【完結】零れる水の策略

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第1章

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 膝の上に座るよううながされ、向き合った体勢でシャツのボタンを一つずつ外される。少しずつ肌が露わになるのが恥ずかしいけれど、彼はめくるめく快楽をくれると知っているから、期待のほうが大きい。露わになった上半身を鷹野が慈しむように見つめて、さらりと手で撫でられる。それだけで乳首が充血して硬くなり、撫でる手のひらにひっかかって淡い疼きを伝えてきた。

「この前も思ったけれど、とてもきれいだね」

 そうささやかれ、両手の指で胸の粒を摘ままれる。桜色のそこは、捏ねられるように愛撫されると赤みを増して誘うような色になった。

「おいしそうだ」

 楽しそうにそう言って、顔を寄せ熱い舌で舐める。気持ちよくて、でも少しもどかしい。夜は始まったばかりでまだ夢中になりきれていないから、頭の中でこの先を想像して期待してしまう。するとそんな柴原の心がわかったかのように、鷹野は小さな乳首に軽く歯を立てた。

「あっ……」

 甘い刺激に自然と腰が反る。鷹野の前に差し出すようになった胸を、鷹野が歯で挟んだまま舌先で先端を刺激した。そうしながら反対側を摘まんで捏ねる。

「ん……っ、ん、」

 敏感な場所に与えられる刺激に、自然と腰が揺れてしまう。すると鷹野の手が後ろに回り、ボトムスの上から尻を揉んできた。

「……は、……あっ」

 尻の肉が動くたびに、下着の中で期待してひくつく後孔の皮膚がひきつれる。自分のそこが細かく収縮して欲しがっているのを自覚すると、たまらなくなった。

「鷹野さん……もっと、」

 思わず強請ってしまうと、鷹野はそれを乳首への刺激だと受け取ったのか、咥えたままの乳首を強く吸い上げ、もう片方を指で弾く。突然与えられた痛みにくぐもった声を上げ、鷹野の頭を抱えた。

「んぅ……っ」

 痛いのに、次の瞬間には歯での戒めが解かれて優しく舌で愛撫され、もう片方も指先で撫でられる。痛みが去った後の快感に涙をにじませながら胸を喘がせると、尻を揉んでいた手がシャツの裾から入り込み背中を撫でた。

「あ、それ……っ」

 前回知られた性感帯を撫でられて、乳首がより一層固くしこる。ボトムスの中で性器がはち切れそうになっていて痛みすら感じた。全身をかわいがってほしくてたまらなくて、柴原は鷹野の頭を撫でながら涙声で懇願した。

「もっと、全部して、お願い……!」



 頼んだものの、散々焦らされた。ボトムスと下着を取り払われ、下肢に触れてもらえたのはそれからだいぶ後だ。先走りでべとべとになった下着を脱がされたときは半泣きになっていて、いじられ過ぎた乳首は赤く腫れ、触られるだけで疼痛を覚えるようになっていた。それでも鷹野は許してくれず、ソファの上で後孔をほぐされながらまだくちびると舌で乳首を責められた。

「やっ、もう、もう嫌だ……っ」

 胸への愛撫がつらくてそう逃れようとすると、後孔に埋め込んだ指も止めてしまう。そっちは止めてほしくなくて腰を蠢かすと、「でも、嫌なんでしょう」と意地悪く言われた。

「乳首が、もう、痛いから……」
「けど柴原くん、ここをいじられるの好きでしょう」

 そう言いながら、腫れて尖った乳首に息を吹きかけられる。それだけで達しそうになって、後ろに埋まったままの鷹野の指を強く締め付けた。締め付けたせいで体の内側を拓かれていることを自覚して、また勝手に高まってしまう。

「好き、だけど、今はつらい……っ」
「うん、今フッってしただけなのに、射精しそうだね。乳首だけでいけるなんて、とてもすてきだ。感じやすい体は好きだよ」

 鷹野はとても楽しそうに、内側に入ったままだった指を動かす。今は二本埋められていて、時折指が前立腺をかすめると、張りつめた柴原の性器の先端からはとろりと白濁が混じった蜜がこぼれた。

「ぁあ……っ」

 今も、意地悪をするように前立腺を内側から押されて、腰が跳ねる。

「ああ、また出てきた」

 鷹野が楽しそうに呟いて、やめておけばいいのにその声に促されるままに視線を下肢へ向けると、性器からまた精液がとろとろと零れ落ちるところだった。

 イッているのかそうじゃないのか分からないギリギリに高められた快感がずっと続いていて、そこから降りることを鷹野は許してくれない。拷問のようにも感じるその交わりは、けれどとても甘やかだった。

「柴原くんは、ここを内側から押されるのも好きだけど」

 ようやく胸元から顔を上げた鷹野は、柴原の太腿に手をかけると片足を大きく外側に開かせる。隠す術もなく恥ずかしい場所をさらけ出す姿勢に羞恥を覚えて、目を閉じ顔を横向けた。

「入り口のところを激しくされるのも好きだよね」
「……え?」

 思わず問い返すと、回転させながら指を引き抜き、また突き入れる。指の関節が強引に入り口を押し広げる感覚に声が漏れ、入り口の筋肉と内側がきゅうっと締まった。そうすることで、入ってきた鷹野の指が前立腺を押し上げるかたちとなり、それにまた感じて高い声を上げてしまう。再び精液が少し溢れて幹を伝い、柴原は「は、は、」と短く喘いだ。

「君は本当に感じやすいんだね。こんなに零す子も珍しい」

 そう言われて、強い羞恥に襲われる。思わず手を伸ばしてだらだらと精液を漏らす自身を隠そうと手で覆った。けれどそうすることを咎めるように、また鷹野の指が引き抜かれて押し込まれ、内側で大きく円を描くように動く。その感覚に高い声が上がる。

 気持ちいい、気持ちいい、でももうイキたい。吐き出したい。

 とろとろと零すのではなく一気に吐き出したくて、柴原は自分のものを扱こうとした。けれどその瞬間、鷹野の手が伸びてきて腕をとらえられてしまう。

「ダメだよ、君をイカせるのは僕の役目」

 そう囁かれて涙声で抗議した。

「だったら、もうイカせて……! イキたい、お願い」

 恥も外聞もなく強請ると、体内に埋め込まれていた指が抜き去られた。かわりに、鷹野の雄がぴたりとローションで濡れた後孔に押し当てられる。

「じゃあ、一緒に」

 その質量と熱に、期待を込めて頷くと、鷹野の首に手を回した。キスを与えられながら、鷹野が柴原の体を押し開いて入ってくる。太いものに貫かれるのは苦しくて、けれどそれを上回る快感が走り抜けた。鷹野のものが入り口を擦り、先端がさんざん苛められてふっくらと腫れた前立腺に触れた瞬間、目もくらむほどの快感の波にさらわれた。柴原は声も出せずに絶頂し精液を噴き上げ、内壁がぎゅうっと締まり不規則に痙攣して鷹野を締め付ける。搾り取ろうとするかのような動きに、鷹野は眉を寄せて耐えた。

「入れただけでこんなに気持ちいいなんて」

 内側の締め付けが弱まると、鷹野はそう囁いて、柴原の両足を肩に担ぐようにして腰を押し付けた。互いの肌がぴたりと触れ合う。奥まで入ってくるそれに、達したばかりの柴原はもうこれ以上感じたくなくて反射的に逃れようとした。けれど逃がさないというように、鷹野は柴原の手を取ると指を絡めてソファに縫い付ける。

「まだ、これからだよ」
「あぁ……っ」

 柴原の中が落ち着くのを待つのももどかしく、鷹野は腰を回して先端で柴原の奥をかき混ぜた。

「んぁああっ」

 奥は気持ちいいけれど、我をなくして感じ入ってしまうから苦手だ。そもそも、おかしくなるくらい奥まで届く人もあまりいなかったけれど、鷹野のそれは柴原が狂う場所までしっかり届いた。

「ああぁ」

 性的な気持ちよさを多幸感が覆いつくす。声が、勝手に漏れて止まらない。達したばかりなのに、ペニスからまたとろとろと何かが漏れている感じがした。

「かわいいね。もっと感じて」

 快楽の極みにいる柴原にキスをして、鷹野は本格的にピストンを始め、柴原は鷹野に突かれるままに甘い声を上げ続けた。

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