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へとへとになった俺は、2人と共に門から引き上げることにした。車に乗り込み、エンジンをかける。
「どうじゃ?ダイコウとやらは」
「ええと……」
ナビを操作して代行操縦モードを確認してみる。選択画面のリストに「スカルウォリアー」と「キラーバット」が追加されていた。
キラーバットの文字をポチリ。
条件「相手からの視認」:達成
条件「運転手レベル5以上」:未
固有タスク「20匹同時討伐」:達成
車体「キラーバット」を取得しました。
「あっ、やった!なんか使えるようになってる…」
「本当か」
「おお。わしの指導のおかげではないか?」
うん?そういやこの固有タスクって何だ。
それに、レベルが足りてない。俺は今2のはずだけど、必要条件には5とあるぞ。なのに解禁されている。
この固有タスクをこなしたからだろうか。
「おそらくそうだ………。うん。モンスターによってタスクの内容が決まっているらしい。他のも確認してみよう。物によっては、レベル上げせずに済むんじゃないか?」
そう言われ喜んだのも束の間、期待はすぐに裏切られた。
ダスターウルフの固有タスクは「一群れを全滅させる」。リビングメイルは「剣士・弓師・魔術師・ライダー種をそれぞれ討伐する」。ジズは「討伐後に羽根を入手する」。…つまり、レベル上げよりはるかに物騒で難易度が高かった。ダメや。
キラーバットのはかなりラッキーな内容だったのだな。強くない魔物だと、タスクも相応だったりするのだろうか。
俺はガソリンメーターを確認する。身も心もへとへとだが、MPは減っていない。メンタル関係ないんだな。
キラーバットを選択して、初めての代行モードに切り替えた。
「代行操縦運転モードへ移行します。車体のHPに注意し、安全を確認して走行してください」
ぐにゃ、と窓の外の景色が歪む。
全ての窓ガラスが、まるですりガラスになったかのようだ。
それと同時に、運転席のメーター表示があちこち変化していく。時速の最大が140キロから50キロへ下がってしまった。おっそ!ギアのPの上によく分からんAという謎ギアが現れ、ガソリンメーターの上にHPバーが表示された。
そうこうしている内にグニャグニャがおさまり、視界が戻る。その途端、ひどい違和感を覚えた。
目線が低い。それに石壁や道路、石畳の一つ一つさえもが大きくなっているのだった。
「コレは……もしや、わしらは縮んでおるのか?」
「も、もう俺の知ってる車じゃなさすぎる…」
ラスタさんの鑑定タイム。お頼み申す。
時速が下がったのは、キラーバットの出せる速度に準じた為。
謎ギアは「あくしょん」の意味で(Actionってことだろう)、キラーバットの場合は飛行する時…つまり上昇するのに使うギア。
HPバーは、これもキラーバットに準じたHPで0になると代行モードが自動解除される。状況によってはめちゃくちゃ危険だ。空中で自動解除なんてされたら、そのまま地面に激突だもんな…。うん。それにしても…
「ほんとに飛ぶんだな…車が…」
「キラーバットだからな。ちょっと外に出てみていいか」
代行中は、ドアロックがかかり出られないようだ。1度モードを解除し、ラスタさんと少女ボスが降りてから再びキラーバットへ車体を変える。外へ出た2人は、数歩離れてこちらを眺めていた。
「キラーバットだの」
「キラーバットだ」
窓の外には、風景と同じく巨大になった2人がこちらを見下ろしている。どうやら俺や車の姿は見えなくなっているようだが、違う何かーー口ぶりからキラーバットに見えているようだ。俺の方からは、ボンネットもワイパーもいつも通り見えているのに。
「では早速、HPを0にしたらどうなるか試してみようか?」
ニヤリと物騒な笑顔を浮かべて、少女ボスが歩み寄る。俺は大慌てで抗議したが、ステルスモード同様こちらの声が外に出ていないのか、聞こえている様子はなかった。
このままでは、サッカーボールの様に蹴り飛ばされてしまう。
一瞬迷った後、ギアをAに入れてアクセルを踏んだ。
ぐん、と軽く体が持ち上がる感覚。フロントガラスの向こうの視界が、一息に上がっていく。
「うわっ浮いた!飛んだ!」
道も坂もない空中を、ぐんぐんと浮かび上がっていく。流石に大はしゃぎである。
魔法学校がテーマの某有名映画で観たことある光景を実際に体験しているのだ。少女ボスやラスタさんの事も忘れて、夢中でハンドルを回した。
方向転換は通常通りだが、アクセルを踏むと急上昇する。ひたすら上に登るばかりで、前進は殆どしない。そうこうしている内に、建物の屋根と目線が合う所まで上がってしまう。どうしよう。
恐る恐るDに入れてみる。
AからDへ変えた車は、前進しながらゆるゆると高度を下げていく。こうやって降りるのか。
長い下り坂は確か、このD2ってやつ使うんじゃなかったっけ。D3か?もう覚えてないよ。
「おーい、シマヤバット。今のお前はキラーバットと同じ強さだ。危険だから、1人で遠くに行くな」
「シマヤバット?!」
下からの呼びかけに思わずツッコむも、当然誰も聞いていない。俺のことかよ?
気を取り直し、こちらがキラーバットに見えているらしいラスタさんたちの元へ着地を試みる。峠道のように右へ左へを繰り返し、旋回しながら何とか元の場所へ戻った。
「ふうー、本当に飛べましたよ、ラスタさん。ありがとうございます!あ、ボスさんもありがとうございます」
俺はモードを解除してドアを開ける。代行モード中の車の様子を確認したくて声をかけたら、2人はそそくさと車に乗り込んできた。
「早く早く!わしも飛んでみたいぞ、さっさと始めんか!」
「駄目だ。周りの魔物に見つかったら反撃しようがない。魔物が湧かない拠点に戻ってからにしよう。大体お前は自力で飛べるだろ」
「うるせーわい!わしは今乗りたいのだ。お主が外に出てわしらを守れば良かろう」
「嫌だ。俺も乗りたい」
俺はしばらく2人の言い合いを聞いていたが、早く帰りたかったので放置してナビをぽちぽちと設定した。ステルスで安全に帰りましょう。
あー、疲れた……。
「どうじゃ?ダイコウとやらは」
「ええと……」
ナビを操作して代行操縦モードを確認してみる。選択画面のリストに「スカルウォリアー」と「キラーバット」が追加されていた。
キラーバットの文字をポチリ。
条件「相手からの視認」:達成
条件「運転手レベル5以上」:未
固有タスク「20匹同時討伐」:達成
車体「キラーバット」を取得しました。
「あっ、やった!なんか使えるようになってる…」
「本当か」
「おお。わしの指導のおかげではないか?」
うん?そういやこの固有タスクって何だ。
それに、レベルが足りてない。俺は今2のはずだけど、必要条件には5とあるぞ。なのに解禁されている。
この固有タスクをこなしたからだろうか。
「おそらくそうだ………。うん。モンスターによってタスクの内容が決まっているらしい。他のも確認してみよう。物によっては、レベル上げせずに済むんじゃないか?」
そう言われ喜んだのも束の間、期待はすぐに裏切られた。
ダスターウルフの固有タスクは「一群れを全滅させる」。リビングメイルは「剣士・弓師・魔術師・ライダー種をそれぞれ討伐する」。ジズは「討伐後に羽根を入手する」。…つまり、レベル上げよりはるかに物騒で難易度が高かった。ダメや。
キラーバットのはかなりラッキーな内容だったのだな。強くない魔物だと、タスクも相応だったりするのだろうか。
俺はガソリンメーターを確認する。身も心もへとへとだが、MPは減っていない。メンタル関係ないんだな。
キラーバットを選択して、初めての代行モードに切り替えた。
「代行操縦運転モードへ移行します。車体のHPに注意し、安全を確認して走行してください」
ぐにゃ、と窓の外の景色が歪む。
全ての窓ガラスが、まるですりガラスになったかのようだ。
それと同時に、運転席のメーター表示があちこち変化していく。時速の最大が140キロから50キロへ下がってしまった。おっそ!ギアのPの上によく分からんAという謎ギアが現れ、ガソリンメーターの上にHPバーが表示された。
そうこうしている内にグニャグニャがおさまり、視界が戻る。その途端、ひどい違和感を覚えた。
目線が低い。それに石壁や道路、石畳の一つ一つさえもが大きくなっているのだった。
「コレは……もしや、わしらは縮んでおるのか?」
「も、もう俺の知ってる車じゃなさすぎる…」
ラスタさんの鑑定タイム。お頼み申す。
時速が下がったのは、キラーバットの出せる速度に準じた為。
謎ギアは「あくしょん」の意味で(Actionってことだろう)、キラーバットの場合は飛行する時…つまり上昇するのに使うギア。
HPバーは、これもキラーバットに準じたHPで0になると代行モードが自動解除される。状況によってはめちゃくちゃ危険だ。空中で自動解除なんてされたら、そのまま地面に激突だもんな…。うん。それにしても…
「ほんとに飛ぶんだな…車が…」
「キラーバットだからな。ちょっと外に出てみていいか」
代行中は、ドアロックがかかり出られないようだ。1度モードを解除し、ラスタさんと少女ボスが降りてから再びキラーバットへ車体を変える。外へ出た2人は、数歩離れてこちらを眺めていた。
「キラーバットだの」
「キラーバットだ」
窓の外には、風景と同じく巨大になった2人がこちらを見下ろしている。どうやら俺や車の姿は見えなくなっているようだが、違う何かーー口ぶりからキラーバットに見えているようだ。俺の方からは、ボンネットもワイパーもいつも通り見えているのに。
「では早速、HPを0にしたらどうなるか試してみようか?」
ニヤリと物騒な笑顔を浮かべて、少女ボスが歩み寄る。俺は大慌てで抗議したが、ステルスモード同様こちらの声が外に出ていないのか、聞こえている様子はなかった。
このままでは、サッカーボールの様に蹴り飛ばされてしまう。
一瞬迷った後、ギアをAに入れてアクセルを踏んだ。
ぐん、と軽く体が持ち上がる感覚。フロントガラスの向こうの視界が、一息に上がっていく。
「うわっ浮いた!飛んだ!」
道も坂もない空中を、ぐんぐんと浮かび上がっていく。流石に大はしゃぎである。
魔法学校がテーマの某有名映画で観たことある光景を実際に体験しているのだ。少女ボスやラスタさんの事も忘れて、夢中でハンドルを回した。
方向転換は通常通りだが、アクセルを踏むと急上昇する。ひたすら上に登るばかりで、前進は殆どしない。そうこうしている内に、建物の屋根と目線が合う所まで上がってしまう。どうしよう。
恐る恐るDに入れてみる。
AからDへ変えた車は、前進しながらゆるゆると高度を下げていく。こうやって降りるのか。
長い下り坂は確か、このD2ってやつ使うんじゃなかったっけ。D3か?もう覚えてないよ。
「おーい、シマヤバット。今のお前はキラーバットと同じ強さだ。危険だから、1人で遠くに行くな」
「シマヤバット?!」
下からの呼びかけに思わずツッコむも、当然誰も聞いていない。俺のことかよ?
気を取り直し、こちらがキラーバットに見えているらしいラスタさんたちの元へ着地を試みる。峠道のように右へ左へを繰り返し、旋回しながら何とか元の場所へ戻った。
「ふうー、本当に飛べましたよ、ラスタさん。ありがとうございます!あ、ボスさんもありがとうございます」
俺はモードを解除してドアを開ける。代行モード中の車の様子を確認したくて声をかけたら、2人はそそくさと車に乗り込んできた。
「早く早く!わしも飛んでみたいぞ、さっさと始めんか!」
「駄目だ。周りの魔物に見つかったら反撃しようがない。魔物が湧かない拠点に戻ってからにしよう。大体お前は自力で飛べるだろ」
「うるせーわい!わしは今乗りたいのだ。お主が外に出てわしらを守れば良かろう」
「嫌だ。俺も乗りたい」
俺はしばらく2人の言い合いを聞いていたが、早く帰りたかったので放置してナビをぽちぽちと設定した。ステルスで安全に帰りましょう。
あー、疲れた……。
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