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ついに……!
しおりを挟む今は、推し様の笑顔さえも少しイラついてしまう。だって、1回しか質問出来なかったし。
まぁ、でも同じ幼稚園に通ってて推し様は3つ下で……
やっぱり、どうも引っ掛かるんだよね。推し様は、私の後について回ってた子だと思うんだけどなぁ。
何故か気付いたら一緒に居て、どういう理由で懐かれたのかは分からないけど、友達と遊ぶにも移動するにも、その子は私と行動出来るなら、よくついて回って来ていた。
でも、私が卒園する時にその子はずっと泣いてたから「お友達、出来たら楽しいよ?」って言ったの。
そしたら、その子は「みーちゃんが居たら、それでいいもん!みーちゃん、一緒に居て遊ぼうよ!」って言ってた。
私が困っていたら先生が慰めていたけど、その子は最後に「いつか絶対に、みーちゃんを見つけるから!見つけたら、僕と結婚して?」って、プロポーズのような告白のようなことを言われた。
私は、恥ずかしさのあまり走って逃げたような……
きっと、そうだ。
あの子だ……!それ以外に印象に残ってる子は居ない。
私は、推し様の居る部屋のドアをノックした。
「夜遅くにごめんなさい、まだ起きてる?」
「はい、大丈夫ですよ」
ドアを開けて、部屋に入れてくれた推し様。
「私なりに、最大限の記憶の中から漁りに漁った結果……」
「ドラムロールが聞こえてきそうですね」
「どう考えても、私の後について回ってきたあの子しか、思い出せなくて……」
「ほう。それで?」
「私ね、その子に絶対、私を見つけるって言われたの。見つけたら、結婚してって……でも、私……恥ずかしくて逃げちゃったんだ」
「そうだったんですね」
「だから、あの子は相くんだと思う!」
「……やっと、思い出してくれたんですね」
「やっぱり……!あれは、相くんだったんだね!」
「はい。どうしても、みーちゃんが忘れられなくて。親の都合で引っ越してからもずっと、みーちゃんを忘れた日はありませんでした」
「そ、相くん……!」
「まさか、みーちゃんが俺のファンだったとは」
「私も!相くんが、まさか人気声優さんになっていたなんて……信じられない!」
「後、俺は平気ですよ。あんなにたくさんの推しグッズに囲まれても」
「ひぇ……!?な、なんのこと!?」
「ふふ、とぼけたって無駄ですよ。本当は俺の使ってる部屋、推し部屋なんですよね?」
「だ、だから……それは、荷物置き場って」
「でも、必要以上に綺麗だったんですよ。部屋が」
「クッ……」
確かに、相くんの使っている部屋は“推し部屋”さ!グッズやアニメのポスターなど、綺麗且つ慎重に保存して鑑賞する為の部屋だからねッ!
「それに『ハンサム・リーマン』の抱き枕で寝てたし」
「そっ、それは……!」
「推しグッズと共に生活している人にとって、推しグッズと離れるのはスマホ依存症みたいなもんだって、誰かに聞いたことある」
「そ、そんなこと……!」
「じゃあ、なんで段ボールがいくつも置いてあるの?しかも、綺麗に」
「そ、それは……」
どうする!?どうするよ、私!ここは、素直に言うしかないのだろうか。
「それに、買ってきてたアニメグッズ。全種類も買ってたし、どれもアニメショップ限定のやつだったし。ガチじゃないわけないもん」
これは、もう……
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