191 / 702
第百九十一話
しおりを挟む
エリーゼはクロード監修のもと朝早くから走り込みをはじめとする体作りと授業が終わってからの模擬戦を中心とする修練に取り組んでいた。
逃げ出したいと思うこともあったが必死に食らいつき日々を過ごすことで確実に強くなっていた。
待ちに待った休日。
クロードとエリーゼは再び二人でダンジョンに挑むべく外泊届を学園に出していた。
転移魔法で飛んだ先は蛙系の魔物が生息しているダンジョンである。
ダンジョンに足を踏み入れ接敵したエリーゼの第一声はこうであった。
「いやぁ。生理的に無理なのじゃ」
「錬金術の素材になるから頑張ってください」
視界にも入れたくないと言わんばかりにエリーゼは遭遇するたびに猛攻を繰り出すことで平静を保っていた。
「うぅ・・・。もう嫌じゃ。帰りたいのじゃ」
「そう言いながらも頑張れているじゃないですか」
「クロードはなぜ平然としていられるのじゃ」
「どこがダメなんですか?」
「ヌメヌメしてドロッとした液体を吐きかけてくる蛙達が怖くてしかたないのじゃ」
「しっかりと見れば液体は避けられますよ」
「そうしたら蛙共をしっかり見ないといけないのじゃ」
エリーゼの受難はまだまだ続くのであった。
ハバロフは子分を連れて父親に頼んで雇った冒険者と共に王都の近くの森へと魔物の討伐にきていた。
「前の演習は中途半端に終わったからな。ここでしっかり経験値を稼いで他の奴らに差をつけるぞ」
「頑張りましょう」
「金払いがよかったから受けたが餓鬼達の子守とはな」
「何か言ったか?」
「いえ。なんでもないですよ」
「時間が惜しい。いくぞ」
間引きが行われていない森は魔物が豊富にいたがハバロフ達の実力では少し厳しいものがあった。
冒険者達は内心ヒヤヒヤしていた。
とても見ていられないほど実戦慣れしていなかったからである。
窮地に陥り救助に入る。
その繰り返しでとてもじゃないが経験を積ませるどころではなかった。
日暮れ近くになって冒険者達は決意する。
「おい。街に帰るぞ」
「ちょっと待て。依頼は明日までだろ。当然野営するに決まってるじゃないか」
「お前らの実力で野営は無理だ。お荷物を抱えて野営なんて冗談じゃないぞ」
「契約を破るのか?」
「そうだ。金より命の方が大事なんでね。違約金を支払ってでも俺らは帰るぞ」
そこまで言われてはハバロフ達も引き下がるしかなかった。
「侯爵家の顔に泥を塗ったんだ。後悔させてやるからな」
「俺らは冒険者だ。居づらくなったらよその国に行くだけだぞ」
何を言っても負け犬の遠吠えであるのだがハバロフ達は吠え続けるしかなかった。
逃げ出したいと思うこともあったが必死に食らいつき日々を過ごすことで確実に強くなっていた。
待ちに待った休日。
クロードとエリーゼは再び二人でダンジョンに挑むべく外泊届を学園に出していた。
転移魔法で飛んだ先は蛙系の魔物が生息しているダンジョンである。
ダンジョンに足を踏み入れ接敵したエリーゼの第一声はこうであった。
「いやぁ。生理的に無理なのじゃ」
「錬金術の素材になるから頑張ってください」
視界にも入れたくないと言わんばかりにエリーゼは遭遇するたびに猛攻を繰り出すことで平静を保っていた。
「うぅ・・・。もう嫌じゃ。帰りたいのじゃ」
「そう言いながらも頑張れているじゃないですか」
「クロードはなぜ平然としていられるのじゃ」
「どこがダメなんですか?」
「ヌメヌメしてドロッとした液体を吐きかけてくる蛙達が怖くてしかたないのじゃ」
「しっかりと見れば液体は避けられますよ」
「そうしたら蛙共をしっかり見ないといけないのじゃ」
エリーゼの受難はまだまだ続くのであった。
ハバロフは子分を連れて父親に頼んで雇った冒険者と共に王都の近くの森へと魔物の討伐にきていた。
「前の演習は中途半端に終わったからな。ここでしっかり経験値を稼いで他の奴らに差をつけるぞ」
「頑張りましょう」
「金払いがよかったから受けたが餓鬼達の子守とはな」
「何か言ったか?」
「いえ。なんでもないですよ」
「時間が惜しい。いくぞ」
間引きが行われていない森は魔物が豊富にいたがハバロフ達の実力では少し厳しいものがあった。
冒険者達は内心ヒヤヒヤしていた。
とても見ていられないほど実戦慣れしていなかったからである。
窮地に陥り救助に入る。
その繰り返しでとてもじゃないが経験を積ませるどころではなかった。
日暮れ近くになって冒険者達は決意する。
「おい。街に帰るぞ」
「ちょっと待て。依頼は明日までだろ。当然野営するに決まってるじゃないか」
「お前らの実力で野営は無理だ。お荷物を抱えて野営なんて冗談じゃないぞ」
「契約を破るのか?」
「そうだ。金より命の方が大事なんでね。違約金を支払ってでも俺らは帰るぞ」
そこまで言われてはハバロフ達も引き下がるしかなかった。
「侯爵家の顔に泥を塗ったんだ。後悔させてやるからな」
「俺らは冒険者だ。居づらくなったらよその国に行くだけだぞ」
何を言っても負け犬の遠吠えであるのだがハバロフ達は吠え続けるしかなかった。
425
あなたにおすすめの小説
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜
みおな
ファンタジー
私の名前は、瀬尾あかり。
37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。
そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。
今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。
それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。
そして、目覚めた時ー
【完結】テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった
仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる