許婚様は私がお好きらしい。

はるの美羽都

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久しぶりのデート

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 麗華さんの恋が無事に成就されて幸せの中、許婚様に
「久しぶりに、その……出掛けないか」
と、デートのお誘いを受けました!とても嬉しかったので「是非!」と、即答しましたわ。
生徒会の活動やら私の勉強会やらで、プライベートでゆっくりと過ごす時間があまりなかったので、とても久しぶりのデートですわ。
「もうすぐで3年生に進級するんだ。受験勉強で、デートする時間も減るからな。今のうちにしか、やりたいこともデートも出来ないだろうし」
と言われ、忘れかけていた現実問題を嫌でも思い出してしまい、私は現実逃避したい気持ちでいっぱいでした……
「じゅ、けん……」
「桜は、どこの大学を受けるんだ?」
「まぁ……私の学力でも行けそうな女子大を、受けようと思っています……」
「女子大?」
「えぇ!可愛らしくて綺麗な女子たちに囲まれて、幸せな大学生活を送りたいのです☆」
「なるほどな。てっきり……」
と言ったところで、許婚様は口を閉ざして頬を真っ赤に染めておりました。
「どうかされたのですか?てっきり、何でしょう?」
「い、よいのだッ!俺のことは気にするなッ!女子大なら安心だなッ!」
「?えぇ、そう……ですわね?」
一体何が安心なのか分かりませんが、許婚様に反対されなくて良かったですわ。

私は年明けくらいから両親と相談したり、学校の進路相談室にある大学のパンフレットを見ながら、どの大学がよいのか悩み考えていました。
許婚様は、有名で最難関校である上志波じょうしば大学を志望しております。
一緒の大学に通えたら一番よいのですが……私の学力では到底、及びませんわ……
それに、私の場合は許婚様のご指名で許嫁になったのと、それほど大学のレベルは求められていないみたいでした。
「自分の行きたい大学にしろよ」
と許婚様に言われて、私はとても安心して大学を選ぶことが出来ました。
「ほぅ、妃女乃ひめの女子大か」
「駄目、でしょうか……」
「いや?駄目ではないが、今まで聞いたことのない大学の名前だったからな」
「最近、出来た大学だそうで!」
「そうか。何かやりたいことでも見つかったのか?」
「はい!」
そう笑顔で言うと、許婚様は「そうか、なら頑張るしかないな」と微笑みながら言ってくださいました。
本当にお優しい方です、許婚様は。
そんな方が、私の未来の旦那様になるんですよね……
何だか、実感がありませんわ。
幼馴染みというか、友達というか、兄妹というか……すっかり私の一部と化した感じで、特別に何かを感じるということがありません。
しかし、結婚式を挙げたり一緒に暮らしたり……何か更に変化があれば、実感するのかも知れませんわね。





    久しぶりの許婚様とのデート。
本日は、映画鑑賞をするそうですわ!
「観たい映画があって、な……」と言っていたので、とても楽しみです!
ふんわりフレアのスカートを履いて、おめかしして……久しぶりのデートに気合いが入ってしまい、巻き髪がくるんくるん!してしまいました……
「では、いってきまーす!」
「気を付けてね」
「はい!怜さんがお迎えに来てくださっているはすなので、大丈夫ですわ!」
「そう。なら良いけど」
お母様に見送られながら、私は迎えに来てくれた許婚様と一緒に映画館へ向かいました。
「そういえば、今日は何の映画を観るのですか?」
「『僕はキミに「さよなら」を告げる』という映画なんだが……」
「あっ、知っていますわ!恋愛小説なんですよね?」
「あぁ。主人公は自分の不注意で事故に遭い、亡くなってしまうんだが神様にチャンスをもらって、一週間だけ生き返って恋人に伝えたかったことを伝えるんだ」
「それで、一旦は死後の世界に戻るんですけれど守護霊試験を受けて、ようやく晴れて守護霊になり彼女さんをお守りするというお話ですわよね!」
「あぁ。ハッピーエンドで終わったんだが、ネットで映画化するかもという噂がちらほらあってな……」
「その映画化が現実のものとなって、本当に良かったですわね!実は、私も気になっておりましたの」
「そうか、それは良かった」
「楽しみですわね!泣いた時用の為に、ハンカチもばっちり持ってきておりますわ!」
「そうか」
チケットとドリンクを購入して、いざ席へ。
「待ち遠しいですわね!」
「あぁ、楽しみだな」
上映時刻になり、照明が落とされた───





 ************





「ぐすっ、ぐす……」
    はぁああああ!亡くなった主人公が神様によって期限付きで生き返り、彼女に伝えたかったことを告げて死後の世界に帰るところが……もう、切なくて切なくて。
原作(小説)を読んでいるからこそ、より感情移入してしまい最後は涙、涙でした。
「感動したな」
「え゛ぇ゛!」
「大丈夫か、桜」
「だいじょぶじゃ……な、いです!」
「近くのカフェで休もう」
周りから見れば、許婚様に泣かされた彼女の図に見えるのでしょうか。
「桜……何を頼む……?」
「ぐすっ、あの……」
「あ、落ち着いてからにしようか」
「いえ。大丈夫に、なってきました……」 
「そ、そうか。なら選んでくれ」
「わぁ……!」
たくさん泣いたら、お腹が空いてきました。
「落ち着いて良かった」
「すみません、お見苦しいところをお見せしてしまって……」
「いやいや!涙もろいと、こらえるのは難しいからな」
「本当に素敵な映画でしたわ!」
「あぁ、そうだな。感動した」
許婚様と映画の感想を言い合いながら、楽しいランチを過ごしました。
後は、周辺を散策して別のカフェでスイーツタイム。
「今日は本当に、ありがとうございました」
「いや、これぐらい当然だ」
「本当に、とても楽しかったですわ!」
「俺もだ。これで、勉強頑張れる」
「はぅ!?」
「ん?」
「べん、きょう……」
「辛いだろうが、共に頑張ろう」
「は、い……」

本当に素敵な時間を共に過ごせて、幸せでした。
これからは、いやーーーな受験勉強に備えなければ。
気合いで何とかしなければ。
頑張れ、私!ですわ!!




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