王道学園と、平凡と見せかけた非凡

壱稀

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31話

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やってきました!
長かった!本当に長かった!!
対決当日です。



俺は今、対決開始前に集まるように言われていた講堂に来ていた。

そして、そこには暗闇の中全校生徒が居た。


おいおいおい。
めちゃくちゃ居るやんけ!!てか、たかが鬼ごっこ対決なのに、大規模すぎねぇ?
…え、何で暗闇なのに人数とか分かるんだって?

ふっ。
ほら、そこは俺がエスパーだk………………………嘘ですすいません。
普通に、暗闇でもなんかうごめいてるのがうっすらと見えるから、言ってみただけです←


しばし、うごうごとしている(笑)生徒達を見ていると、パッとステージにスポットライトがあたった。


そこには、


「これより、"鬼ごっこ"を始めるで―」


緩い口調の松江がマイクを持って現れた瞬間、わぁぁぁぁ!!!!!と、悲鳴と歓声が湧き上がった。


「ええ反応やなぁ!楽しんで行こか~!!」

『きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』


うわ、うぜっ。
キラッキラと笑顔を振りまく松江。なんかもう、めっちゃおもろいわぁ♪ってな面をしている、アイツの顔面を殴り飛ばしたい衝動にかられた。


そんな松江に、きゃあきゃあ言ってる奴らの神経を疑う。
我慢だ俺!

思わず若干遠い目をしていると、

「ほな、今日の主役達を紹介すんで!!」

松江がオーバーアクションで、バッと両手をステージ脇に向かって広げると…


「ぎぃやぁぁぁぁ!!!!」

「生徒会の皆様よぉぉぉ!!!」

「風紀の皆様も居る―っ!あぁ!!!素敵ぃぃぃぃぃ!!!!!!」

先程の何倍もの歓声と悲鳴が湧き上がり、ステージ両サイドから風紀と小猿くんと生徒会の面々が颯爽と現れた。


スポットライトと、全校生徒達からの熱視線を受けている彼らは輝いていた――……


それに比べ。


俺は―…何処にでも居るような、ただの平凡。
この時ばかりは、ステージ上の奴らが眩しかった。




眩しい………




眩s「おらぁぁぁぁへっぽこ哀留!!!てめぇぇ大人しくさっさと出てきやがれ!!!!!」





…………………





びっくりした。
蓮さんが、マイク片手に鬼の形相で叫んでいる。
耳キーンてした。キーンて。
周りの生徒達もビクビクしてるよ。

他人事のように、冷静(?)に周りの状況を観察していると、

「哀ちゃぁん~怒らないから早くこっちおいでよぉ。遅刻なんて恥ずかしくないからぁ~」

「先輩―!!多分ここには来てるっすよね?早くステージに来て欲しいっす!!!」

円とひぃりんにも叫ばれた。
ちょ、おまえ等まで叫ぶな!周りがざわざわし出しただろ!

「え、哀留ってあの風紀委員長…の?」

「そういや、ステージにいないな」

「存在薄いし、興味ないから気づかなかった」

ざわざわの中から聞き取れた台詞。



存在感薄くて悪かったな!自覚しとるわ!!


ここで分かった方は居るだろう…


俺、ステージに居ません(笑)
講堂の出入り口近くで、ボケッと突っ立ってます。


なぜ、今日の主役である俺がこんな端っこに居るのかって?


まぁ―……
あれですよ。
俗に言うあれですよ。





ち こ く し た☆(笑)





いや―食後に昼寝してて、さっき起きてさ(笑)
そしたら1時過ぎてやんの!
メールとか電話来てたけど、俺の睡眠は深かったらしい。

慌てて来たから、寝癖とかついてるよ?
それすらを直さず急いできたんだから、俺偉くね?


誰か褒めて良いよ?←



そして、主役が居ない中始まった今回の対決の進行。
流石に蓮がキレて(さっきの鬼の形相)、円とひぃりんにまで呼び出しをくらった。


ううむ。
ステージに上がらねばいかんかね?
俺はこのままで鬼ごっこを始めたいんだがね?←


この生徒でごった返した中、あのキラキラ輝くステージへと行くと言う行為は、確実に自殺行為だと思う。


なので、できればこのままひっそりt「迷子のお知らせをします。黒髪で平々凡々の桐生哀留くん。お母さん(水沢)とお父さん(愛染先輩)と、弟達(岸沼と柊)がステージにて待っています。見つけた方は、至急風紀委員まで差し出してください」

「こら、哀留。良い子だからさっさと出てきなさい(棒読み)」

「お母さんもこう言ってんだ、さっさと出てこいクソチビ(棒読み)」

「「お兄ちゃん―☆(ユニゾン)」」



………………………



カナたんよ、ど真面目な顔して何を言ってるんだね?迷子のお知らせって、もしかしなくても俺かね!?

そして他の4人共―…、何便乗して言っちゃってんの!?
円とひぃりんが弟とかって萌えるけど、蓮とせっちゃんが両親って―…………だめだめだめだめだめだめ!!!!!!!!!!

子供は絶対グレる!
いやいやいや、それ以前に2人は男っ!!
両親とかおかしい!
…いや、激しく待て。落ち着け、俺っ!!深呼吸しろ!!ひっひ―ふ―

そもそもそんなんはおふざけで言ってるだけで、真面目に受けとっちゃ駄目!

哀留、めっ!!


冗談でも、俺の脳ではキャパ越えした冗談だったため、盛大に混乱した。
今も混乱してるわ!てか、さっきの台詞達は脳内削除だ…!!!


…結論。
笑えない冗談は、言っちゃ駄目だと思います!


ほら―…周りもめっちゃざわざわしてるやんけ!
架空家族ごっこなんて晒したから、皆も混乱して―………

「蓮様がお母様…!」

「うぉぉぉ兄貴が親父とか―…マジ憧れるぜ!!」

「大輝君が弟とか、めちゃ可愛がるぅ~!!!」

「円様が弟!?あぁっどうしよう―!!」


………



楽しそうですね。

思わず―…いや、死んだ目のような視線で見てしまったのはしょうがない。


……


む。
1人の生徒と目が合った。何だね?俺の視線がそんなに気になるのか?じっと見ていたら、そしたらなんか芋づるしきに他からも視線が飛んできた。


……え?
ちょっ―…

じりじりと近づいてくる彼らと、反射的にじりじりと後退していく俺。


あっれ―?
おっかしいな~なんか身の危険を感じるぞ?


ははっと、乾いた笑いをひとつこぼしたのが合図となり―…俺は走り出した!
すると、

「うわぁぁぁあ何で追いかけてくんだよぉぉぉぉ!!!!!??」

なんて事でしょう。
ドドドドっと、俺に気づいた生徒達が追いかけてきやがった。

マジ何なの?!!!

訳が分からないまま逃げているが、だからと言って止まれない。
止まった(捕まった)ら、なんか確実にあかん!!
だってさ、目ぇギラギラさせながら追って来てんだよ?!チワワみたいに可愛い顔しながら、捕食者みたいな目してんだぜ?!!


ね?←


しかも、盛大に走り回っているから、他の奴らにも―…当然ステージ上の奴らにも、俺の存在がバレた。

そして、俺はここで気づいた。


ステージ上に居る風紀の奴らが、



笑 っ て い る!!



あ、勿論ひぃりんと円は笑ってないよ?心配そうにしてるよ?
カワユス!!!!!


それに気づいたら、行動は早い!

縦横無尽に逃げ回っていたのを止めて、俺はステージへと走り出した。


そして、

「こんのドS共がぁぁぁぁぁあぁ!!!!!!!!」

ひらりとステージへ上がり、一旦着地した後にすぐさま叫びながら飛び蹴りをかます―……という、必殺技を繰り出した。


松江に←←


「ごっふぅ!!!!」

よしっ!決まった!
綺麗に決まった技に満足しつつも、大分体力を失ったのでぜーぜーと肩で息をする。

松江を蹴り飛ばした瞬間、講堂内に響き渡る悲鳴と、小猿くんの「こ、紅!!??」という喚きが聞こえたが、それ所じゃない!


「ぜーぜーお前ら―……俺にぜーはー恨みでもあんのか?!」

息切れしながら、ギロリとにやにやしている蓮達を睨む。


「はっ。そもそも遅刻したお前が悪いんだろうが。被害妄想すんな、ど阿呆が!」

蔑んだ視線を蓮からプレゼントされた。
…そんなプレゼントいらん!!
更に文句を言ってやろうとしたら、

「キレてぇのはこっちだぞチビ!てめぇのせいで、あんな気色悪いセリフ吐くはめになったんだからな…!床に這いつくばって土下座しろや」

せっちゃんに、ヤ―さんの如くメンチ切られた。
やめて、さっきの記憶は抹消したんだから、思い出させないで…!!!!


再び、死んだ魚のような目になりかけていたら、カナたんに盛大にため息を吐かれた。

「…そうですよ。そもそも、貴方が素直に来ないから悪いんです」


カナたんの話によると、何やらさっきの家族ごっこは風紀委員の親衛隊を煽り、俺に対して嫉妬させ発見させて、迫ってくる親衛隊に俺が恐怖するように―……と、何やら俺を懲らしめるための芝居だったらしい。


結論を言わせてもらえば、それは成功だよ。
激しく反省したよ。
遅刻あかん!

だが、きちんと言っておこう!
親衛隊から迫られたのが怖かったからではなく、お前らの家族ごっこが怖かったんだからな!だから、

「すいませんでした」

ここは大人しく謝っときます。
え、さっきまでのキレっぷりはって?
穴掘って埋めました。


…あぁそうだ、ついでにこれだけは言っても悪くはないと思う。

「てかさ、これから鬼ごっこで走り回るのに、事前に走り回せるって―…ドSだよな!」

キラッと笑顔で、なけなしの嫌みを込めてカナたんに言ったら、

「それが何か?」

しれっと言い返された。


…なんだね?

前回「弱い」って言ったのを、まだ根に持っているのか?

めんどくsごほんげふん。


うん、これ以上ややこしくしない方が良いな。
何言っても負ける気がする!
しかも、これから否応がなしに疲れるんだから、更に自分を疲労させる必要ないしな。さて!
気持ちを改めて、対決に挑もうじゃないか!


やる気を出して、

「よし!待たせたな!さっさと始めようぜ!!」

進行役の松江の方を見た。
ら、


「どうしよう、雅―……紅が目を覚まさない…!!」

「…死にましたか?」


小猿くんと副会長が、倒れている松江の側で話していた。


え、松江死んだの?!←


「一体誰g「お前だろが」………」

真剣な顔をしていたら後ろから声がしたので、くるんと振り向いて蓮を見る。

聞き捨てならない言葉が聞こえたので、自分と倒れている松江を交互に指さしてみたら、

「お前が」

「飛び蹴りしたな」

「容赦なかったですよね」

「綺麗に決まったよねぇ~」

「格好良かったっす!」次々に淀みなく告げられる台詞に、俺は手をぽむっと打った。


忘 れ て た


本当はあの時、笑ってた風紀の誰かを狙って技かけようかと思ったんだけど、後が怖いから―…
取りあえず、松江に蹴りかましたんだった。


いや―はっはっは。
ごめんごめん(軽)
とりあえず、まぁ―…


合掌。


生死がわからない松江に、こっそりと手を合わせていたら、

「あ、哀ちゃん髪の毛寝癖だらけだよぉ?あっは、今まで気づかなかったぁ~」

……はっはっは。
円よ。それは、俺の髪型が毎回寝癖と見紛うばかりだったって事かい?

はっはっは―………
個性的で羨ましいか?!(`・ω・´)ドヤ←やけくそ





その後、俺の遅刻と松江回復を待ったため、対決開始が1時間遅れたのは言うまでもない。むふふ。
そのおかげで、俺の体力と精神も大分回復出来たぜ!ふはははははは!!


計算通り!!!!
(*嘘です



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