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瞬殺
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(ああ……そうか、俺は)
その時、クラウディオは唐突に悟った。
何故自分がこれほどレオノールに反感を覚えるのか。
自分の求めてやまないものを、レオノールが持っているからだ。
思考は混乱して、未だ収拾がつかない。
それでも、クラウディオの手は無意識の内にレオノールに向かって動いていた。
「ヴ・ラヴォー! ブラボー!」
しかし、差し出されたその手をクラウディオが取ることはなかった。
突然、喧しい声が静寂を破り、木立の向こうから猛然とアルヴァロが駆けてきたからだ。
「素晴らしい! 私は奇跡を見たぞ!! 我が女神よー!」
大声で2人の注意は遮られ、視線がアルヴァロに向く。
やっぱり逃げていなかったのか。
クラウディオがそんな感懐を抱くより早く、アルヴァロは駆け付けるとレオノールに飛び付いた。
まるで踊るように勢いよく抱き締めている。
「うわっ、おっと。アルヴァロ王子」
「何と美麗な回し蹴りか! あの強靭な魔獣をただの一撃で。どのような危機も貴女の前では風の前の塵に等しい」
レオノールは一歩、後退したがほとんど動じない。
「どんな、までは言い過ぎです。今は、たまたまセレスがいたから間に合ったんです。もし危機に遭遇した際は真っ先に逃げることをお勧めしますよ。クラウディオ様は酷い目に遭ったし」
驚愕に固まったままのクラウディオの目の前で、涼しい顔でアルヴァロの腕を外す。
「王子はお怪我もなさそうですね。安心しました」
「おおおお! なんと勇敢なお心遣いか。レオノール妃殿下が来てくださって、私たちの命は救われました! クラウディオ殿下、貴方の献身にも心よりの感謝を」
アルヴァロはサッと身を翻して、クラウディオの腕を取り助け起こした。
クラウディオは不本意だったが拒絶する理由もなく、半ばされるがままに立たされる。
「クラウディオ様、ご無事でしょうか!?」
「魔獣は何処にッ!?」
そこへようやく、応援の騎馬が到着した。
先頭は応援を呼びに行かせたエルメ、後ろに騎士団のメンバー8人が続く。
「魔獣は彼方に。妃殿下が退けて下さったからもう安心だ!」
何故かアルヴァロが誇らしげに応じる。
右手を高らかに上げ魔獣を指し示すと、団員たちの注目も魔獣の遺骸に集まった。
「本当だ……死んでいる!」
首を折られて既にこと切れていると確認すると、一同は一斉にレオノールへと殺到した。
「あれを、妃殿下が!?」
「武器をお持ちでないのに、どうやって?」
応援の緊張が一気に緩む。
それに合わせて、クラウディオもほっと一息ついた。
すると途端に、腕にピリリとした痛みを覚える。
「すみません、遅くなりました。傷を見せてください」
一同がレオノールを取り囲む中、セレスが様子を伺いに来る。
「俺は大丈夫だ。それよりレオノールこそ、怪我はないのか?」
「レオ……妃殿下は無傷です。あの方はあれくらいの相手、倒すだけなら武器など必要ありません」
無事だと伝えたものの、袖口が赤く染まっていたので露見した。
セレスはクラウディオの左袖を捲り上げ、傷の程度を確かめる。
その時、クラウディオは唐突に悟った。
何故自分がこれほどレオノールに反感を覚えるのか。
自分の求めてやまないものを、レオノールが持っているからだ。
思考は混乱して、未だ収拾がつかない。
それでも、クラウディオの手は無意識の内にレオノールに向かって動いていた。
「ヴ・ラヴォー! ブラボー!」
しかし、差し出されたその手をクラウディオが取ることはなかった。
突然、喧しい声が静寂を破り、木立の向こうから猛然とアルヴァロが駆けてきたからだ。
「素晴らしい! 私は奇跡を見たぞ!! 我が女神よー!」
大声で2人の注意は遮られ、視線がアルヴァロに向く。
やっぱり逃げていなかったのか。
クラウディオがそんな感懐を抱くより早く、アルヴァロは駆け付けるとレオノールに飛び付いた。
まるで踊るように勢いよく抱き締めている。
「うわっ、おっと。アルヴァロ王子」
「何と美麗な回し蹴りか! あの強靭な魔獣をただの一撃で。どのような危機も貴女の前では風の前の塵に等しい」
レオノールは一歩、後退したがほとんど動じない。
「どんな、までは言い過ぎです。今は、たまたまセレスがいたから間に合ったんです。もし危機に遭遇した際は真っ先に逃げることをお勧めしますよ。クラウディオ様は酷い目に遭ったし」
驚愕に固まったままのクラウディオの目の前で、涼しい顔でアルヴァロの腕を外す。
「王子はお怪我もなさそうですね。安心しました」
「おおおお! なんと勇敢なお心遣いか。レオノール妃殿下が来てくださって、私たちの命は救われました! クラウディオ殿下、貴方の献身にも心よりの感謝を」
アルヴァロはサッと身を翻して、クラウディオの腕を取り助け起こした。
クラウディオは不本意だったが拒絶する理由もなく、半ばされるがままに立たされる。
「クラウディオ様、ご無事でしょうか!?」
「魔獣は何処にッ!?」
そこへようやく、応援の騎馬が到着した。
先頭は応援を呼びに行かせたエルメ、後ろに騎士団のメンバー8人が続く。
「魔獣は彼方に。妃殿下が退けて下さったからもう安心だ!」
何故かアルヴァロが誇らしげに応じる。
右手を高らかに上げ魔獣を指し示すと、団員たちの注目も魔獣の遺骸に集まった。
「本当だ……死んでいる!」
首を折られて既にこと切れていると確認すると、一同は一斉にレオノールへと殺到した。
「あれを、妃殿下が!?」
「武器をお持ちでないのに、どうやって?」
応援の緊張が一気に緩む。
それに合わせて、クラウディオもほっと一息ついた。
すると途端に、腕にピリリとした痛みを覚える。
「すみません、遅くなりました。傷を見せてください」
一同がレオノールを取り囲む中、セレスが様子を伺いに来る。
「俺は大丈夫だ。それよりレオノールこそ、怪我はないのか?」
「レオ……妃殿下は無傷です。あの方はあれくらいの相手、倒すだけなら武器など必要ありません」
無事だと伝えたものの、袖口が赤く染まっていたので露見した。
セレスはクラウディオの左袖を捲り上げ、傷の程度を確かめる。
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