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ようこそエルデガリアへ
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「まさか。シオンは死なない。俺の見立てでは、シオンは、俺に匹敵する力を持っている」
ヴァイスが慌てて否定した。
だが争点が死か、そうでないかだと、やっぱり白音の人権を無視されているようで、複雑な心境になった。
「そうは言っても、私は魔法なんて使えないし」
「魔力はある。シオンを呼ぶ時も、今も力は感じた。大丈夫だ。だから、結婚しよう」
呼ぶ時、とはタイミング的に、白音が聡たちを呪った時だったりするのだろうか。
ヴァイスは大分前のめりに、白音に迫る。
なるほど。丸ごと信用してはいないが、理屈は理解した。
理解をしても、結婚する気には当然ならない。
こんなに見目麗しい男性から迫られても、どうにも釈然としない。
彼等の言い分を、自分なりにまとめてみる。
「つまり、止むに止まれぬ事情があって、仕方なく私を呼び寄せた、ってことですよね? 呼んでみたらちょうど上手い具合に条件が合致したから結婚しようと。ご都合ですよね??」
順序立てて整理してみると、釈然としない部分が浮き彫りになった。
最初は驚き、戸惑ったが、男性らの身勝手な主張に怒りが込み上げてきた。
ちょうど、自宅でも身勝手な男どもの所業に腹を立てていた直後だ。
我を忘れて呪ってやりたくなるくらいには。
「結果的にはそうだ。だが、俺にとってシオンはーー」
「まあ、その通りではあるけど、もうちょっと考えてみて。さっきは正直に、ヴァイスにとって不利な部分ばかり話したけれど、シオン姫にとっても有益な条件いくつもある」
ネンゲルは白音の怒気を察したのか、ヴァイスの発言を遮って話を続けた。
「エルデガリアには素晴らしい資源がある。ここには川や湖が沢山あるから漁業と塩の生産が盛んなんだ。それに小麦や野菜を始めとした農業、牛や豚の畜産も。あと鉱物資源、女の子が大好きな宝石も採れるよ。山に囲まれているから林業も盛んだ。それから……」
ネンゲルは指を折りつつ、エルデガリアの資源について説明を始めた。
淡水なら塩は採れないから、この地にあるのは塩水湖なのか?
と、茶々を入れたくなるが、話は続くようなので黙って頷く。
「で、その豊かなエルデガリアの守護の要がこのヴァイスだ。国で国教会に次ぐ権力を持っている上にこの美貌。子を成さずとも良いのならと、縁談を望む不届な女性は一定数存在する。そんなレディたちは、私が一切合切、蹴散らしているけれど」
ネンゲル和やかに微笑みながら、「蹴散らす」の部分だけ、やけに力強く発音した。
「私たちは兄弟だからね。私はヴァイスの幸せを心から望んでいるのさ」
「ご兄弟だったんですか」
「まあ、腹違いだし、あまり似ていないけどね」
言われてみれば、顔の造作自体は似ている。しかし、雰囲気はまるで違う。
どちらも美しい顔立ちで人目を惹くが、まるで、太陽と月のように相反していた。
「ね、ヴァイス以上の男はこの国に存在しないよ? だからシオン姫に是非にお願いする。国賓待遇で迎え入れるよ」
言葉遣いは柔和だが、ネンゲルはキッパリと言い切った。
ヴァイスが慌てて否定した。
だが争点が死か、そうでないかだと、やっぱり白音の人権を無視されているようで、複雑な心境になった。
「そうは言っても、私は魔法なんて使えないし」
「魔力はある。シオンを呼ぶ時も、今も力は感じた。大丈夫だ。だから、結婚しよう」
呼ぶ時、とはタイミング的に、白音が聡たちを呪った時だったりするのだろうか。
ヴァイスは大分前のめりに、白音に迫る。
なるほど。丸ごと信用してはいないが、理屈は理解した。
理解をしても、結婚する気には当然ならない。
こんなに見目麗しい男性から迫られても、どうにも釈然としない。
彼等の言い分を、自分なりにまとめてみる。
「つまり、止むに止まれぬ事情があって、仕方なく私を呼び寄せた、ってことですよね? 呼んでみたらちょうど上手い具合に条件が合致したから結婚しようと。ご都合ですよね??」
順序立てて整理してみると、釈然としない部分が浮き彫りになった。
最初は驚き、戸惑ったが、男性らの身勝手な主張に怒りが込み上げてきた。
ちょうど、自宅でも身勝手な男どもの所業に腹を立てていた直後だ。
我を忘れて呪ってやりたくなるくらいには。
「結果的にはそうだ。だが、俺にとってシオンはーー」
「まあ、その通りではあるけど、もうちょっと考えてみて。さっきは正直に、ヴァイスにとって不利な部分ばかり話したけれど、シオン姫にとっても有益な条件いくつもある」
ネンゲルは白音の怒気を察したのか、ヴァイスの発言を遮って話を続けた。
「エルデガリアには素晴らしい資源がある。ここには川や湖が沢山あるから漁業と塩の生産が盛んなんだ。それに小麦や野菜を始めとした農業、牛や豚の畜産も。あと鉱物資源、女の子が大好きな宝石も採れるよ。山に囲まれているから林業も盛んだ。それから……」
ネンゲルは指を折りつつ、エルデガリアの資源について説明を始めた。
淡水なら塩は採れないから、この地にあるのは塩水湖なのか?
と、茶々を入れたくなるが、話は続くようなので黙って頷く。
「で、その豊かなエルデガリアの守護の要がこのヴァイスだ。国で国教会に次ぐ権力を持っている上にこの美貌。子を成さずとも良いのならと、縁談を望む不届な女性は一定数存在する。そんなレディたちは、私が一切合切、蹴散らしているけれど」
ネンゲル和やかに微笑みながら、「蹴散らす」の部分だけ、やけに力強く発音した。
「私たちは兄弟だからね。私はヴァイスの幸せを心から望んでいるのさ」
「ご兄弟だったんですか」
「まあ、腹違いだし、あまり似ていないけどね」
言われてみれば、顔の造作自体は似ている。しかし、雰囲気はまるで違う。
どちらも美しい顔立ちで人目を惹くが、まるで、太陽と月のように相反していた。
「ね、ヴァイス以上の男はこの国に存在しないよ? だからシオン姫に是非にお願いする。国賓待遇で迎え入れるよ」
言葉遣いは柔和だが、ネンゲルはキッパリと言い切った。
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