47 / 66
47話
しおりを挟む
「……本当、つまんなかったなー…唯は」
ポツリと。
笑みを浮かべた皆川先輩からこぼれたつぶやきに、やっと小猿くんの口が止まった。
「………え?
東…?」
ぽかんと、間抜けヅラで止まる小猿くん。
それで大音量がなくなり、俺を含めたこの場にいる全員も、その先輩の言葉を耳にしていた。
シンッと静まる講堂内。
そんな中、小猿くんに腕を掴まれ小首をかしげながら、皆川先輩は口を開いた。
その声を小猿くんが持つマイクが拾い、他の生徒達にも聞こえる。
「最初は楽しませて貰ったよ?学園内をかき混ぜて、面白いと思ってたのに。
だから、ほら。俺も可愛がってあげただろ?
でも。
今はもう、ただ媚び売って喚くだけ?他と変わらないだろ。
哀留がズルしてる?
あぁほら、言っただろ?途中、松江がルール変更だって。
『あ、でもそうやとさすがに可哀想すぎやから、捕獲場所に集めんでも時間終了時点でのチームカラーの色数で勝敗決めるからなー、ほな!』
て。
これで気付かないか?
このルールには抜け道があるって。
『時間終了時点でのチームカラーの色数で勝敗決める』。
これが抜け道。
自分達の陣地に入れなくても、色さえ自分達のチームカラーにしてしまえば良いんだ。
だから、哀留はそこに気付いて…
自軍のカラーである『黒』に染めるために『墨』を使った」
……………………
そう。
そうなんですよ、皆さん。
皆川先輩が、めちゃ淡々と喋ってるけどさ。
そうなんですよーーー!!!!皆さぁぁぁあーーーーーん!!!!!!←(得意げ)
あのルール変更に、俺はピーンと来たのさ。
本来だったら、『チームカラーの布を付けた逃走者を、自分達の陣地に入れて』ってルールで。
その数を競ってただろ?
でも、この変更だと色さえ自分のカラーと同じにしちゃえば、わざわざ布を巻く必要は無いし、陣地に連れて行かなくてもいい。
だから、俺は終了ギリギリを狙って、『黒』を逃走者に塗りたくったってわけ!!
小猿くん達の所に居た逃走者達にも墨をぶちまけたから、ソイツらも俺達の数に入ったし。
墨だったのはー………
まぁ、あれって落ちにくいじゃん?
ちょっと独特の匂いするじゃん?
…………嫌がらせでっす⭐!
……で、どうよ?
俺の頭脳で勝利した感想は?
ふふんっと、ドヤーと、得意げに蓮やカナたん達を見る。
ほらほら、俺に土下座しても良いんだよ??
するとー…………
「……よくそんな、卑怯な所に気づいたな…」
「頭の使い所が違いません?」
「皆川と同類かよ…」
「!!!!」
「小悪魔な哀ちゃんかわいぃー」
上から、蓮・カナたん・せっちゃん・ひぃりん・円です。
はい!誰も褒めてくれませんでしたっっ!!!!!!!!!
そうだよねっ!!
お前らはそういう奴等だったよねっ!!!!
それと、円!!!小悪魔ちゃうわ!!!(やけくそ)
まぁ、結果はそれで俺らが勝利したわけだし。
皆川先輩は、そこに気付くように(面白くするように)そういうルール変更にしたわけだし。
先輩にとって、俺は及第点だったんだろう。
対して、それに気づかず喚き散らすだけの小猿くん。
…………
この先輩の言葉に、講堂内の生徒達はざわざわ。
おぉ?!俺に対して「アイツ、やるじゃねーか」とか聞こえるぜ??!
ぜひとももっと褒めてください!!
少し、俺に対しての見方も変わったかなー…と。
皆川先輩に怒鳴り散らす小猿くんを見る。
「卑怯」だとか。
「俺は間違ってない」とか。
「東は最低だ」とか。
癇癪を起こし始めた小猿くんを、生徒会の奴らも押さえ始めた。
てかさー………
「皆川先輩が、卑怯とか最低とかー……
今更気付いたわけ?」
超うけるー(笑´∀`)ケラケラ
「「「………………」」」
あ、ごめん。
またしーんて、なっちゃったよ。
「は、はぁぁぁ??!!!なんだよ哀留のくせに!!!!!!お前に東のなにがわかるんだよ????!!!!!!」
俺の言葉に、怒りの矛先をこっちに向ける小猿くん。
ま、そうなるわな。
えー、本当のことを言ったまでなのに。
だってさ、先輩が小猿くんに近づいた事とか。
風紀委員長にー…とか誘導したのだって、先輩本人が楽しむためだよ?
最初は俺も、「え、先輩小猿くんに惚れたの??!」て、とち狂った事思ったけどさー……
皆川先輩だぜ?←
人の不幸は超楽しい!
(キャホーイ)
って人だよ?
その人が、「惚れる」とかありえなくね?
それにさー……
今思えば、この勝負も………………
「…っ哀留!!!!!」
「え、」
ガツンっ!!!!!!!
誰かに、切羽詰まったように名前を呼ばれて、顔を上げたらー…
左頬に鋭い痛みが起きて。
次の瞬間、一瞬の浮遊感と全身に激痛が走った。
誰かの悲鳴も聞こえて、俺の視界には講堂のライトが見えてー……
(あぁ、殴られて落ちたんだなー……)
と、いつになく冷静に思う自分が居て。
(なんて、ベタな………)
と、突っ込みを入れる自分もいて。
俺の意識はそこでブラックアウトした。
next
ポツリと。
笑みを浮かべた皆川先輩からこぼれたつぶやきに、やっと小猿くんの口が止まった。
「………え?
東…?」
ぽかんと、間抜けヅラで止まる小猿くん。
それで大音量がなくなり、俺を含めたこの場にいる全員も、その先輩の言葉を耳にしていた。
シンッと静まる講堂内。
そんな中、小猿くんに腕を掴まれ小首をかしげながら、皆川先輩は口を開いた。
その声を小猿くんが持つマイクが拾い、他の生徒達にも聞こえる。
「最初は楽しませて貰ったよ?学園内をかき混ぜて、面白いと思ってたのに。
だから、ほら。俺も可愛がってあげただろ?
でも。
今はもう、ただ媚び売って喚くだけ?他と変わらないだろ。
哀留がズルしてる?
あぁほら、言っただろ?途中、松江がルール変更だって。
『あ、でもそうやとさすがに可哀想すぎやから、捕獲場所に集めんでも時間終了時点でのチームカラーの色数で勝敗決めるからなー、ほな!』
て。
これで気付かないか?
このルールには抜け道があるって。
『時間終了時点でのチームカラーの色数で勝敗決める』。
これが抜け道。
自分達の陣地に入れなくても、色さえ自分達のチームカラーにしてしまえば良いんだ。
だから、哀留はそこに気付いて…
自軍のカラーである『黒』に染めるために『墨』を使った」
……………………
そう。
そうなんですよ、皆さん。
皆川先輩が、めちゃ淡々と喋ってるけどさ。
そうなんですよーーー!!!!皆さぁぁぁあーーーーーん!!!!!!←(得意げ)
あのルール変更に、俺はピーンと来たのさ。
本来だったら、『チームカラーの布を付けた逃走者を、自分達の陣地に入れて』ってルールで。
その数を競ってただろ?
でも、この変更だと色さえ自分のカラーと同じにしちゃえば、わざわざ布を巻く必要は無いし、陣地に連れて行かなくてもいい。
だから、俺は終了ギリギリを狙って、『黒』を逃走者に塗りたくったってわけ!!
小猿くん達の所に居た逃走者達にも墨をぶちまけたから、ソイツらも俺達の数に入ったし。
墨だったのはー………
まぁ、あれって落ちにくいじゃん?
ちょっと独特の匂いするじゃん?
…………嫌がらせでっす⭐!
……で、どうよ?
俺の頭脳で勝利した感想は?
ふふんっと、ドヤーと、得意げに蓮やカナたん達を見る。
ほらほら、俺に土下座しても良いんだよ??
するとー…………
「……よくそんな、卑怯な所に気づいたな…」
「頭の使い所が違いません?」
「皆川と同類かよ…」
「!!!!」
「小悪魔な哀ちゃんかわいぃー」
上から、蓮・カナたん・せっちゃん・ひぃりん・円です。
はい!誰も褒めてくれませんでしたっっ!!!!!!!!!
そうだよねっ!!
お前らはそういう奴等だったよねっ!!!!
それと、円!!!小悪魔ちゃうわ!!!(やけくそ)
まぁ、結果はそれで俺らが勝利したわけだし。
皆川先輩は、そこに気付くように(面白くするように)そういうルール変更にしたわけだし。
先輩にとって、俺は及第点だったんだろう。
対して、それに気づかず喚き散らすだけの小猿くん。
…………
この先輩の言葉に、講堂内の生徒達はざわざわ。
おぉ?!俺に対して「アイツ、やるじゃねーか」とか聞こえるぜ??!
ぜひとももっと褒めてください!!
少し、俺に対しての見方も変わったかなー…と。
皆川先輩に怒鳴り散らす小猿くんを見る。
「卑怯」だとか。
「俺は間違ってない」とか。
「東は最低だ」とか。
癇癪を起こし始めた小猿くんを、生徒会の奴らも押さえ始めた。
てかさー………
「皆川先輩が、卑怯とか最低とかー……
今更気付いたわけ?」
超うけるー(笑´∀`)ケラケラ
「「「………………」」」
あ、ごめん。
またしーんて、なっちゃったよ。
「は、はぁぁぁ??!!!なんだよ哀留のくせに!!!!!!お前に東のなにがわかるんだよ????!!!!!!」
俺の言葉に、怒りの矛先をこっちに向ける小猿くん。
ま、そうなるわな。
えー、本当のことを言ったまでなのに。
だってさ、先輩が小猿くんに近づいた事とか。
風紀委員長にー…とか誘導したのだって、先輩本人が楽しむためだよ?
最初は俺も、「え、先輩小猿くんに惚れたの??!」て、とち狂った事思ったけどさー……
皆川先輩だぜ?←
人の不幸は超楽しい!
(キャホーイ)
って人だよ?
その人が、「惚れる」とかありえなくね?
それにさー……
今思えば、この勝負も………………
「…っ哀留!!!!!」
「え、」
ガツンっ!!!!!!!
誰かに、切羽詰まったように名前を呼ばれて、顔を上げたらー…
左頬に鋭い痛みが起きて。
次の瞬間、一瞬の浮遊感と全身に激痛が走った。
誰かの悲鳴も聞こえて、俺の視界には講堂のライトが見えてー……
(あぁ、殴られて落ちたんだなー……)
と、いつになく冷静に思う自分が居て。
(なんて、ベタな………)
と、突っ込みを入れる自分もいて。
俺の意識はそこでブラックアウトした。
next
38
あなたにおすすめの小説
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
天啓によると殿下の婚約者ではなくなります
ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。
フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。
●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。
性表現は一切出てきません。
とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。
かつらぽーん
うりぼう
BL
かつらがぽーんと吹き飛ぶ。
王道学園物と見せかけた普通の学園もの。
一人の生徒を生徒会の連中その他が気に入り、親衛隊連中が色々と嫌がらせをしている。
そんな騒動の最中の話。
※王道とみせかけた普通学園
※親衛隊あり
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
風紀委員長様は王道転校生がお嫌い
八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。
11/21 登場人物まとめを追加しました。
【第7回BL小説大賞エントリー中】
山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。
この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。
東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。
風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。
しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。
ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。
おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!?
そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。
何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから!
※11/12に10話加筆しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる