688 / 702
第六百八十八話
しおりを挟む
「さて。お姉さんはどうするの?」
そう少年は聞いてくる。
「どうしたらいいんでしょう・・・」
ブリュンヒルトは迷っていた。
明らかにオーディンは暴走している。
女神アリア達を幽閉したのがいい証拠だ。
「なんとかしないと・・・」
「お姉さんの実力だと向かってもなにもできないよ?」
「そうですけど・・・」
ブリュンヒルトは強いつもりでいた。
だが、数が多かったとはいえピンチになったばかりだ。
「僕としてはゲルマン王国に戻るのをお勧めするよ」
「ゲルマン王国に?」
「あそこには建御雷神がいるからね。オーディンも下手に手をだせない」
「日本神話の武神ですか・・・」
「それに世界を安定させることを優先しているけれどそれが終わったらオーディンとは戦うことになる。きっと、お姉さんが役に立つ時がくるはずさ」
「そうでしょうか・・・?」
「まぁ、どうするか決めるのはお姉さんだよ」
「そうですね・・・。今は雌伏の時。ゲルマン王国に戻ります」
「1人で戻れる?」
「うっ・・・。自信がないです」
「しょうがないなぁ。僕が連れていってあげるよ」
少年はそう言ってブリュンヒルトの手を取った。
急ぐ旅でもないブリュンヒルトと名もわからない少年は魔物の討伐をしたりしながらゲルマン王国を目指した。
基本的に少年は手を出さない。
魔物を倒すのはブリュンヒルトの役割だった。
少年は数が多かったりブリュンヒルトの手には負えない事態になると手を貸してくれる。
幼い見た目だがその強さは本物だった。
「いったい、どういう経験をしたらそこまで強くなれるんですか?」
「ん~。そうだね・・・。クロードに付き合ってたら自然と?」
「それはどういう・・・」
「あの人。昔は戦闘狂でね。よく戦場に連れ出されたんだよ」
「こんなに幼いのに・・・。大変な目に遭っていたんですね」
「ん?お姉さん。僕のこと幼い子だと思ってる?」
「違うのですか?」
「見た目はこんなだけどお姉さんより年上だと思うよ」
「えっ・・・?」
「本来の姿だと疲れるからね。低燃費モードってやつだよ」
ブリュンヒルトは思わず本来の強さはどれぐらいなのかと考えてしまった。
きっと想像できないぐらいに強いのだろう。
「っと。お姉さん。お客さんだよ」
意識を集中する。
すると前方に魔物の気配を感じる。
「誰かが戦っているようです。急ぎましょう」
「了解」
急ぐと言っても全速では向かわない。
息が乱れていたらいざ、戦うときに隙が生まれるからだ。
近づけば状況がはっきりしてくる。
襲われていたのは荷馬車のようだ。
護衛と思われる人達がオークと戦っていた。
そう少年は聞いてくる。
「どうしたらいいんでしょう・・・」
ブリュンヒルトは迷っていた。
明らかにオーディンは暴走している。
女神アリア達を幽閉したのがいい証拠だ。
「なんとかしないと・・・」
「お姉さんの実力だと向かってもなにもできないよ?」
「そうですけど・・・」
ブリュンヒルトは強いつもりでいた。
だが、数が多かったとはいえピンチになったばかりだ。
「僕としてはゲルマン王国に戻るのをお勧めするよ」
「ゲルマン王国に?」
「あそこには建御雷神がいるからね。オーディンも下手に手をだせない」
「日本神話の武神ですか・・・」
「それに世界を安定させることを優先しているけれどそれが終わったらオーディンとは戦うことになる。きっと、お姉さんが役に立つ時がくるはずさ」
「そうでしょうか・・・?」
「まぁ、どうするか決めるのはお姉さんだよ」
「そうですね・・・。今は雌伏の時。ゲルマン王国に戻ります」
「1人で戻れる?」
「うっ・・・。自信がないです」
「しょうがないなぁ。僕が連れていってあげるよ」
少年はそう言ってブリュンヒルトの手を取った。
急ぐ旅でもないブリュンヒルトと名もわからない少年は魔物の討伐をしたりしながらゲルマン王国を目指した。
基本的に少年は手を出さない。
魔物を倒すのはブリュンヒルトの役割だった。
少年は数が多かったりブリュンヒルトの手には負えない事態になると手を貸してくれる。
幼い見た目だがその強さは本物だった。
「いったい、どういう経験をしたらそこまで強くなれるんですか?」
「ん~。そうだね・・・。クロードに付き合ってたら自然と?」
「それはどういう・・・」
「あの人。昔は戦闘狂でね。よく戦場に連れ出されたんだよ」
「こんなに幼いのに・・・。大変な目に遭っていたんですね」
「ん?お姉さん。僕のこと幼い子だと思ってる?」
「違うのですか?」
「見た目はこんなだけどお姉さんより年上だと思うよ」
「えっ・・・?」
「本来の姿だと疲れるからね。低燃費モードってやつだよ」
ブリュンヒルトは思わず本来の強さはどれぐらいなのかと考えてしまった。
きっと想像できないぐらいに強いのだろう。
「っと。お姉さん。お客さんだよ」
意識を集中する。
すると前方に魔物の気配を感じる。
「誰かが戦っているようです。急ぎましょう」
「了解」
急ぐと言っても全速では向かわない。
息が乱れていたらいざ、戦うときに隙が生まれるからだ。
近づけば状況がはっきりしてくる。
襲われていたのは荷馬車のようだ。
護衛と思われる人達がオークと戦っていた。
154
あなたにおすすめの小説
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた
砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。
彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。
そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。
死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。
その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。
しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、
主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。
自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、
寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。
結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、
自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……?
更新は昼頃になります。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる