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塩ツン王子と下校
しおりを挟む今日もフラれた。
好きって気持ちは今でも衰えてないけれど、流石に毎日フラれると……本当に告白するのやめて、諦めようかなって気持ちになる。
何事も、諦めが肝心って言うし!
それに、告白することが日課になってきている気がする。
そうなると「とりあえず告白してみた」って感じになってしまう。
本当に好きなのに、その大事な部分が伝わらなくなってしまう……それは嫌だから、しばらく告白はお休みしよう。
すると翌日から、私が塩ツン王子こと朱乃くんに告白しなくなったと話題になり、質問攻めに遭った。
いつもは詩織と一緒に帰ってたのに……今は何故か、塩ツン王子と帰っている。
な・ぜ・だ!解せぬ。
無言だから、余計に時間が経つのが長く感じる……
どうして、私と一緒に歩いてくれてるんだろう?
まだまだ明るくて一応、人通りはあるし……
「あっ、じゃあ……私こっちだから!」
でも、ずっと無言だと逆に気まずいから遠回りになっちゃうけど、嘘ついて一人で帰ろうとした。
すると「お前、そっちじゃねーだろ」と。
ギクッ!って思ったけど「こっちからでも帰れますので!」って言った。
嘘じゃないもん!まぁ、遠回りにはなるけど。
「嘘つけ。このまま一緒に帰るぞ」
「やだ」
「あ?なんで、やなんだよ」
「だって……朱乃くん、私のこと好きじゃないのに一緒に帰るなんて、嫌だろうし」
「なっ……」
「それに私のこと嫌いなのに、どうして一緒に帰ってるの?嫌なら、一人で帰ればいいじゃん!」
「はぁ?誰がお前のこと嫌いっつったよ!」
「態度がそうなんだもん!「お前のこと、嫌い」ってオーラが見えるし!」
塩ツン王子がそう言うなら、こっちにも意見があるんだから!
「悪かった、な……こんな顔で」
「えっ」
「昔から、こんな顔だから直らねーんだよ!」
「いや、あの顔のことじゃなくて態度なの!」
「別に嫌ってねーし」
「だって、いっつも即行で却下するじゃんか!」
「それは、お前に原因がある」
「はい!?」
「もっと、自分の気持ちを出せば……考えて、やらんことも……ない」
「な!?……もう、酷い!」
「はぁああああ!?」
「もう、朱乃くんなんか嫌いっ!!」
そう言って、私は遠回りの道へ走って帰った。
流石に酷いよ、塩ツン王子。
元から私は自分の気持ちを伝えているのに、朱乃くんが却下するから漫画とか、ドラマの台詞を拝借するようになったんだから。
「あぁ、私の言葉では……伝わらないのか」って、ショックでショックで……
だから、誰かの言葉から力を貸してもらったのに、それでも却下。
無理しなくてもいいよ、もう……
私、告白するのやめるから。
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