サレカノでしたが、異世界召喚されて愛され妻になります〜子連れ王子はチートな魔術士と契約結婚をお望みです〜

きぬがやあきら

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寝室

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 2人の馴れ初めも、極力改竄せず、ヴァイスが望んで召喚したことで口裏を合わせてある。

 うん、ここは正直に話して大丈夫だ。

 言っても通じる気がしないけど。

「日本という、遠い国の出身です。ご存知ないかとは思いますが」

「ではやはり。ヴァイス様が異国からお召しになったとのお話は、真実でしたのね」

 シャルロットの瞳が、揺らめきと共にきらりと輝いた。

「ご郷里ではどのような暮らしをされていたのでしょうか? 夫人はどういったことがお得意でいらっしゃいますの?」

「どのような? 日本では独り暮らしでしたけど。仕事は印刷関連の会社で事務をやっていました」

「お仕事って? 夫人は職業をお持ちでしたの? 魔術などの研究職ではなく、印刷の?」

 シャルロットは聞き慣れないのか、目をぱちくりとさせた。

 この場合、シオンの言葉はニュアンスまできちんと伝わっているのだろうか。

「ああ、魔術の関連書類などを印刷してらっしゃる部署ですのね。ごめんなさい、驚いてしまいまして」

「いや、魔術はあんまり関係ないんです。あんまりというか、全然。主に顧客に依頼された印刷物をですね……」

 どうしてそのような質問をされるのかわからないけれど、シオンは自分自身に興味を持たれるのが嬉しくて、どうにか説明ができないか試みた。

 しかし、説明すればする程シャルロットは困惑していく。

「ごめんなさい、私、少し理解が及ばなくて……。では、どうしてヴァイス様は夫人をお選びになったの?」

「え……さ、さあ……? どうしてでしょう」

 自分自身のことならまだしも、ヴァイスの気持ちを聞かれたってわからない。

 うっかり素で回答して、首を傾げる。

「お分かりにならないのですか? では、プロポーズのお言葉は??」

「それなら……。結婚してくれって。そういえば、私の魔力が好きとかなんとか、言っていた気がします」

 シオンは言葉を濁しつつ、笑ってやり過ごそうとする。

 シャルロットは露骨に怪訝な表情を浮かべた。

(何だろう、変な子だな)

 シャルロットの矢継ぎ早な質問にシオンはたじろぎながら答えたが、ちょっとずつ違和感が湧いてきた。

 今日の訪問の目的は、本当に結婚の祝福だろうか?

 もし違うなら、真の目的を伺ってお帰り願いたいところだが、要件を尋ねるのは「早くお祝いして」とこちらから催促しているようで言い出し辛い。

「わかりましたわ。つまり、お子が欲しくて夫人を選ばれたのですね。ヴァイス様はお優しくていらっしゃるから」

 柔らかな手をポンと打つ愛らしい仕草。

 その中に潜んだ棘のある表現に弾かれて、シオンはシャルロットを凝視した。
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