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1章【暗黒討伐編】
第147話・統合、拡張、苦難
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「──始めるよ。心の準備は?」
「あぁ、いつでもいける⋯⋯!!」
幼女の質問に、俺は緊張気味で答えた。
ギルルとの手合わせから、はや3日。
“魔力の循環”という目標を達成した結果、俺はもう1つの“炎装を一日中キープする”という目標もクリアした。
よって、以前アインと幼女に言われた『炎装生成器官』をメインとした『金属生成器官』との統合。それによる、炎装生成器官の大幅拡張を行う事となったのである。
⋯⋯ぶっちゃけ、かぁ~なり緊張している。
こう、なんというべきか⋯⋯。以前まで、ありとあらゆる場面で使っていた金属生成の能力を代償に払ったワケだしなぁ。
“見返り”と云うつもりじゃないが、やはり切り捨てたものが大きい手前、新しく手に入る力はどんなもんかなと。
でっかく期待が膨らんでいるワケですわ。えぇ。
「勿体ぶるのもアレだ。早速いくよ⋯⋯!!」
「ッし、ばっちこい!」
──ずずずっ。
俺の背に添えられた幼女の手から、“何か”が伝わってくる。
その擽(くすぐ)ったい様な ムズ痒い様な感覚は、高速で俺の体内を駆け巡った。
だが、それも僅か数秒で終わり、体内のとある場所にて“何か”は動きを止める。
恐らく、心臓のやや下といった具合だが⋯⋯。そうなると、魔物の『魔力変換器官』というのは、心臓付近に存在するという事だろうか?
いやはや、興味深い事を知れたぜ──っと? おお。
また奇妙な感覚が現れたな。うう、めちゃくちゃ身を捩りたいが⋯⋯ダメだろうか。
「はーい、じっとしててねー。ステイだよステイ」
「い、犬じゃね⋯⋯ぇおッ!?」
「あー! 今すごく大事なコトしてるから! 動かないで!」
「あひッ! そ、それヤバすぁぁあぎいィッ!?」
あーッ! おあーッ! ヘンな声が出るーッ!!
何だこの感覚は!? さっき“何か”が止まった箇所から、また少し右に移動をぁーッ!!
イ⋯⋯あ、ちょッ、マジでやばぁあ!! いッ!
「はぁい、終了終了。終わったよ~♪ ⋯⋯大丈夫?」
「ぜーッ、ぜーッ⋯⋯」
あ、危うく呼吸困難で死ぬトコだったぜ。
こんな事になるんなら、前もって説明して欲しかったが⋯⋯まぁ終わった事は置いておこう。
えーっと、さてさて? 本題の炎装の方はどんな変化が出てるかなっと⋯⋯
「──ふッ!」
炎装を発動し、様子を確認する。
見た所と感じた所では、大きな変化は無いような⋯⋯??
「んふふ~♪ もっと出力を上げてみて?」
幼女に言われ、その通りに炎装の出力を高める。
そして気付いた。どれだけ出力を上げても、底が⋯⋯
いや、“天井”が全く感じられないのである。
どこまでも、どこまでも。炎装は爆発的にその姿を大きく、そして濃くさせてゆく。
燃え盛る蒼炎が全身を包み、俺は炎そのものとなった様な姿へと変化した。
「ん、おっけい おっけい。一旦解除して」
「いや、もう少しだけ⋯⋯。ちょっとギルルと手合わせしてくるから⋯⋯」
「ダ~メ! 『炎装の生成器官』が大きくなったとは言え、あなたの魔力量が増えた訳じゃないの!
出力が大幅に増えた利点がある反面、その分の魔力消費が大きくなったっていう欠点もあるんだから!!」
「ぐぬぬ。そうか⋯⋯」
渋々、炎装を解く。
確かに、幼女の言う事は正しい。
俺を乗り物に例えるなら、“燃料タンク”以外のパーツがアップグレードされたという感じだ。
結局の所、その“燃料タンク”が大きくならなければ、どんな能力も存分には使いないって訳だな。
⋯⋯う~ん。しかし、もどかしい。1回だけでもいいから、ぶっ倒れるまで今の炎装を使いたいぜ。
「──今後の課題は1つだ。魔力量の拡大、これに限る」
「⋯⋯それだけ?」
「そう、それだけ。食べて、食べて、食べまくるのが、これから君がやるべき事だ。
⋯⋯あ、ちゃんと運動も忘れない様にね。食べてるだけじゃ太っちゃうから」
「つまり、基礎鍛錬は今までと変わらず、食う量を増やすって事か⋯⋯」
なんか、拍子抜けだ。
最近は、実戦に向けた鍛錬の目標があったというのに、ここにきて食事量を増やすだけとは。
飯を食うくらい、一日中でもやってやれるぜ──⋯
「⋯──ヴッ! ぢょ、ぢょっ待っで!」
「駄ァ目だ! これ全部食いきれ!」
「じ、じぬッ! 死んぢゃうからッ!」
はい、ごめんなさい。
魔王城に来てから、一番辛いです。
クジラみたいにデカい魚とか、一塊りが一人ひとり程もある肉を山の様に食わされたりしてます。
そして、最悪の気分の中でも鍛錬は欠かせないので、定期的に吐き戻してます。
食事量を増やしてから2日目、アインやギルルにはもう30回くらいぶたれました。
アイツら、『吐いたら意味ねーだろ!』とか『うわ、ばっちい!』とか言って平気で殴ってきます。
⋯⋯もう、ここから逃げてぇ。
「あ、アイン⋯⋯」
「なんだァ? 休ませて欲しいかァ? いいぜェ、全部食い切ったらなッ!!」
「お"ぼぁ"ぁ"ーー!!」
涙目の俺に、アインは次々と飯を突っ込む。
しばしの間、魔王城には俺の悲鳴が響いていたのであった。
「あぁ、いつでもいける⋯⋯!!」
幼女の質問に、俺は緊張気味で答えた。
ギルルとの手合わせから、はや3日。
“魔力の循環”という目標を達成した結果、俺はもう1つの“炎装を一日中キープする”という目標もクリアした。
よって、以前アインと幼女に言われた『炎装生成器官』をメインとした『金属生成器官』との統合。それによる、炎装生成器官の大幅拡張を行う事となったのである。
⋯⋯ぶっちゃけ、かぁ~なり緊張している。
こう、なんというべきか⋯⋯。以前まで、ありとあらゆる場面で使っていた金属生成の能力を代償に払ったワケだしなぁ。
“見返り”と云うつもりじゃないが、やはり切り捨てたものが大きい手前、新しく手に入る力はどんなもんかなと。
でっかく期待が膨らんでいるワケですわ。えぇ。
「勿体ぶるのもアレだ。早速いくよ⋯⋯!!」
「ッし、ばっちこい!」
──ずずずっ。
俺の背に添えられた幼女の手から、“何か”が伝わってくる。
その擽(くすぐ)ったい様な ムズ痒い様な感覚は、高速で俺の体内を駆け巡った。
だが、それも僅か数秒で終わり、体内のとある場所にて“何か”は動きを止める。
恐らく、心臓のやや下といった具合だが⋯⋯。そうなると、魔物の『魔力変換器官』というのは、心臓付近に存在するという事だろうか?
いやはや、興味深い事を知れたぜ──っと? おお。
また奇妙な感覚が現れたな。うう、めちゃくちゃ身を捩りたいが⋯⋯ダメだろうか。
「はーい、じっとしててねー。ステイだよステイ」
「い、犬じゃね⋯⋯ぇおッ!?」
「あー! 今すごく大事なコトしてるから! 動かないで!」
「あひッ! そ、それヤバすぁぁあぎいィッ!?」
あーッ! おあーッ! ヘンな声が出るーッ!!
何だこの感覚は!? さっき“何か”が止まった箇所から、また少し右に移動をぁーッ!!
イ⋯⋯あ、ちょッ、マジでやばぁあ!! いッ!
「はぁい、終了終了。終わったよ~♪ ⋯⋯大丈夫?」
「ぜーッ、ぜーッ⋯⋯」
あ、危うく呼吸困難で死ぬトコだったぜ。
こんな事になるんなら、前もって説明して欲しかったが⋯⋯まぁ終わった事は置いておこう。
えーっと、さてさて? 本題の炎装の方はどんな変化が出てるかなっと⋯⋯
「──ふッ!」
炎装を発動し、様子を確認する。
見た所と感じた所では、大きな変化は無いような⋯⋯??
「んふふ~♪ もっと出力を上げてみて?」
幼女に言われ、その通りに炎装の出力を高める。
そして気付いた。どれだけ出力を上げても、底が⋯⋯
いや、“天井”が全く感じられないのである。
どこまでも、どこまでも。炎装は爆発的にその姿を大きく、そして濃くさせてゆく。
燃え盛る蒼炎が全身を包み、俺は炎そのものとなった様な姿へと変化した。
「ん、おっけい おっけい。一旦解除して」
「いや、もう少しだけ⋯⋯。ちょっとギルルと手合わせしてくるから⋯⋯」
「ダ~メ! 『炎装の生成器官』が大きくなったとは言え、あなたの魔力量が増えた訳じゃないの!
出力が大幅に増えた利点がある反面、その分の魔力消費が大きくなったっていう欠点もあるんだから!!」
「ぐぬぬ。そうか⋯⋯」
渋々、炎装を解く。
確かに、幼女の言う事は正しい。
俺を乗り物に例えるなら、“燃料タンク”以外のパーツがアップグレードされたという感じだ。
結局の所、その“燃料タンク”が大きくならなければ、どんな能力も存分には使いないって訳だな。
⋯⋯う~ん。しかし、もどかしい。1回だけでもいいから、ぶっ倒れるまで今の炎装を使いたいぜ。
「──今後の課題は1つだ。魔力量の拡大、これに限る」
「⋯⋯それだけ?」
「そう、それだけ。食べて、食べて、食べまくるのが、これから君がやるべき事だ。
⋯⋯あ、ちゃんと運動も忘れない様にね。食べてるだけじゃ太っちゃうから」
「つまり、基礎鍛錬は今までと変わらず、食う量を増やすって事か⋯⋯」
なんか、拍子抜けだ。
最近は、実戦に向けた鍛錬の目標があったというのに、ここにきて食事量を増やすだけとは。
飯を食うくらい、一日中でもやってやれるぜ──⋯
「⋯──ヴッ! ぢょ、ぢょっ待っで!」
「駄ァ目だ! これ全部食いきれ!」
「じ、じぬッ! 死んぢゃうからッ!」
はい、ごめんなさい。
魔王城に来てから、一番辛いです。
クジラみたいにデカい魚とか、一塊りが一人ひとり程もある肉を山の様に食わされたりしてます。
そして、最悪の気分の中でも鍛錬は欠かせないので、定期的に吐き戻してます。
食事量を増やしてから2日目、アインやギルルにはもう30回くらいぶたれました。
アイツら、『吐いたら意味ねーだろ!』とか『うわ、ばっちい!』とか言って平気で殴ってきます。
⋯⋯もう、ここから逃げてぇ。
「あ、アイン⋯⋯」
「なんだァ? 休ませて欲しいかァ? いいぜェ、全部食い切ったらなッ!!」
「お"ぼぁ"ぁ"ーー!!」
涙目の俺に、アインは次々と飯を突っ込む。
しばしの間、魔王城には俺の悲鳴が響いていたのであった。
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