131 / 195
1章【地獄のスパルタ訓練編】
第130話・理由。
しおりを挟む
──ふと、俺は思った。
魔力感知って、一体なんだろうかと。
いや正確には、仕組み自体はある程度理解している。
コウモリやイルカの様な動物に備わっている、“エコーロケーション”と呼ばれる能力に似たモノだ。
“波”を発し、その反響によって周囲の情報を認識するという⋯⋯まぁ兎に角、そんな感じだ。
重要なのは、展開した魔力感知の“魔力の波”は、反響して自分に戻ってくる点である。
戻ってきた波は、獲得した情報を感知を展開した者の脳内まで運んでくる訳なのだが⋯⋯
それは、“1度体外に放った魔力が、再び体内に戻って来る”という流れで成り立っているのではないだろうか?
つまり、俺の目標の一つである“魔力の循環”に、極めて酷似したロジックで完成した能力であるとも言える。
そうなると、曖昧で闇雲な努力をするより、魔力感知の育成に重きを置くべきだと気が付いた訳だ。
「──と言う事で、アンタに指導を頼みたいんだが⋯⋯
どうだ? アインヘルムは用事があるみたいだし、ティガやギルルも得意そうじゃないしな」
目の前の龍に向け、俺は提案をする。
10メートルはある全身は紅い鱗で覆われ、その立ち姿だけで大型の要塞を思わせる迫力だ。
四つの脚で地に立ち、長い首を畝(うね)らせ、後方に伸びた大小合わせて四本ある角は、荒々しく、猛々しく──。
二枚の巨翼を閉じたソイツは、荘厳な顔付きで視線を俺へと落とした。
⋯⋯いや。顔付きに関しては、いつもと変わらないか。
「どうしても! ってワケじゃないし、まぁ出来ればでいいんだが⋯⋯どう? ダメ?」
「ふむ、ならばグレンデルはどうだ? 彼奴も、魔力の扱いには長けているぞ」
「⋯⋯ムリ。今はちょっと、ビミョーな関係なんだよ。
その内どうにかするつもりだけど⋯⋯。う~ん⋯⋯」
「──マァ、お前に事情があるならば無理強いはせん。
それに、我も今は暇を持て余している身。折角だ、付き合ってやろう」
「本当か!?」
返答を聞いて、俺は歓喜した。
思わず飛び跳ねる俺に対して、紅い龍──テュラングル──は、呆れた様に溜息をついた。
「よせ、はしたないぞ。貴様は子どもではないだろう」
「ドラゴンとしてなら、まだまだ子どもだぜ!」
「ぬお!? よせっ、我に引っ付くな! 首に抱き着くな!」
「ふひひ。ヤならヤで、無理矢理引き剥がしていいんだぜ~。
エェ? オトーチャン~」
「誰が誰の父親だと!? やめろっ、離せ貴様!!」
も~ホント、流石ドラゴンの王だな。
オール⋯⋯合格点を超えるオールウェイズ⋯⋯レベルの高いオールウェイズを合格点⋯⋯ええと、まぁいいや。
取り敢えず、欲しいリアクションくれるから好きだ。
「──なんか、こうしてるとアレだな」
「む、アレとはなんだ?」
「ほら、俺とアンタが初めて会った日にさ。戦っただろ?
それで、俺が最後の一撃を入れる直前には、こんな風にアンタの首にしがみついていたなって」
「⋯⋯ふはは。そうだったな、しかと覚えているぞ。
お前の根気と執念には、我も驚かされたものだ」
静かに笑うテュラングルから、俺は降りる。
やはり、コイツは好きだ。
威張らず、強がらず、素直な遣(や)り取りしてくれる奴というのは、案外少ないもんだしな。
どれ、魔力感知について色々学ぶつもりだったが⋯⋯もう少し、思い出話に華を咲かせるのもいいかもな。
「──気になって事があるんだが、聞いてもいいか?」
「ウン? なんだ?」
「リーゼノールでの一件の後、テュラングルは何処に行ったんだ? ギフェルタで再会した時も、『忙しい』って言ってたし⋯⋯」
「フム。そうか、気になるか。⋯⋯まぁ、以前と違い、もう何かを伏せて話す必要も無いだろう。
質問には、出来るだけ答えてやるぞ──⋯」
⋯──ドラゴン族を束ねる者として、我はアリアや彼女の仲間と共に、オーガが作り出した軍勢と戦っている。
数多の宇宙、数多の“世界”でな。
アリアが力を失い、戦いが始まったのが約5万年前。
その当時から、我らは戦いを続けていたが⋯⋯無尽蔵に湧き続けるオーガの黒い軍勢に、皆は疲弊し始めた。
ある時点からアリアの仲間⋯⋯“転生者達”の参戦が起点となって、戦いの中に僅かな余裕が生まれたのだ。
そこでアリアが提示したのが、“戦力に表裏を付ける”という案だ。
確か⋯⋯なんといったか⋯⋯?
あぁそうだ、“ローテーション”だ。
表が疲弊すれば裏が。裏が疲弊すれば表が。
そういった形で、戦闘を途切れさせる事無く継続させる作戦に至ったのだ。
つまり、お前と出会った日は、我は丁度回復に務めていた頃という事になる。
⋯⋯まぁ、その回復期間というのが、我は3年でな。
とある理由があって、リーゼノール周辺を拠点としていたのだが⋯⋯
我は、寛ぐというのが苦手でな。退屈のあまり、付近に感じた強い魔力に思わず飛び付いてしまったのだ。
だが、恥ずかしい話、我は自身がどれ程まで疲弊しているか理解していなかった。
あの日、あの男に味わったモノは、間違いなく“敗北”なのだろう。
無論、いずれは仮を返すつもりではあるが。
まぁ、兎に角だ。
回復期間でこの星に帰ってきたとはいえ、我にはドラゴンの王としての役割もある。
お前との勝負を終えた直後も、それは同じだった。
頼られる事や やるべき事が無数にあったので、仕方無くその場を後にした訳だ──⋯
「⋯──すまないと思っている。決着は、いずれ付けようぞ」
「テュラングル⋯⋯。あぁ、勿論だ⋯⋯!」
「ウム。その為には、貴様は更に強くならねばならぬがな。
我の魔力も、ある程度の回復を果たした。今であれば、貴様は我の一息で灰にできてしまうぞ?」
「⋯⋯ハッ! あながち、冗談でもなさそうだぜ。
だが、次にやる時、勝つのは俺だ。それまでに、アンタは誰にも負けんなよ」
俺の台詞に、テュラングルなニヤリと笑う。
⋯⋯多分、俺もアイツと同じ顔をしているのだろう。
魔物として? ドラゴンとして? 男として? 理由はなんだっていい。
俺とテュラングルに、戦う意思があるのならば。
「──では、貴様も負ける事の無い様、直々に鍛えてやる。
ただし、着いて来れないなら置いてゆく。弱音を吐くなら痛みで黙らせる。分かったな?」
「上等だ。頼りにしてるぜ、王様」
「⋯⋯フッ」
テュラングルは、周囲を燃え盛る炎で取り囲む。
不敵で悪い笑みを浮かべる彼は、両の巨翼を広げた。
圧倒的な存在感と威圧感を放つその龍に、俺は真正面から向き合うのだった。
魔力感知って、一体なんだろうかと。
いや正確には、仕組み自体はある程度理解している。
コウモリやイルカの様な動物に備わっている、“エコーロケーション”と呼ばれる能力に似たモノだ。
“波”を発し、その反響によって周囲の情報を認識するという⋯⋯まぁ兎に角、そんな感じだ。
重要なのは、展開した魔力感知の“魔力の波”は、反響して自分に戻ってくる点である。
戻ってきた波は、獲得した情報を感知を展開した者の脳内まで運んでくる訳なのだが⋯⋯
それは、“1度体外に放った魔力が、再び体内に戻って来る”という流れで成り立っているのではないだろうか?
つまり、俺の目標の一つである“魔力の循環”に、極めて酷似したロジックで完成した能力であるとも言える。
そうなると、曖昧で闇雲な努力をするより、魔力感知の育成に重きを置くべきだと気が付いた訳だ。
「──と言う事で、アンタに指導を頼みたいんだが⋯⋯
どうだ? アインヘルムは用事があるみたいだし、ティガやギルルも得意そうじゃないしな」
目の前の龍に向け、俺は提案をする。
10メートルはある全身は紅い鱗で覆われ、その立ち姿だけで大型の要塞を思わせる迫力だ。
四つの脚で地に立ち、長い首を畝(うね)らせ、後方に伸びた大小合わせて四本ある角は、荒々しく、猛々しく──。
二枚の巨翼を閉じたソイツは、荘厳な顔付きで視線を俺へと落とした。
⋯⋯いや。顔付きに関しては、いつもと変わらないか。
「どうしても! ってワケじゃないし、まぁ出来ればでいいんだが⋯⋯どう? ダメ?」
「ふむ、ならばグレンデルはどうだ? 彼奴も、魔力の扱いには長けているぞ」
「⋯⋯ムリ。今はちょっと、ビミョーな関係なんだよ。
その内どうにかするつもりだけど⋯⋯。う~ん⋯⋯」
「──マァ、お前に事情があるならば無理強いはせん。
それに、我も今は暇を持て余している身。折角だ、付き合ってやろう」
「本当か!?」
返答を聞いて、俺は歓喜した。
思わず飛び跳ねる俺に対して、紅い龍──テュラングル──は、呆れた様に溜息をついた。
「よせ、はしたないぞ。貴様は子どもではないだろう」
「ドラゴンとしてなら、まだまだ子どもだぜ!」
「ぬお!? よせっ、我に引っ付くな! 首に抱き着くな!」
「ふひひ。ヤならヤで、無理矢理引き剥がしていいんだぜ~。
エェ? オトーチャン~」
「誰が誰の父親だと!? やめろっ、離せ貴様!!」
も~ホント、流石ドラゴンの王だな。
オール⋯⋯合格点を超えるオールウェイズ⋯⋯レベルの高いオールウェイズを合格点⋯⋯ええと、まぁいいや。
取り敢えず、欲しいリアクションくれるから好きだ。
「──なんか、こうしてるとアレだな」
「む、アレとはなんだ?」
「ほら、俺とアンタが初めて会った日にさ。戦っただろ?
それで、俺が最後の一撃を入れる直前には、こんな風にアンタの首にしがみついていたなって」
「⋯⋯ふはは。そうだったな、しかと覚えているぞ。
お前の根気と執念には、我も驚かされたものだ」
静かに笑うテュラングルから、俺は降りる。
やはり、コイツは好きだ。
威張らず、強がらず、素直な遣(や)り取りしてくれる奴というのは、案外少ないもんだしな。
どれ、魔力感知について色々学ぶつもりだったが⋯⋯もう少し、思い出話に華を咲かせるのもいいかもな。
「──気になって事があるんだが、聞いてもいいか?」
「ウン? なんだ?」
「リーゼノールでの一件の後、テュラングルは何処に行ったんだ? ギフェルタで再会した時も、『忙しい』って言ってたし⋯⋯」
「フム。そうか、気になるか。⋯⋯まぁ、以前と違い、もう何かを伏せて話す必要も無いだろう。
質問には、出来るだけ答えてやるぞ──⋯」
⋯──ドラゴン族を束ねる者として、我はアリアや彼女の仲間と共に、オーガが作り出した軍勢と戦っている。
数多の宇宙、数多の“世界”でな。
アリアが力を失い、戦いが始まったのが約5万年前。
その当時から、我らは戦いを続けていたが⋯⋯無尽蔵に湧き続けるオーガの黒い軍勢に、皆は疲弊し始めた。
ある時点からアリアの仲間⋯⋯“転生者達”の参戦が起点となって、戦いの中に僅かな余裕が生まれたのだ。
そこでアリアが提示したのが、“戦力に表裏を付ける”という案だ。
確か⋯⋯なんといったか⋯⋯?
あぁそうだ、“ローテーション”だ。
表が疲弊すれば裏が。裏が疲弊すれば表が。
そういった形で、戦闘を途切れさせる事無く継続させる作戦に至ったのだ。
つまり、お前と出会った日は、我は丁度回復に務めていた頃という事になる。
⋯⋯まぁ、その回復期間というのが、我は3年でな。
とある理由があって、リーゼノール周辺を拠点としていたのだが⋯⋯
我は、寛ぐというのが苦手でな。退屈のあまり、付近に感じた強い魔力に思わず飛び付いてしまったのだ。
だが、恥ずかしい話、我は自身がどれ程まで疲弊しているか理解していなかった。
あの日、あの男に味わったモノは、間違いなく“敗北”なのだろう。
無論、いずれは仮を返すつもりではあるが。
まぁ、兎に角だ。
回復期間でこの星に帰ってきたとはいえ、我にはドラゴンの王としての役割もある。
お前との勝負を終えた直後も、それは同じだった。
頼られる事や やるべき事が無数にあったので、仕方無くその場を後にした訳だ──⋯
「⋯──すまないと思っている。決着は、いずれ付けようぞ」
「テュラングル⋯⋯。あぁ、勿論だ⋯⋯!」
「ウム。その為には、貴様は更に強くならねばならぬがな。
我の魔力も、ある程度の回復を果たした。今であれば、貴様は我の一息で灰にできてしまうぞ?」
「⋯⋯ハッ! あながち、冗談でもなさそうだぜ。
だが、次にやる時、勝つのは俺だ。それまでに、アンタは誰にも負けんなよ」
俺の台詞に、テュラングルなニヤリと笑う。
⋯⋯多分、俺もアイツと同じ顔をしているのだろう。
魔物として? ドラゴンとして? 男として? 理由はなんだっていい。
俺とテュラングルに、戦う意思があるのならば。
「──では、貴様も負ける事の無い様、直々に鍛えてやる。
ただし、着いて来れないなら置いてゆく。弱音を吐くなら痛みで黙らせる。分かったな?」
「上等だ。頼りにしてるぜ、王様」
「⋯⋯フッ」
テュラングルは、周囲を燃え盛る炎で取り囲む。
不敵で悪い笑みを浮かべる彼は、両の巨翼を広げた。
圧倒的な存在感と威圧感を放つその龍に、俺は真正面から向き合うのだった。
0
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる