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1章【地獄のスパルタ訓練編】
第128話・外から。
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「⋯⋯⋯⋯。」
只管(ひたすら)に暗く、只管に静かな場所で、俺は意識を集中させる。
全身に揺らめく蒼炎、やや荒い息遣い、心臓の鼓動音──。
あらゆる音が喧騒となる程の静寂の中、俺は集中を最大限まで研ぎ澄ましていた。
「ッ!!!」
その瞬間、俺は姿勢を大きく下げる。
回避による残像が消えぬうちに、背後から小さな魔力弾が発射された。
超高速で直進するソレは、先程まで上半身があった空間を通過。
遅れてやってきた突風が俺の背中を叩き、魔力弾の計り知れない威力を物語った。
「──3連続で回避に成功。上々だな」
その声と共に、周囲の暗闇が割れる。
上部から差し込む光の先から、ティガが下へと降りてきた。
「いいな、この鍛錬。またやりたいぜ」
「おう、いいぞ。いつでも付き合ってやる」
額の汗を拭い、俺は腰を下ろす。
極度の緊張から解放された俺は、空を仰いで深呼吸をした。
先程まで行っていた鍛錬は、魔力感知の強化を目的としたモノである。
視覚と聴覚、ついでに嗅覚を遮断する空間の中で、いつ・どこから来るか分からない魔力弾を感知して避ける⋯⋯。
単純だが、コレが中々やり甲斐がある鍛錬だ。
「次やる時ァ、魔力弾の速度を倍にして、サイズも同じくらいデカくしとくぜ」
「ハハ、勘弁してくれ。まだ死にたくねーよ」
軽く談笑を交わし、ティガと別れる。
ここ最近は、幹部が相手の鍛錬がめっきり減った気がする。
その代わり、以前に幼女とアインから受けた“現状の炎装の完全覚醒”の課題に重きを置いている状態だ。
内容としては至ってシンプルで、“一日中 炎装形態をキープする”というものだ。
端的な話が、肺活量を上げる訓練と同じだろうか。
兎に角、息を止め続ける。兎に角、肺を拡張する。
そんな感じで、炎装を使用し続ける事で、炎装の能力を生み出す体内器官を育成するのが目的だ。
⋯⋯まぁ現状としては、炎装の継続は半日も持たないんだが。
「スゥ⋯⋯」
前に金翔竜を倒した草原まで歩き、俺は息を吸う。
やはり、ここは良い場所だ。風と草がそよぐ音だけが、心地良く耳に入ってくる。
(──炎装の完全覚醒。それを達成するには、“魔力の循環”が要となる筈⋯⋯
しかし、一体どうやれば真似が出来るんだ?
空気中の魔力を吸収するなんて、考えた事も無かったな)
思考を巡らせ、風に吹かれる。
現段階の俺が難儀している点は、体外での魔力操作についてであった。
“内から外”ならば分かる。魔法や炎装がソレだからだ。
⋯⋯だが、“外から内”となると話は別だ。
あまり気にした事は無かったが、そういえば魔法で使用する魔力は自前だったか。
炎装もそうだが、使用する魔力は自分のを、というのが当たり前だった手前、かなり参ってしまうな。
「ンン~⋯」
ゴロリと地面に寝転がり、俺は唸る。
だが、空を見上げて流れる雲を眺めていると、不思議と気分が落ち着いた。
⋯⋯それにしも、ポカポカのいい陽気だ。
こうして草原に寝転がってると、リーゼノールで虎徹と出会った日を思い出すな。
昼寝して、起きたらアイツがいた。
あぁ。そういえば、持ってきていた果物を殆ど食われたんだっけ? ハハ、懐かしいなぁ。
「⋯⋯⋯⋯。」
──眠くなってきたな。
思えば、いつからか熟睡なんてしていなかった気がする。
色々な事が身に迫って、責任感を背負って、たまにソレに耐えて──。寝れない夜もあったっけ。
初めの頃⋯⋯。転生してからしばらくは、逆によく寝ていたっけな。
なぁんにも頑張る気なんて無かったし、着の身着のまま自由に生きていたなぁ。
⋯⋯やれやれ。幼女もオーガも、いがみ合ってないで一緒に昼寝でもすればいいのに。
分かり合えないものなのかねぇ、やっぱり。
「⋯⋯ん、」
まぁ俺は俺のやる事をやるだけだな。
ただ、今だけは少し寝たい。
そう、気ままに。好きな様に。
(──結局、あの日の虎徹ってどこから来たんだ?
今は、元気にやれているんだろうか?)
睡魔に身を委ねる直前、ふと疑問が浮かんでくる。
まぁありがちだな。虎徹なら、元気にやってる。
それでOKだ。
おやすみ。
只管(ひたすら)に暗く、只管に静かな場所で、俺は意識を集中させる。
全身に揺らめく蒼炎、やや荒い息遣い、心臓の鼓動音──。
あらゆる音が喧騒となる程の静寂の中、俺は集中を最大限まで研ぎ澄ましていた。
「ッ!!!」
その瞬間、俺は姿勢を大きく下げる。
回避による残像が消えぬうちに、背後から小さな魔力弾が発射された。
超高速で直進するソレは、先程まで上半身があった空間を通過。
遅れてやってきた突風が俺の背中を叩き、魔力弾の計り知れない威力を物語った。
「──3連続で回避に成功。上々だな」
その声と共に、周囲の暗闇が割れる。
上部から差し込む光の先から、ティガが下へと降りてきた。
「いいな、この鍛錬。またやりたいぜ」
「おう、いいぞ。いつでも付き合ってやる」
額の汗を拭い、俺は腰を下ろす。
極度の緊張から解放された俺は、空を仰いで深呼吸をした。
先程まで行っていた鍛錬は、魔力感知の強化を目的としたモノである。
視覚と聴覚、ついでに嗅覚を遮断する空間の中で、いつ・どこから来るか分からない魔力弾を感知して避ける⋯⋯。
単純だが、コレが中々やり甲斐がある鍛錬だ。
「次やる時ァ、魔力弾の速度を倍にして、サイズも同じくらいデカくしとくぜ」
「ハハ、勘弁してくれ。まだ死にたくねーよ」
軽く談笑を交わし、ティガと別れる。
ここ最近は、幹部が相手の鍛錬がめっきり減った気がする。
その代わり、以前に幼女とアインから受けた“現状の炎装の完全覚醒”の課題に重きを置いている状態だ。
内容としては至ってシンプルで、“一日中 炎装形態をキープする”というものだ。
端的な話が、肺活量を上げる訓練と同じだろうか。
兎に角、息を止め続ける。兎に角、肺を拡張する。
そんな感じで、炎装を使用し続ける事で、炎装の能力を生み出す体内器官を育成するのが目的だ。
⋯⋯まぁ現状としては、炎装の継続は半日も持たないんだが。
「スゥ⋯⋯」
前に金翔竜を倒した草原まで歩き、俺は息を吸う。
やはり、ここは良い場所だ。風と草がそよぐ音だけが、心地良く耳に入ってくる。
(──炎装の完全覚醒。それを達成するには、“魔力の循環”が要となる筈⋯⋯
しかし、一体どうやれば真似が出来るんだ?
空気中の魔力を吸収するなんて、考えた事も無かったな)
思考を巡らせ、風に吹かれる。
現段階の俺が難儀している点は、体外での魔力操作についてであった。
“内から外”ならば分かる。魔法や炎装がソレだからだ。
⋯⋯だが、“外から内”となると話は別だ。
あまり気にした事は無かったが、そういえば魔法で使用する魔力は自前だったか。
炎装もそうだが、使用する魔力は自分のを、というのが当たり前だった手前、かなり参ってしまうな。
「ンン~⋯」
ゴロリと地面に寝転がり、俺は唸る。
だが、空を見上げて流れる雲を眺めていると、不思議と気分が落ち着いた。
⋯⋯それにしも、ポカポカのいい陽気だ。
こうして草原に寝転がってると、リーゼノールで虎徹と出会った日を思い出すな。
昼寝して、起きたらアイツがいた。
あぁ。そういえば、持ってきていた果物を殆ど食われたんだっけ? ハハ、懐かしいなぁ。
「⋯⋯⋯⋯。」
──眠くなってきたな。
思えば、いつからか熟睡なんてしていなかった気がする。
色々な事が身に迫って、責任感を背負って、たまにソレに耐えて──。寝れない夜もあったっけ。
初めの頃⋯⋯。転生してからしばらくは、逆によく寝ていたっけな。
なぁんにも頑張る気なんて無かったし、着の身着のまま自由に生きていたなぁ。
⋯⋯やれやれ。幼女もオーガも、いがみ合ってないで一緒に昼寝でもすればいいのに。
分かり合えないものなのかねぇ、やっぱり。
「⋯⋯ん、」
まぁ俺は俺のやる事をやるだけだな。
ただ、今だけは少し寝たい。
そう、気ままに。好きな様に。
(──結局、あの日の虎徹ってどこから来たんだ?
今は、元気にやれているんだろうか?)
睡魔に身を委ねる直前、ふと疑問が浮かんでくる。
まぁありがちだな。虎徹なら、元気にやってる。
それでOKだ。
おやすみ。
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