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初デート
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すぐ隣に座ったセシルが立ち上がる。
「いいから座っていてちょうだい、ありがとう。リラ、いい子にしてた? 今日は何をして遊んだの?」
シオンは歩み寄りながら尋ねた。
リラはシオンに気がつくと、パッと顔を輝かせておもちゃを放り出し、こちらを向こうと体を捻るがなかなか寝返りができない。
「うー、あっ!」
憤るように、リラは手足をバタつかせた。
そんな仕草も愛らしくて、思わず笑み崩れる。
最近リラは首が座って、色々な動きができるようになっていた。
「またすぐお部屋に行くんだけど、その前に顔が見たくて来ちゃった」
「そうでしたか。そうしましたら、奥様のお部屋にご一緒してもよろしいでしょうか? リラ様もご機嫌ですし」
「ええ、もちろんよ。じゃあ、悪いけど付き合ってもらおうかしら」
シオンはセシルに頷いて、リラの頰を撫でた。
自室の文机には、既に書簡とペーパーナイフの準備がされていた。
サッと開封し、目を通す。
そこには以前と同じく、流麗な文字でヴェーシュからのメッセージがしたためられていた。
書簡は親愛なるシオンへ。との出だしに始まり、次のように続く。
「お元気ですか? 先日は私情に巻き込み、大変な迷惑をかけてごめんなさい。特にシオンには不名誉な疑いを掛けた上、危険に晒してしまったことを深く反省しています。本当にごめんなさい。改めて謝罪の場を設けさせていただきたいところでしたがヴァイスに辞退されてしまったので、お詫びではなく、お礼のパーティにご招待させてください。アイスバーグの咲き誇る美しい園で、9月12日を予定しています……」
シオンとしては、お詫びもお礼も必要ない。
ちょっと恐ろしい体験もしたが、すぐに助けてもらえたので実質的な損害はなかったも同然だ。
それにその事件がきっかけで、ヴァイスの真心を知れたのだから、結果としてはプラスなくらいだった。
でも”お詫び”を断られたから”お礼”をと申し出ているのであって、ヴァイスに続いてシオンまで断っては角が立つ。
(そんなに気にしないでくれていいのになあ。根はきっと良い人なのよね、ヴェーシュ様。ネンゲル様を好きすぎて周りが見えなくなってただけで……わっ、また)
文章にはまだ続きがある。更に目で追っていき、シオンは胸中で悲鳴を上げた。
「……皆さんの協力を得たお陰で、とうとうネンゲル様との初夜を迎えることができました! ねえ、シオン、愛する人と結ばれるのって、とっても素敵なことね。わたくし今は、毎晩愛されて幸せなの。これも全部シオンのお陰だと思うと、感謝してもしきれないわ」
そんな詳細まで、手紙に記さなくてもいいのにと、動揺を抑える。
そうだ、ヴェーシュ様はこういう無邪気な方だった。
「いいから座っていてちょうだい、ありがとう。リラ、いい子にしてた? 今日は何をして遊んだの?」
シオンは歩み寄りながら尋ねた。
リラはシオンに気がつくと、パッと顔を輝かせておもちゃを放り出し、こちらを向こうと体を捻るがなかなか寝返りができない。
「うー、あっ!」
憤るように、リラは手足をバタつかせた。
そんな仕草も愛らしくて、思わず笑み崩れる。
最近リラは首が座って、色々な動きができるようになっていた。
「またすぐお部屋に行くんだけど、その前に顔が見たくて来ちゃった」
「そうでしたか。そうしましたら、奥様のお部屋にご一緒してもよろしいでしょうか? リラ様もご機嫌ですし」
「ええ、もちろんよ。じゃあ、悪いけど付き合ってもらおうかしら」
シオンはセシルに頷いて、リラの頰を撫でた。
自室の文机には、既に書簡とペーパーナイフの準備がされていた。
サッと開封し、目を通す。
そこには以前と同じく、流麗な文字でヴェーシュからのメッセージがしたためられていた。
書簡は親愛なるシオンへ。との出だしに始まり、次のように続く。
「お元気ですか? 先日は私情に巻き込み、大変な迷惑をかけてごめんなさい。特にシオンには不名誉な疑いを掛けた上、危険に晒してしまったことを深く反省しています。本当にごめんなさい。改めて謝罪の場を設けさせていただきたいところでしたがヴァイスに辞退されてしまったので、お詫びではなく、お礼のパーティにご招待させてください。アイスバーグの咲き誇る美しい園で、9月12日を予定しています……」
シオンとしては、お詫びもお礼も必要ない。
ちょっと恐ろしい体験もしたが、すぐに助けてもらえたので実質的な損害はなかったも同然だ。
それにその事件がきっかけで、ヴァイスの真心を知れたのだから、結果としてはプラスなくらいだった。
でも”お詫び”を断られたから”お礼”をと申し出ているのであって、ヴァイスに続いてシオンまで断っては角が立つ。
(そんなに気にしないでくれていいのになあ。根はきっと良い人なのよね、ヴェーシュ様。ネンゲル様を好きすぎて周りが見えなくなってただけで……わっ、また)
文章にはまだ続きがある。更に目で追っていき、シオンは胸中で悲鳴を上げた。
「……皆さんの協力を得たお陰で、とうとうネンゲル様との初夜を迎えることができました! ねえ、シオン、愛する人と結ばれるのって、とっても素敵なことね。わたくし今は、毎晩愛されて幸せなの。これも全部シオンのお陰だと思うと、感謝してもしきれないわ」
そんな詳細まで、手紙に記さなくてもいいのにと、動揺を抑える。
そうだ、ヴェーシュ様はこういう無邪気な方だった。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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