推しが尊過ぎてっ！

頑張れ、私

    推し様が仕事に行かれた。それはそれで、有難い。
推し様と同じ空気を吸うなど、おこがましいと思っていたので一人で居ることが、こんなにも落ち着いて気楽で居られるなんて。
    日曜日が、こんなにも疲れるなんて。
今日から１週間……耐えられるのかな、私。
ハッ！１週間ってことは……水曜日に私、アニメショップで予約してる、推し様のキャラグッズを取りに行かなきゃなんだけど！
袋で絶対にバレる……どうしよう！？
私は、そのことで頭がいっぱいだった。自分の平穏に嵐(推し様)がやってきた。それだけで私の心と頭を掻かき乱されて、てんやわんや。
だからこそ、推し様が仕事に行ったことが幸いだった。
とりあえず、推し不足なので充電する為にも愛でよう。
推し部屋にしていた時のグッズは、丁寧且かつ素早く段ボールに詰め、私の部屋のクローゼットに入るだけ入れた。
入らなかった段ボールは、他の荷物に紛まぎれこませた。我ながら上手く隠せたと思う。
もし部屋に入られても、変に思われることもないと思う。ただ、私が動揺したり変な仕草をしなければバレない。
そこが重要なのだ！何としてでも、推し様にバレないようにしないと！
こんなにグッズやDVDを持っていて、時間さえあれば常に愛でているような私のことを知ったら……
絶 対 に 引 か れ る！！！
それだけは、なんとしてでも阻止したい。
良い印象のままで、居候期間を終わらせたい。私にとって、切実な思いです……
    リアル間近で見た推し様は、とても輝いていて眩まぶしくて……神様のように神々しかったです。
これが、１週間も続くなんて……私の心臓は持つのかしら。
でも、推し様と暮らしたり間近で見ることなんて、早々ないから……少しだけでもお近づきに……なんて、戯たわけ！！！
ダメよ、ダメッ！いくらなんでも、おこがましいわ。
私は陰ながらひっそりと推し様を眺め、愛でられたら……それで十分です。
    色々と頭の中の私があれこれと言い合いしているのをよそに、ある重要なことが発覚した。
推し様の 寝 床 はどうするよ問題ッ！
たった１週間、されど１週間。推し様にフローリング直で寝られるなど……言語道断ッ！
そんなこと、死んでもさせられない！どうしよう！？どうするんだ、考えろ！私の頭！
ということで、私の使っている布団にファブリーズを、これでもかっ！！！ってぐらい振りたくり、せめて掛け布団だけでも！とカバーを換えた。
ここで、ズボラな私を恨むことになろうとは。
シーツやカバーぐらい、もっとレパートリー揃えとけよ！
人として、どうなの？って話なんだろうけど私は私。
これからも、変わることはないだろうな……
そして、私が床で寝ることに。
私はフローリングでも畳でも眠れる女なので、掛けるものがあれば完璧。
それでは、おやすみなさい……