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8年前①
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それは遡る事8年前。 辺境の地にある小さな町の錬金術ギルドでアルフェンとヴァルトは雑用仕事の傍ら錬金術を学びその技術を生業として幼い弟リュ一クとともに生活していた頃だった。
「―――――!!!!」
「――――!!!」
その日、錬金術ギルドの建物内で貴族風の男がボサボサ頭の大男に対しに対し一方的な怒りをぶつけていた。
ザワザワとギルド職員や他の錬金術師達が様子をうかがう中、カウンタ一の近くにいた蜂蜜色の髪の少年と黒髪の少年一一当時15歳のアルフェンと13歳のヴァルトも他の錬金術師達同様にそのやりとりを見つめていた。
「・・・・・ねえ兄さん、ギルド長なんか滅茶苦茶怒られているけど、大丈夫かな?」
「う~ん・・・」
一方向的に怒鳴られている大男は、アルフェンら錬金術まとめる錬金術師たちをまとめる錬金術ギルドのギルド長で、見た目はボサボサの黒髪と髭面、2メ一トルの巨体から熊のようだとからかわれるが、錬金術の知識と技術は領主からも信頼され、人柄の良さからギルドの職員や錬金術師たち、そして街の人たちからも信頼されているのでこの事態に誰もがどうしていいのかわからなくて困惑していた。
「そもそもあの人誰?」
「あいつは領主様の異母弟だよ。」
ヴァルトの問いに答えたのはカウンタ一のなかにいた副ギルド長だった。
「副ギルド長あの人のこと知ってるんですか?」
「ああ・・・ていっても俺もあいつに逢うのは10年ぶりなんだけどな。」
副ギルド長曰く、ギルド長を一方的に怒鳴っている貴族風の男…領主の異母弟のザルツマン・グラ一スは幼少期は活発かつ聡明な性格だったが、先代夫婦が事故でなくなったあと人が変わったかのように横暴かつ傲慢な性格に変貌し、慕っていた現領主である異母兄を蔑むようになり「自分が次の領主だ!!」と宣言していたが、ある日「自分にはやるべきことがある。」と言いだし、王都に行ったきり以来10年領地に戻ってくることはなかった。
「帰ってきたと思えば錬金術ギルドに来てギルド長に変な言いがかりをつけて絡んできやがって・・・まったく迷惑な奴だなあ。」
はああ・・・と額に手を当て深いため息をつく副ギルド長にアルフェンとヴァルトはまあまあと宥めていると、ふと視線を感じたアルフェンが不意に振り向くと、ザルツマンがこちらを鋭い目つきで睨んでいた。
「・・・っつ、ふんっ!!」
クルリとザルツマンは踵を返すとそのままギルドから立ち去っていった。
「・・・・・何だったんだ?。」
「さあ・・・」
「て言うか、あの人兄さんを睨んでいたけど何でだ?」
「うん・・・なんでだろうね?」
初対面の相手に睨まれる理由がわからず、このときのアルフェンとヴァルトはただ首を傾げるだけだった。
「―――――!!!!」
「――――!!!」
その日、錬金術ギルドの建物内で貴族風の男がボサボサ頭の大男に対しに対し一方的な怒りをぶつけていた。
ザワザワとギルド職員や他の錬金術師達が様子をうかがう中、カウンタ一の近くにいた蜂蜜色の髪の少年と黒髪の少年一一当時15歳のアルフェンと13歳のヴァルトも他の錬金術師達同様にそのやりとりを見つめていた。
「・・・・・ねえ兄さん、ギルド長なんか滅茶苦茶怒られているけど、大丈夫かな?」
「う~ん・・・」
一方向的に怒鳴られている大男は、アルフェンら錬金術まとめる錬金術師たちをまとめる錬金術ギルドのギルド長で、見た目はボサボサの黒髪と髭面、2メ一トルの巨体から熊のようだとからかわれるが、錬金術の知識と技術は領主からも信頼され、人柄の良さからギルドの職員や錬金術師たち、そして街の人たちからも信頼されているのでこの事態に誰もがどうしていいのかわからなくて困惑していた。
「そもそもあの人誰?」
「あいつは領主様の異母弟だよ。」
ヴァルトの問いに答えたのはカウンタ一のなかにいた副ギルド長だった。
「副ギルド長あの人のこと知ってるんですか?」
「ああ・・・ていっても俺もあいつに逢うのは10年ぶりなんだけどな。」
副ギルド長曰く、ギルド長を一方的に怒鳴っている貴族風の男…領主の異母弟のザルツマン・グラ一スは幼少期は活発かつ聡明な性格だったが、先代夫婦が事故でなくなったあと人が変わったかのように横暴かつ傲慢な性格に変貌し、慕っていた現領主である異母兄を蔑むようになり「自分が次の領主だ!!」と宣言していたが、ある日「自分にはやるべきことがある。」と言いだし、王都に行ったきり以来10年領地に戻ってくることはなかった。
「帰ってきたと思えば錬金術ギルドに来てギルド長に変な言いがかりをつけて絡んできやがって・・・まったく迷惑な奴だなあ。」
はああ・・・と額に手を当て深いため息をつく副ギルド長にアルフェンとヴァルトはまあまあと宥めていると、ふと視線を感じたアルフェンが不意に振り向くと、ザルツマンがこちらを鋭い目つきで睨んでいた。
「・・・っつ、ふんっ!!」
クルリとザルツマンは踵を返すとそのままギルドから立ち去っていった。
「・・・・・何だったんだ?。」
「さあ・・・」
「て言うか、あの人兄さんを睨んでいたけど何でだ?」
「うん・・・なんでだろうね?」
初対面の相手に睨まれる理由がわからず、このときのアルフェンとヴァルトはただ首を傾げるだけだった。
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