7 / 8
7. ねえ、魔王と戦うことになったんだけど!?
しおりを挟む
ある日のこと。
冒険者ギルドには『S級特務』が張られていた。
他のS級パーティーは国を出払っているため、実質私たちに対する国からの指名クエストとも言えるもの。
「内容は――魔王討伐依頼。
お姉さま。勇者にはぴったりの依頼ですね!」
私の傍らには、無邪気にアメリアが並び立つ。
あまりに一緒に行動することが多すぎて忘れそうになってたけど、これでもこの子は未来の王妃様。
このクエストの危険は、普段の比ではいだろう。
いつものノリで連れて行く訳にはいかない。
「アメリア、いいえアメリア様。
今度ばかりは、あまりに相手が悪すぎます。
これから国を背負う次期王妃を、連れて行くわけには参りません」
冒険者ギルドのど真ん中で、私はアメリアの正体を口にする。
ギルド内は、ざわざわとした喧噪に包まれた。
どれだけ説得しようとも、アメリアは絶対に付いてきてしまうだろう。
これはアメリアを危険な目に遭わさないための強硬策だ。
危険な行為ではあるが、ここにいる冒険者は信用できる。
アメリアをきっちりと護衛しながら、城まで送り届けてくれるだろう。
「あいにくですが"勇者様"に付いていくよう、国王から指示されています。
お姉さま、お忘れですか?
私は王妃である前に、聖女なんですよ」
しかしアメリアは、既に許可を取っていると言い放った。
そう言われてしまえば、勇者となってしまった私に彼女を止める術はない。
人の気など知らず、アメリアはニコニコ楽しそうにしていた。
◇◆◇◆◇
魔王城に向かう道中。
「アメリア、今回の敵は本当に強大。
私の力では、あなたを守れるかは分かりません。
自分の身ぐらいは、自分で守る覚悟をしておいて」
「違いますよ、おねえさま?」
アメリアはくるりと振り返って、私の言葉を否定すると、
「私がおねえさまを守るんです」
茶目っ気たっぷりにそう応える。
同性でありながら、思わず見ほれてしまうような美しい笑みを見て――
「お互い生きて帰りましょうね」
私はそう返すだけで精一杯。
アメリアは「はいっ!」と嬉しそうにうなずいた。
◇◆◇◆◇
そうして魔王城にたどり着いた私たちを、魔王が出迎える。
魔物の王、名実ともに最強の敵だ。
「どれ、我の相手をするのは……?」
身にまとっている魔力の質が違う。
空間を歪めるほどの圧倒的濃度の魔力をまとって、悠々と現れた魔王は、
「女子供ばかりではないか」
つまらなそうにそう吐き捨てた。
「貴様らはなぜ、魔王である我を倒そうとする」
「え……?」
いきなり問いかけられ、私は答えに窮する。
依頼があったからとしか言えない。
思えば平穏に冒険者として暮らしたいと願っていたはずなのに――気が付いたら勇者として聖剣を携えて魔王に挑んでいる現状。
「どうしてこうなった!?」と、私が問いかけたい。
ただ冒険者になりたかっただけなのに。
「聖剣を持った、そこの女なぞーー」
え、私?
「勇者というより、見た目は完全に悪役ではないか」
悪役面なのは自覚しているが、いきなり失礼なことを言う。
でもこの悪役顔のおかげで、無事に婚約破棄してもらえたのだ。
だいぶイラッとしたが許そう。
「どうせ強い使命感を持っているわけでもあるまい?
その場に立っているのも、成り行き任せだろう」
まったくもってその通りである。
だからアメリア、魔王が私の悪口を言うたびに鋭い殺気を放つのを止めてくれませんかね?
「そのような相手ーー魔王である我が、わざわざ相手にする必要もない」
あ、無益な殺傷を好まないタイプだ。
この魔王優しい。
「おねえさまを侮辱しないで下さい!!」
この魔王、全くもって正しいことしか言わない。
私はひそかに魔王の慧眼におののいていたが、突如として大声をアメリアが上げた。
魔王の魔力に怯えてしまった自分を恥じるように。
自ら鼓舞するように。
「おねえさまは悪役顔を駆使して、自ら泥を被ってくださったのです。
冒険者になりたいなんて嘘までついて、私と王子の仲を応援して下さったのです!」
え、ちょっと待って?
誰のことだそれは。
「ここに立っているのが成り行きまかせ?
そんなはずがないではありませんか!」
いいえ、100%成り行きですが?
「おねえさまは追放された瞬間、まずは仲間を募ったのです。
いずれは国が魔王により脅かされることを、分かっておられたのです」
いやいや、復活するのが分かってるなら止めるって。
「ドラゴン退治でサクサクッと知名度を上げてみせました。
危険を顧みないその行為は、誰にも真似出来ない尊い行為です。
依頼を受けられる権利を手にしたら、そのまま聖剣を抜くための旅に出ました。
――すべてこの時を予測していたとしか思えません!」
すべて偶然の産物だから。
というか半分ぐらいはあなたの提案じゃない!
そう反論する声は、怒りに我を失ったアメリアには届かない。
「おねえさまの行動は、全てこの時に繋がっていたのです!」
そんなことはない。
……そんなことないよね?
「魔王であろうと、お姉さまを侮辱することは許しません。
あなたがお姉さまの何を知ってると言うんですか!」
あなたよりは知ってると思いますけどね!?
私の声なき声は、やはり誰にも届かない。
「女勇者よ。貴様がそこまでの覚悟を持って、我に挑もうとしていたとは知らなかった。
侮辱した詫びだ――全身全霊で迎え撃とう」
そう言った魔王から放たれる殺気が、さらに一段階強まる。
どす黒い魔力は考えられないほどの密度であり、もはや可視化されているほど。
あまりに強すぎた。
こんなバケモノとやりあうなど、冗談ではない。
「おねえさまの手を煩わせる必要なんてありません。
私ひとりで十分です」
そう言って私をかばうように前に出たのは聖女・アメリア。
「そ、そんなこと出来るわけが……」
「任せて下さい」
アメリアはやっぱりいつもの笑みを浮かべて、魔王の前に立ちはだかる。
純白の魔力を身にまとった凛々しい立ち姿。
こちらも化け物のように強かった。
今まで力を隠していたというのか。
魔王と聖女の放つ魔力が、ぶつかり合う。
その衝撃は魔王城の内装を破壊し、さらには行き場を失ったエネルギーか雷となり、あたりに降り注ぐ。
魔王の力はやはり圧倒的であった。
アメリアの放つ純白の光を押しつぶすように、禍々しい魔力が迫っている。
「あ、アメリア?」
「おねえさま」
聖剣を持つだけの私に、アメリアが視線を向けてきていた。
たしかに私は聖剣を使えるようになった。
それでもこの争いに割って入れるほどの実力は、持っていない。
力のない自分が悔しい。
「おねえさま、どうか私の言うことを繰り返してください」
「アメリア……」
どれだけ押されていても、アメリアの瞳に諦めの色はない。
彼女のほうがよっぽど勇者にふさわしい、そんなことすら思ってしまう。
「我、聖剣に選ばれし者なりーー」
「我、聖剣に選ばれし者なりーー」
「聖女の真なる加護を授けられし者なりーー」
「聖女の真なる加護を授けられし者なりーー」
アメリアの言葉を、必死に復唱する。
言葉の意味など理解する余裕もない。
「聖女の魔力を喰らい、今こそ真なる力を我に示せーー」
「聖女の魔力を喰らい、今こそ真なる力を我に示せーー」
その言葉を発した刹那。
アメリアの体から放たれていた聖なる魔力が、私の持つ聖剣の仲に吸い込まれていく。
吸い込まれる、などという生やさしいものではない。まるで聖剣が、彼女の魔力を喰らっているような光景。
今しかない、それは直感。
まるでアメリアの意志に導かれるように。
私は魔力を込めると、聖剣を振り抜いた。
冒険者ギルドには『S級特務』が張られていた。
他のS級パーティーは国を出払っているため、実質私たちに対する国からの指名クエストとも言えるもの。
「内容は――魔王討伐依頼。
お姉さま。勇者にはぴったりの依頼ですね!」
私の傍らには、無邪気にアメリアが並び立つ。
あまりに一緒に行動することが多すぎて忘れそうになってたけど、これでもこの子は未来の王妃様。
このクエストの危険は、普段の比ではいだろう。
いつものノリで連れて行く訳にはいかない。
「アメリア、いいえアメリア様。
今度ばかりは、あまりに相手が悪すぎます。
これから国を背負う次期王妃を、連れて行くわけには参りません」
冒険者ギルドのど真ん中で、私はアメリアの正体を口にする。
ギルド内は、ざわざわとした喧噪に包まれた。
どれだけ説得しようとも、アメリアは絶対に付いてきてしまうだろう。
これはアメリアを危険な目に遭わさないための強硬策だ。
危険な行為ではあるが、ここにいる冒険者は信用できる。
アメリアをきっちりと護衛しながら、城まで送り届けてくれるだろう。
「あいにくですが"勇者様"に付いていくよう、国王から指示されています。
お姉さま、お忘れですか?
私は王妃である前に、聖女なんですよ」
しかしアメリアは、既に許可を取っていると言い放った。
そう言われてしまえば、勇者となってしまった私に彼女を止める術はない。
人の気など知らず、アメリアはニコニコ楽しそうにしていた。
◇◆◇◆◇
魔王城に向かう道中。
「アメリア、今回の敵は本当に強大。
私の力では、あなたを守れるかは分かりません。
自分の身ぐらいは、自分で守る覚悟をしておいて」
「違いますよ、おねえさま?」
アメリアはくるりと振り返って、私の言葉を否定すると、
「私がおねえさまを守るんです」
茶目っ気たっぷりにそう応える。
同性でありながら、思わず見ほれてしまうような美しい笑みを見て――
「お互い生きて帰りましょうね」
私はそう返すだけで精一杯。
アメリアは「はいっ!」と嬉しそうにうなずいた。
◇◆◇◆◇
そうして魔王城にたどり着いた私たちを、魔王が出迎える。
魔物の王、名実ともに最強の敵だ。
「どれ、我の相手をするのは……?」
身にまとっている魔力の質が違う。
空間を歪めるほどの圧倒的濃度の魔力をまとって、悠々と現れた魔王は、
「女子供ばかりではないか」
つまらなそうにそう吐き捨てた。
「貴様らはなぜ、魔王である我を倒そうとする」
「え……?」
いきなり問いかけられ、私は答えに窮する。
依頼があったからとしか言えない。
思えば平穏に冒険者として暮らしたいと願っていたはずなのに――気が付いたら勇者として聖剣を携えて魔王に挑んでいる現状。
「どうしてこうなった!?」と、私が問いかけたい。
ただ冒険者になりたかっただけなのに。
「聖剣を持った、そこの女なぞーー」
え、私?
「勇者というより、見た目は完全に悪役ではないか」
悪役面なのは自覚しているが、いきなり失礼なことを言う。
でもこの悪役顔のおかげで、無事に婚約破棄してもらえたのだ。
だいぶイラッとしたが許そう。
「どうせ強い使命感を持っているわけでもあるまい?
その場に立っているのも、成り行き任せだろう」
まったくもってその通りである。
だからアメリア、魔王が私の悪口を言うたびに鋭い殺気を放つのを止めてくれませんかね?
「そのような相手ーー魔王である我が、わざわざ相手にする必要もない」
あ、無益な殺傷を好まないタイプだ。
この魔王優しい。
「おねえさまを侮辱しないで下さい!!」
この魔王、全くもって正しいことしか言わない。
私はひそかに魔王の慧眼におののいていたが、突如として大声をアメリアが上げた。
魔王の魔力に怯えてしまった自分を恥じるように。
自ら鼓舞するように。
「おねえさまは悪役顔を駆使して、自ら泥を被ってくださったのです。
冒険者になりたいなんて嘘までついて、私と王子の仲を応援して下さったのです!」
え、ちょっと待って?
誰のことだそれは。
「ここに立っているのが成り行きまかせ?
そんなはずがないではありませんか!」
いいえ、100%成り行きですが?
「おねえさまは追放された瞬間、まずは仲間を募ったのです。
いずれは国が魔王により脅かされることを、分かっておられたのです」
いやいや、復活するのが分かってるなら止めるって。
「ドラゴン退治でサクサクッと知名度を上げてみせました。
危険を顧みないその行為は、誰にも真似出来ない尊い行為です。
依頼を受けられる権利を手にしたら、そのまま聖剣を抜くための旅に出ました。
――すべてこの時を予測していたとしか思えません!」
すべて偶然の産物だから。
というか半分ぐらいはあなたの提案じゃない!
そう反論する声は、怒りに我を失ったアメリアには届かない。
「おねえさまの行動は、全てこの時に繋がっていたのです!」
そんなことはない。
……そんなことないよね?
「魔王であろうと、お姉さまを侮辱することは許しません。
あなたがお姉さまの何を知ってると言うんですか!」
あなたよりは知ってると思いますけどね!?
私の声なき声は、やはり誰にも届かない。
「女勇者よ。貴様がそこまでの覚悟を持って、我に挑もうとしていたとは知らなかった。
侮辱した詫びだ――全身全霊で迎え撃とう」
そう言った魔王から放たれる殺気が、さらに一段階強まる。
どす黒い魔力は考えられないほどの密度であり、もはや可視化されているほど。
あまりに強すぎた。
こんなバケモノとやりあうなど、冗談ではない。
「おねえさまの手を煩わせる必要なんてありません。
私ひとりで十分です」
そう言って私をかばうように前に出たのは聖女・アメリア。
「そ、そんなこと出来るわけが……」
「任せて下さい」
アメリアはやっぱりいつもの笑みを浮かべて、魔王の前に立ちはだかる。
純白の魔力を身にまとった凛々しい立ち姿。
こちらも化け物のように強かった。
今まで力を隠していたというのか。
魔王と聖女の放つ魔力が、ぶつかり合う。
その衝撃は魔王城の内装を破壊し、さらには行き場を失ったエネルギーか雷となり、あたりに降り注ぐ。
魔王の力はやはり圧倒的であった。
アメリアの放つ純白の光を押しつぶすように、禍々しい魔力が迫っている。
「あ、アメリア?」
「おねえさま」
聖剣を持つだけの私に、アメリアが視線を向けてきていた。
たしかに私は聖剣を使えるようになった。
それでもこの争いに割って入れるほどの実力は、持っていない。
力のない自分が悔しい。
「おねえさま、どうか私の言うことを繰り返してください」
「アメリア……」
どれだけ押されていても、アメリアの瞳に諦めの色はない。
彼女のほうがよっぽど勇者にふさわしい、そんなことすら思ってしまう。
「我、聖剣に選ばれし者なりーー」
「我、聖剣に選ばれし者なりーー」
「聖女の真なる加護を授けられし者なりーー」
「聖女の真なる加護を授けられし者なりーー」
アメリアの言葉を、必死に復唱する。
言葉の意味など理解する余裕もない。
「聖女の魔力を喰らい、今こそ真なる力を我に示せーー」
「聖女の魔力を喰らい、今こそ真なる力を我に示せーー」
その言葉を発した刹那。
アメリアの体から放たれていた聖なる魔力が、私の持つ聖剣の仲に吸い込まれていく。
吸い込まれる、などという生やさしいものではない。まるで聖剣が、彼女の魔力を喰らっているような光景。
今しかない、それは直感。
まるでアメリアの意志に導かれるように。
私は魔力を込めると、聖剣を振り抜いた。
2
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。
桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。
「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」
「はい、喜んで!」
……えっ? 喜んじゃうの?
※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。
※1ページの文字数は少な目です。
☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」
セルビオとミュリアの出会いの物語。
※10/1から連載し、10/7に完結します。
※1日おきの更新です。
※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
今日から悪役令嬢になります!~私が溺愛されてどうすんだ!
ユウ
恋愛
姉の婚約破棄により、公爵家だった我が家は衰退の一途をたどり。
嫉妬に狂った姉は壊れて行った。
世間では悪役令嬢として噂を流されてしまう。
どうしてこうなってしまったのだろうか。
姉はただ愛を望んだだけだったのに、そんなことを想いながらマリーは目を覚ますと体が小さくなっていた。
二度目の人生を終えて新たな転生を果たしたと思ったら何故か再び転生して、悪役令嬢の妹として転生するのだが…何故か姉のポジションになり私は誓った。
こうなったら私が悪役令嬢になって私が姉と家族を守ろうと誓ったが…
悪役令嬢ってどうしたらいいんだけっけ?
間違った方向に努力を続けたら、冷たい婚約者は何故か優しく微笑んで来たり、ライバル令嬢も何故か優しくしてくれる。
「あれ?おかしくね?」
自称悪役令嬢の奮闘劇が始まる!
公爵令嬢ですが、実は神の加護を持つ最強チート持ちです。婚約破棄? ご勝手に
ゆっこ
恋愛
王都アルヴェリアの中心にある王城。その豪奢な大広間で、今宵は王太子主催の舞踏会が開かれていた。貴族の子弟たちが華やかなドレスと礼装に身を包み、音楽と笑い声が響く中、私——リシェル・フォン・アーデンフェルトは、端の席で静かに紅茶を飲んでいた。
私は公爵家の長女であり、かつては王太子殿下の婚約者だった。……そう、「かつては」と言わねばならないのだろう。今、まさにこの瞬間をもって。
「リシェル・フォン・アーデンフェルト。君との婚約を、ここに正式に破棄する!」
唐突な宣言。静まり返る大広間。注がれる無数の視線。それらすべてを、私はただ一口紅茶を啜りながら見返した。
婚約破棄の相手、王太子レオンハルト・ヴァルツァーは、金髪碧眼のいかにも“主役”然とした青年である。彼の隣には、勝ち誇ったような笑みを浮かべる少女が寄り添っていた。
「そして私は、新たにこのセシリア・ルミエール嬢を伴侶に選ぶ。彼女こそが、真に民を導くにふさわしい『聖女』だ!」
ああ、なるほど。これが今日の筋書きだったのね。
料理スキルしか取り柄がない令嬢ですが、冷徹騎士団長の胃袋を掴んだら国一番の寵姫になってしまいました
さら
恋愛
婚約破棄された伯爵令嬢クラリッサ。
裁縫も舞踏も楽器も壊滅的、唯一の取り柄は――料理だけ。
「貴族の娘が台所仕事など恥だ」と笑われ、家からも見放され、辺境の冷徹騎士団長のもとへ“料理番”として嫁入りすることに。
恐れられる団長レオンハルトは無表情で冷徹。けれど、彼の皿はいつも空っぽで……?
温かいシチューで兵の心を癒し、香草の香りで団長の孤独を溶かす。気づけば彼の灰色の瞳は、わたしだけを見つめていた。
――料理しかできないはずの私が、いつの間にか「国一番の寵姫」と呼ばれている!?
胃袋から始まるシンデレラストーリー、ここに開幕!
無能な悪役令嬢は静かに暮らしたいだけなのに、超有能な側近たちの勘違いで救国の聖女になってしまいました
黒崎隼人
ファンタジー
乙女ゲームの悪役令嬢イザベラに転生した私の夢は、破滅フラグを回避して「悠々自適なニート生活」を送ること!そのために王太子との婚約を破棄しようとしただけなのに…「疲れたわ」と呟けば政敵が消え、「甘いものが食べたい」と言えば新商品が国を潤し、「虫が嫌」と漏らせば魔物の巣が消滅!? 私は何もしていないのに、超有能な側近たちの暴走(という名の忠誠心)が止まらない!やめて!私は聖女でも策略家でもない、ただの無能な怠け者なのよ!本人の意思とは裏腹に、勘違いで国を救ってしまう悪役令嬢の、全力で何もしない救国ファンタジー、ここに開幕!
【完結】『推しの騎士団長様が婚約破棄されたそうなので、私が拾ってみた。』
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
【完結まで執筆済み】筋肉が語る男、冷徹と噂される騎士団長レオン・バルクハルト。
――そんな彼が、ある日突然、婚約破棄されたという噂が城下に広まった。
「……えっ、それってめっちゃ美味しい展開じゃない!?」
破天荒で豪快な令嬢、ミレイア・グランシェリは思った。
重度の“筋肉フェチ”で料理上手、○○なのに自由すぎる彼女が取った行動は──まさかの自ら押しかけ!?
騎士団で巻き起こる爆笑と騒動、そして、不器用なふたりの距離は少しずつ近づいていく。
これは、筋肉を愛し、胃袋を掴み、心まで溶かす姉御ヒロインが、
推しの騎士団長を全力で幸せにするまでの、ときめきと笑いと“ざまぁ”の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる