23 / 46
紅葉シーズン
しおりを挟む文化祭も終わり、許婚様のことも更に知ることが出来て、私はとても幸せですわ。
だんだんと肌寒くなってきた、今日この頃。
下手すると真冬並みの寒さで、厚めの上着を着なくてはならない日もあるので、いつもが勝負の日なのです!
さほど寒くなさそう!と思い、少し軽めの上着を着て外に出たら思いの外、寒かった……っていうことや寒そうだな……と思い、厚めの上着を着て外に出たら、風が全く吹かない……っていうこともあるので、毎日が運試しです。
「桜、おはよう」
「怜さん!ごきげんよう」
「桜、今日はどうだ」
「えぇ!2回目の当たりですわ!」
「そうか」
「はい!とっても嬉しいです」
「だろうな。1ヶ月で当たった回数は、10回くらいだもんな」
「うぅ……お恥ずかしいですわ!」
「ははは。俺は見ていて楽しいから、構わないがな」
「酷いです~!」
「ははは。大丈夫だ、いざとなれば俺のを貸してやる」
「いえ、それでは怜さんが風邪を引いてしまいますわ!」
「俺は別にいいんだよ、風邪引いたって」
「そんな!私の自業自得なんですから、別に……」
「ダメだ。桜は俺の許嫁だから、俺が守らないと」
「怜さん……す、素敵ですわ!」
「そんなことはないが、ありがとう……」
「いえ……」
「そういう桜は、相変わらず可愛いな」
「へっ!」
「あっ、いや……今のは忘れてくれ」
「いえ、忘れませんわ!」
毎度の如く、耳に忍ばせている超小型補聴器で、しかと聴かせていただきましたわ!
ウフウフしていると、許婚様が「もういい、恥ずかしいだろ……」とポツリ。
なんて、可愛らしいお方なのでしょうか。例えて言うなれば、マスコット?ぬいぐるみ?辺りの可愛らしさですわ。
「そういえば、秋といえば紅葉シーズンですわね!」
「あぁ。そろそろ、紅葉などの葉っぱも色付いて綺麗な頃だろうな」
「あの、一緒に散歩しませんか?」
「あぁ、構わないぞ。どこに行こうか」
「そうですわねぇ……」
「それなら散歩がてら、お茶でもしようか」
「はい……!」
許婚様に、行きたいお茶屋を考えといてくれと言われました。
最早これは紅葉でも散歩でもなく、お茶をするのが目的になってしまっているのでは……?と思いましたが、私も行きたいので敢えて言いませんでした。
許婚様と紅葉を見に行き、お茶をするなんて……とても楽しみですわ!
私は、日にちも未だに決まっていないのに、今から服装やお茶屋さん選びにウキウキしておりました。
そして、紅葉デート当日。
「おはよう、桜」
「ごきげんよう、怜さん!」
「桜……」
「はいっ!」
もしかして、気合いを入れまくったことがバレてしまったのでしょうか……!?
紅葉を見に行くとはいえ、その後は散歩やらお茶屋で過ごすことを考えたら、どうしてもスカートとタイツは履きたかったのです!
「可愛い。似合ってる」
「り、怜さんこそ……格好いいですわ……!」
「そ、そうか……ありがとう」
「いえ……!」
お互いに照れながら、ふふふと笑って出掛けました。
秋の紅葉を堪能しつつ、食べ歩きのようにサクッと食べられるお店で食べつつ、私が行きたがっていたカフェへ。
和菓子から洋菓子まであるカフェなので、気分によって食べたいものを選べる楽しさが味わえるお店なのです。
「怜さんは、何を召し上がりますの?」
「そうだな……桜は?」
「私は、2つ食べたいものがありまして……」
「あぁ、いくつでもいいぞ」
「ふふふ、そんなに食べられませんわ」
「そっか……じゃあ、シェアすれば入るんじゃないのか?」
「流石にそれは、どうでしょう?」
「まぁ、俺はこれかな……」
「怜さんって、そういう系統が本当にお好きですわよね」
「まぁな」
注文をし、先に紅茶がやってきました。
「とっても、落ち着く香りですわ……!」
「確かに、とても良い香りだな……」
まったりと紅茶の香りと味を楽しんでいると、頼んでいたスイーツが来ましたわ!
「桜パフェと、お団子3種盛りです。そして、ほろ苦ガトーショコラです。どうぞ、ごゆっくり」
ホールの店員さんも、とても素敵で可愛らしい方でしたわ……♪
「いただきます」
「いただきます」
「う~ん!美味しいですわぁ」
「こっちも美味いぞ。甘過ぎず、ちょっとほろ苦くて甘いのが苦手な人でも、食べられそうだ」
「確か、ガトーショコラには甘うまガトーショコラもありましたわよね!」
「あぁ、それもきっと美味いだろうな」
「後で注文しましょう!」
「あぁ、半分こしよう」
「はい!」
桜パフェは、桜ゼリーに桜ホイップ、桜アイスなどが入ってトッピングには、マカロンが乗っている可愛らしいパフェ。
ほんのり桜の風味が口に広がって、ここだけ春が来たような気がしますわ。
お団子3種は、つぶあん、みたらし、ごま味のお団子が1本ずつ乗っていて、こちらもとても美味しかったですわ。
「まだ入るか?」
「えぇ!余裕ですわ」
「デザートは、別腹なのか?」
「えぇ!」
「ははは、面白いな。桜は」
「そ、そうですか!?」
「あぁ。何だかぬいぐるみというか、愛らしい生き物だな」
「そ、そうです……か?」
「俺にとっては、な」
なんなんでしょう!?許婚様、相変わらず頬を赤らめていらっしゃいますけれど、そんな台詞をよくぞ言えましたわね!
私は嬉し恥ずかしで……もう!
そんなことを思っていても、ちゃっかり甘うまガトーショコラを許婚様と半分こして食べました。
とても良い気分転換にもなりましたし、紅葉という自然と触れ合えて本当に良かったですわ。
また、こうして許婚様と出掛けたいですわ!
遅くなる前に、と許婚様は私を家まで送ってくださいました。
本当に私には勿体ない方です……
でも、許婚様は私を選んでくださった。
この事実に胸を張り、許嫁らしく精進していくのみですわ!
0
あなたにおすすめの小説
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
不憫な侯爵令嬢は、王子様に溺愛される。
猫宮乾
恋愛
再婚した父の元、継母に幽閉じみた生活を強いられていたマリーローズ(私)は、父が没した事を契機に、結婚して出ていくように迫られる。皆よりも遅く夜会デビューし、結婚相手を探していると、第一王子のフェンネル殿下が政略結婚の話を持ちかけてくる。他に行く場所もない上、自分の未来を切り開くべく、同意したマリーローズは、その後後宮入りし、正妃になるまでは婚約者として過ごす事に。その内に、フェンネルの優しさに触れ、溺愛され、幸せを見つけていく。※pixivにも掲載しております(あちらで完結済み)。
【完結】王太子と宰相の一人息子は、とある令嬢に恋をする
冬馬亮
恋愛
出会いは、ブライトン公爵邸で行われたガーデンパーティ。それまで婚約者候補の顔合わせのパーティに、一度も顔を出さなかったエレアーナが出席したのが始まりで。
彼女のあまりの美しさに、王太子レオンハルトと宰相の一人息子ケインバッハが声をかけるも、恋愛に興味がないエレアーナの対応はとてもあっさりしていて。
優しくて清廉潔白でちょっと意地悪なところもあるレオンハルトと、真面目で正義感に溢れるロマンチストのケインバッハは、彼女の心を射止めるべく、正々堂々と頑張っていくのだが・・・。
王太子妃の座を狙う政敵が、エレアーナを狙って罠を仕掛ける。
忍びよる魔の手から、エレアーナを無事、守ることは出来るのか?
彼女の心を射止めるのは、レオンハルトか、それともケインバッハか?
お話は、のんびりゆったりペースで進みます。
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
死んでるはずの私が溺愛され、いつの間にか救国して、聖女をざまぁしてました。
みゅー
恋愛
異世界へ転生していると気づいたアザレアは、このままだと自分が死んでしまう運命だと知った。
同時にチート能力に目覚めたアザレアは、自身の死を回避するために奮闘していた。するとなぜか自分に興味なさそうだった王太子殿下に溺愛され、聖女をざまぁし、チート能力で世界を救うことになり、国民に愛される存在となっていた。
そんなお話です。
以前書いたものを大幅改稿したものです。
フランツファンだった方、フランツフラグはへし折られています。申し訳ありません。
六十話程度あるので改稿しつつできれば一日二話ずつ投稿しようと思います。
また、他シリーズのサイデューム王国とは別次元のお話です。
丹家栞奈は『モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します』に出てくる人物と同一人物です。
写真の花はリアトリスです。
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない
百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。
幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる