44 / 231
学園生活開始~学園祭。
44話『転生者とやり直し』
しおりを挟むあの後、マリエラとベリアル様からいろいろと聞いた。
マリエラの今までの経緯のカイン様の話が、思った以上にクソだった。
話を聞いたからには、こちらも話さないわけにはいかない。
私と母は、お互いに今までのことなどを語った。
母とベリアル様は、ラブミー社に関する内容もマリエラに教えたのだった。
最後に、マリエラと私達の記憶に相違がないか確認してみた。
「私が知っている内容はエミリアとそう違いはないと思いますわ」
「そう……」
「貴女も、シンシア様も、よく頑張っていると思うわ。
私に出来ることなら何でも言ってくださいね。出来る限り力になります」
ん? シンシア? なんで、シンシアの名前が?
気持ちが顔に出ていたのか、マリエラはくすくす笑いながら言った。
「どうしたの、エミリア。
私とエミリアが転生者なら、シンシア様だって転生者でしょう?」
えええ!?
「学園に来てないのが何よりの理由だわ。
きっと、ナナリーにジョシュア君を関わらせたくないのね。
いろいろ考えた結果、オリジム学園に入学しないって選択をしたのよ」
マリエラの言葉に妙に納得してしまった。
お母様も、あ! という表情だ。 何か心当たりがあるのかな?
とりあえず、いろいろ話し合って教えてもらった内容で気になるのは
『やり直し』についてだった。
私は自分の考えを皆に聞いてもらうことにした。
この世界にいる転生者の共通点はラブミー社のゲームか小説だ。
そして、転生者、前世の自分の押しキャラの婚約者として
この世界に転生して来ている。
もちろん、私は10週以上したけど、ほとんどがエドワード王子だ。
そして、マリエラはカイン様。
きっとシンシアはジョシュア押しなのだろう。
あの2人めっちゃ仲良しだったから。
お母様は、持っていた小説でよく読んでいたのが宰相息子の話。
ラナー王妃陛下は、王子様の話だ。
「エミリア。転生者はラブミー社の悪役令嬢だけではないわよ」
「え!?」
「言ったでしょ。 ハイライト王国での話。
私は、悪役令嬢の女の子の話しかしていないけれど、
実は攻略対象の男達にも転生者がいたのよ。
彼も、2回目経験者。
ヒロインと一緒になりたく無い一身で、ヒロインを殺害したわ」
えええええ!?
なんか、すごい話を聞いてしまった。
2回目ということは、やっぱり、転生者は『やり直し』できるのか。
私は、自分の考えを続けた。
転生者達は、『やり直し』という特殊な能力がある。
命の危険時に発動して、時間が遡る。
人生のやり直しのチャンスが与えられるのだ。回数は1回。
私はまだ『やり直し』していない。記憶が遡ったことは無い。
前世の記憶が戻ったのは最近だけど、その前のエミリアの記憶も
ちゃんとあるのだ。
マリエラの話を聞くかぎり、記憶が戻ってから数年で
『やり直し』をしたという。
そして、その『やり直し』の分岐点が必ずどこかにあるということだ。
お母様の場合は、記憶が戻る前に『やり直し』をしているけれど、
その時は、お母様はゲームの登場人物として殺されたのだ。
命の危機に関わる人物との接触を絶って、今のお母様がある。
お母様がリナを見捨てたのが分岐点だったということだ。
私の場合の、『やり直し』のタイミングは呪詛返しの瞬間だろうか?
だけど、これは予め予防線を張った。
他に命を落とす瞬間がどこかにあるということなの?
そう考えたら、私の顔色はサーっと青くなった。
ベリアル様が、近くに寄ってきて手を握ってきた。
「エミリア嬢。大丈夫だ。
今度こそ君のことは私が守る。必ずだ!」
ポフン!
真剣な顔で見つめてくるイケメン魔王ベリアル様がまぶしー!
顔に熱が集まりだした。
「あ、ありがとうございます」
マリエラもお母様も口や頬に手を当てて「まぁー!」という反応だ。
とりあえず今日は、私の熱が復活してきたので、解散になった。
主にベリアル様のせいだけどね。
0
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる