親子そろって悪役令嬢!?

マヌァ

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学園生活開始~学園祭。

54話『治癒とコンラート 1』

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午後の授業の治癒科にて。



久しぶりの治癒科の授業だけど、私には最終兵器お母様がいるので

授業についていけないなんてことはないのである。ワハハ。

※最終兵器お母様とは、お母様に家庭教師をしてもらうの意味ね。



今日の治癒科は騎士科との合同訓練だった。

騎士科の生徒が2組で打ち稽古をして、その時に出来た打ち身や

擦り傷などを治癒科の生徒が診察するのだ。



私は現在、打ち稽古が終わるまで待機中だ。

そして、隣ではベリアル様に構ってもらおうと必死なナナリーだ。



「ベリアル王子ぃ、見てください! かわいいお花が咲いていましたぁ。

 騎士科の皆さんの頑張る姿を、この子はずぅっと見てきたんですよぉ!」



その騎士科の頑張りを見てきたお花を、貴女はむしり取ったのね。

ベリアル様は無表情で無視している。というか、少しゲッソリしてる?



「そこまで!」 「「ありがとうございました!」」



3組目の打ち稽古が終わり、終了の掛け声がした。

大体、1組10分くらいだろうか。

今稽古をしていたのは、イケメンsナンバー3の

コンラート・バイゼイン伯爵令息だ。


茶色の短髪に濃い茶色のキリリとした瞳。左頬には薄い切り傷が特徴だ。

騎士科生徒は、制服の上に皮鎧の胸当てを着込んでいる。

その鎧を外しながら、ゆっくりとこちらに近づいて来ていた。



私は、コンラート様のお相手の生徒に近づく。

どうせ、コンラートはナナリーに見てもらうのだ。

それくらい空気は読めるのである。

すれ違い様に、ギロリと睨みつけられたけど、無視だ無視。



騎士科の男子生徒に体の異常を聞く。

皮鎧の上からの打撲と手首の痺れのみだった。

なんでも、コンラート様の連続攻撃を受けきったときには

手の痺れが尋常じゃなくて、隙を付かれてわき腹に食らったのだと。

とりあえず、わき腹を見たかったので、上半身だけ服を脱いでもらった。



治癒の魔法を使いすぎるとせっかく鍛えた筋肉増強のトレーニングも

無駄になりかねないので、軽く冷やしながら青痣を癒す治癒魔法をかけた。

皮鎧のお陰で、骨などに異常はないみたいで、ほっとした。



治療が終わったので、診断結果を纏めた診断書を先生に渡し、あとは待機だ。

ベリアル様のもとへ向かったら、すこしムっとした表情だった。

またナナリー関係で嫌なことでもあったのかな?


「エミリア嬢、君はもう少し遠慮を覚えたほうがいい」



え? 私!? 不機嫌の理由が私だったの?



「遠慮とは?」



「知らない男に服を脱げと言っていただろう。

 君は、男の裸に耐性でもあるのか?」



そう言われると今更ながらあの行動は淑女としてはダメだな。



「ですが、あれは治療をするために仕方なかったんです」



「……わかっている。 君がそういう目であの男を見ていなかったのは」



んー??

ベリアル様が怒っている原因が意味不明だ。

「すまない。 ……八つ当たりだ」



八つ当たりとな。

ナナリー関係でやっぱり何かあったのかな?



そう思いナナリーのほうを見てみると、白魔法の治癒の力でコンラート様を

癒している最中だった。


あんなに強力な治癒なら、きっと今日鍛えた筋肉は無駄になるでしょうね。


そんなことをぼんやり思った。

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