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第二百四十二話
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初等部の演習は問題なく終わり学園に戻ってきたクロードは緊急事態を知らせる魔道具を参考に通信の魔道具の開発に手を出していた。
位置情報を教えられるということは位置の特定は出来ているということでありそこに会話できるように魔法陣を組み込めれば何とかなるのではないかと考えたのである。
地球では当たり前のように電波だけで会話が出来ていたのだからこちらの世界でも実現できるはずだと自分を励ましながら作業を続けているがさっぱりうまくいかない。
残り少ないコーヒーを消費しつつ魔法陣関連の本を読み漁るがいい案は出てこない。
完全に手詰まりの状態でどうしたものかと考えているとドアベルが鳴らされる。
玄関の扉を開けるとエリーゼがいた。
「クロード。王宮でパーティーがあるんだけど行くでしょ?」
「う~ん。今回はパスしてもいいかな?」
「ダメよ。学園に通っているってことで社交の場にでる回数を減らして貰ってるけどクロードは辺境伯家の当主なのよ。社交の場にまったくでないってことは貴族としての義務を放棄することに等しいわ」
「貴族としての義務か。考えたこともなかったよ」
貴族には貴族の独特のルールのようなものがあるのだろう。
「学園でも貴族としてのルールを教えてくれるはずだけど確か高等部になってからのはずよ。私も出来る限りフォローするけど先生に頼んで学んだほうがいいんじゃないかしら?」
「わかった。今度相談してみるよ」
「その恰好じゃダメね。待ってるから着替えてきて」
「うん。少しだけ待ってて」
クロードは自室に戻り急いで正装に着替える。
「お待たせ」
「馬車を待たせてあるから行きましょう」
クロードとエリーゼは学園の馬車置き場で馬車に乗り込み王宮へと向かった。
王宮に到着したクロードとエリーゼは使用人に案内されてホールへと入室する。
ホールではすでに沢山の貴族が揃っており楽団が音楽を奏でている。
主催者である国王陛下の入室はまだのようで適当に飲み物を選び立っていると沢山の貴族が挨拶にやってくる。
エリーゼの方を見れば同じく多くの貴族が集まってきておりエリーゼは笑顔で対応している。
正直めんどくさいしこんなに覚えきれないのだがエリーゼの真似をして何とか笑顔で対応する。
疲れてきたころ楽団の奏でる音楽が変化し国王陛下が入室してくる。
クロードの前にいた貴族達も国王陛下への挨拶の方が大事と見えて一斉にそちらへ向かっていく。
「クロード。お疲れ様。皆、辺境伯であるクロードと何かしらの繋がりが欲しかったのよ」
「エリーゼもすごい人気だったじゃないか」
「私の方は縁談話ね。興味がないけどバッサリ断るのも失礼にあたるからめんどくさくてしかたないわ」
「一休みしたら僕らも国王陛下に挨拶に行かないとね」
「そうね。形式のようなものだけどマナーだから仕方ないわね」
一休みしてからクロードとエリーゼは国王陛下への挨拶の列に並ぶのだった。
位置情報を教えられるということは位置の特定は出来ているということでありそこに会話できるように魔法陣を組み込めれば何とかなるのではないかと考えたのである。
地球では当たり前のように電波だけで会話が出来ていたのだからこちらの世界でも実現できるはずだと自分を励ましながら作業を続けているがさっぱりうまくいかない。
残り少ないコーヒーを消費しつつ魔法陣関連の本を読み漁るがいい案は出てこない。
完全に手詰まりの状態でどうしたものかと考えているとドアベルが鳴らされる。
玄関の扉を開けるとエリーゼがいた。
「クロード。王宮でパーティーがあるんだけど行くでしょ?」
「う~ん。今回はパスしてもいいかな?」
「ダメよ。学園に通っているってことで社交の場にでる回数を減らして貰ってるけどクロードは辺境伯家の当主なのよ。社交の場にまったくでないってことは貴族としての義務を放棄することに等しいわ」
「貴族としての義務か。考えたこともなかったよ」
貴族には貴族の独特のルールのようなものがあるのだろう。
「学園でも貴族としてのルールを教えてくれるはずだけど確か高等部になってからのはずよ。私も出来る限りフォローするけど先生に頼んで学んだほうがいいんじゃないかしら?」
「わかった。今度相談してみるよ」
「その恰好じゃダメね。待ってるから着替えてきて」
「うん。少しだけ待ってて」
クロードは自室に戻り急いで正装に着替える。
「お待たせ」
「馬車を待たせてあるから行きましょう」
クロードとエリーゼは学園の馬車置き場で馬車に乗り込み王宮へと向かった。
王宮に到着したクロードとエリーゼは使用人に案内されてホールへと入室する。
ホールではすでに沢山の貴族が揃っており楽団が音楽を奏でている。
主催者である国王陛下の入室はまだのようで適当に飲み物を選び立っていると沢山の貴族が挨拶にやってくる。
エリーゼの方を見れば同じく多くの貴族が集まってきておりエリーゼは笑顔で対応している。
正直めんどくさいしこんなに覚えきれないのだがエリーゼの真似をして何とか笑顔で対応する。
疲れてきたころ楽団の奏でる音楽が変化し国王陛下が入室してくる。
クロードの前にいた貴族達も国王陛下への挨拶の方が大事と見えて一斉にそちらへ向かっていく。
「クロード。お疲れ様。皆、辺境伯であるクロードと何かしらの繋がりが欲しかったのよ」
「エリーゼもすごい人気だったじゃないか」
「私の方は縁談話ね。興味がないけどバッサリ断るのも失礼にあたるからめんどくさくてしかたないわ」
「一休みしたら僕らも国王陛下に挨拶に行かないとね」
「そうね。形式のようなものだけどマナーだから仕方ないわね」
一休みしてからクロードとエリーゼは国王陛下への挨拶の列に並ぶのだった。
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