指で弾く?みたいな感じかな。
「おぉ!飛んでった!」
弾かれた火の玉は的にしていた藁の束に当たり、的が燃えた。すぐに水の魔術で消火されたが。
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