許婚様は私がお好きらしい。

はるの美羽都

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許婚様と受験勉強

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 最近、放課後で生徒会活動以外は図書館で勉強することが増えた許婚様。
私はコッソリと許婚様の背中を眺めながら、参考書をパラパラッと見て勉強しております。
一緒に勉強すればよいのですが、それでは許婚様を堂々と見ることが出来ませんので……
“コッソリ眺める”というところが、ポイントですわ☆
世の片想いしている女性の気持ちは、このような感じなのでしょうか。
近付きたいのに、近付けない。
コッソリ眺めることの幸せと、もどかしさ。
密かに想いを寄せているからこその、この距離感。
はぁあああ……、健気けなげですわ……!
両想いメーカー、なるものはないのでしょうか。
自分の名前と相手の名前を入力して両想いか、そうでないのかを表示してくれたり、相手が一体、誰に想いを寄せているのかを教えてくれたり……
そういうものがあれば世の人々は皆、恋愛に苦労しないのではないでしょうか。
しかし、簡単に分かってしまってもこのドキドキや、もどかしさ、好きな人を見られる幸福は、得られないのかも知れませんわね。
本当に、恋愛って……いくつになっても難しいですわ。

……ハッ!恋愛について、あれこれ考えてしまいましたわ。
今は、勉強と許婚様に集中しなければならないというのに!
……はて。居るはずの許婚様が、いらっしゃらない。
もしや、帰られたのでしょうか!?
それとも、何か用事があったとか……?
仕方ありませんわ……勉強するしかなくなってしまったので、チラッと勉強してから帰ることにいたしましょう。
私が参考書を開いて、解けそうな問題を解こうとした時───
「おい、桜」
と、近くで声がしたので
「ひゃあああ!」
と叫んでしまいました。許婚様と、周りに居た生徒たちに驚かれたのは、言うまでもありません。
「あっ、えっ!?怜さん!?」
「しーっ!声が、でかい」
「も、申し訳ありませんわ……!」
「まぁ……俺も、いきなり話し掛けたからびっくりした、よな。すまない」
「確かに、驚きましたけれども……叫んでしまったことに変わりはありませんし」
「いや、俺が悪かったな」
「いえ、私もですわ。なので、おあいこにしましょう」
「優しいな、桜は」
「えっ?」
「いや、何でもない。ところで、どうして離れたところで勉強しているのだ?」
「えっ、と……」
許婚様の背中を眺めながら片想いしている女子の気持ちって、こんな感じなのかしら……と想像していたなんて、口が裂けても言えませんわ!お恥ずかしい!!
「たまたま、ここが空いていた……から?」
「何だそれは。俺の隣か、前にでも来れば良かったのに」
「つ、次からはそうしますわ」
はぁあああ!それでは、堂々と許婚様を眺めることが出来ないではありませんか!
そんな時は、チラ見するしかありませんわね……
「では隣、失礼する」
そう言って許婚様は、私の少し隣の席に着きました。
許婚様も最初の頃よりかは、だいぶ感情が豊かになってきましたわ。
そのせいか、ポーカーフェイスの頃よりか更に、許婚様が格好良く見えるようになりましたの!
たまに、許婚様をじーっと眺める時間というものをもうけられないか、真剣に考えたこともありました。
コッソリ眺めるだなんて、私にとっては至難の技……習得には時間がかかりそうですわね。
……ではなく!!
今は受験勉強の時間なのです、しっかりしなさいな私!
それでも―――
結局、私の少し隣でサラサラと問題を解く許婚様をじーっと見てしまったので、勉強になりませんでした。
気合いの入れ方が足りないのでしょうか。
家に帰って、勉強するしかありませんわ……




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