猛焔滅斬の碧刃龍

ガスト

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1章【地獄のスパルタ訓練編】

第108話・輪廻転生:前編

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「──フィリップ・カルト・サイクレル。それが、もう1人の神の名前だ。
 オーガとは、先輩と後輩って関係かな」
「先輩と後輩?」
「大昔の魔族との大戦の結果に⋯⋯って、まずはそこの説明も欲しい所か──⋯」



 ⋯──“魔大戦”。
 そう呼ばれる、大きな戦争が起きた。
 ある日、魔族が、各地で暴れ始めたんだ。
 人が死に、獣が死に、山も、森も、海も、空も死んだ。
 そして、それが何百年も続いたある時、神であるオーガが人類救済に乗り出したんだ。
 ⋯⋯意外かもしれないけど、当時の彼は“人という生き物”を深く愛していてね。
 助けを求める人々の前に降り立っては、強大で凶悪な魔族達を次々と葬っていったんだ。
 
 ──ただ、ある時に1つの問題に直面した。
 “神という存在のまま”で、人々を守り続ける事が極めて難しかったんだ。
 例えば、今、紅志の目の前に地球儀があったとして。
 その地球儀には、実際の地球と同様に生命体が無数に生息している、と。
 それでいて、その中から「人間だけを守り、魔族だけを殺す」だなんて、そりゃあもう大変でしょ?
 それと同じで、神という“巨大な存在”のままでの活動は、あまりに困難だったんだ。
 
 オーガは考え、やがて一時的に自分を“縮小させる”事を思い付いた。
 神という存在から、“この星の生命体”という状態まで、肉体と力をセーブしたんだ。
 といっても、神はやっぱり神な訳で、その強さは魔族を殲滅するには十二分なモノだった。
 迅速に、丁寧に、残酷に。彼は魔族を消していった。
 
 ──けど、それは長くは続かなかった。
 まず一つの原因が、オーガが“力を抑えていた事”。
 それによって、彼への干渉が魔族でも可能になる状況が生まれたんだ。
 そして2つ目、“人々を深く愛していた事”。それを、魔族に逆手に取られてしまったんだ。
 ⋯⋯まぁ、そこの詳細は今度にしよう。ここからが本題だ。
 魔族達は、強大なオーガの撃破は不可能と考え、代わりに“封印”する事にした。
 その結果、“オーガという神”が世界から消えてしまったんだ──⋯
 


「⋯──神が、消えたって?」
「そう。魔族の中でも人心の掌握に長けた存在、“悪魔”が、オーガより一枚上手だったんだ」
「“悪魔”、ね。恐ろしそうな連中だ。⋯⋯で、話の続きは?」
「うん。ここからが、ちょーっと複雑なんだけど⋯⋯
 そもそも、神っていうのはどんな“役割”を持っていると思う?」
「神の役割ぃ? また突然な質問だな⋯⋯
 まぁ人々とか自然とか、色々を見守ったりしてるんじゃないか?」
「そう! 『見守っている』、その通りだ!
 だけど、見守っている“相手”っていうのは、紅志が言ったものではないんだ」
「じゃあ、一体何を?」
「ふふふ──⋯」



 ⋯──答えは、“魂”だ。
 より正確にいうなら、“魂の流れ”⋯⋯いや、魂の流れを調節する“理(システム)”って所かな。
 神っていうのは、“理(システム)”の管理者であって、それのメンテナンスやら調節やらをする役割なんだ。
 まぁ、“理(システム)”っていっても、それは機械的な道具でもないし、神だって好きにいじれる訳じゃない。
 とはいえ、“理(システム)”をどうこう出来るのは神だけだし、結論としては神が自由に出来る物なんだけど。

 ──さぁ、ちゃんと話に着いてきてね?
 神という存在は、魂の流れを管理する“理(システム)”を管理する役割を持っている。
 では、その“理(システム)”における「魂の流れ」っていうのは、一体なんだと思う?
 「流れる」という事は、勿論「流れ方」もあるし、「行き先」もある訳だけど⋯⋯。
 よし、ここでもう1つ質問をしよう。 
 “この宇宙の外”には、“何”があるでしょ~かっ??
 
 ──正解は、“また別の宇宙”でした~♪
 宇宙の外には別の宇宙が、無数に存在するんだよ。
 そして、それら無数の宇宙をまとめる“枠”もある。それが、私が“世界”と呼ぶ範囲なんだ
 会話の流れによっては、“その範囲”はこの星であったり、全ての宇宙であったりするけど⋯⋯まぁ、そこはどうでもいいよ。
 少なからず、転生者達やドラゴン達が戦っているのは、後者の方だ。

 ──さて、話を「魂の流れ」に戻そう。
 ここで、例え話をしてみようか。
 仮に、ここの宇宙が「A」だとして、隣の宇宙が「B」だとする。⋯⋯ついでに、「C」もあるとしよう。
 もしも君が死んだ場合、その魂は「B」へと向かう。
 各宇宙っていうのは“共鳴”をしていて、ある宇宙で1つの生命が死ぬと、必ず他の宇宙でも誰かが死ぬんだ。
 そして、全ての宇宙から1つの魂が隣に移動する場合、魂の流れはどうなる??
 ⋯⋯そう。巡り巡って、1つの魂がまた戻ってくるんだ。
 つまりは循環。“君達”と同じ表現をするならば、「輪廻転生」となるワケだ。

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