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第2章 目立ちすぎる王都潜入
【第26話】 ハーバー家乗っ取り作戦
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「このハーバー家を乗っ取るでござる」
「え?な、何を言っているのですか…?」
「へぇ?そう来たか」
「まぁ、仕方ないですね」
「ちょ、ちょっと待ってください…!
ほ、本気ですか?
アルマン・ハーバーはこの国の宰相なのですよ?」
「だからでござる。
貴族の後ろ盾があれば、拙者たちも活動しやすいでござる。
決行は今夜パーティーが終わった後、全員が寝静まってからでござる」
オルガの話を聞かず、サカナはキングとフォマに説明をする。
パーティーは日が変わる前には終わるが、片付けが終わるころには深夜になるだろう。
主催者は舞踏会の後もしばらくは談笑をして酒を飲み、従者たちは従者たちで招待客の対応に一日中追われて心身共に疲れて寝静まる。
そのため、忍び込むには絶好の日である。
オルガは自分たちしか知り得ない情報や間取りの説明に、ようやく彼らがただの強盗ではないと理解する。
「オルガにも協力してもらうでござるよ。
まずはメイドを全員解放するから、彼女たちに紛れて村に逃げるなり、散るなり、全員でなくてもいいから導くでござる。
我々はその後、宰相を懐柔して取り込むでござる」
「懐柔ってどうやんだ?」
「コレを使うでござる」
「…なんだそりゃ」
サカナが取り出したアイテムに、キングは初めて見るという顔をする。
そのアイテムは雫型の透明なガラス容器にピンク色のとろみのある液体が入ったもので、装飾や大きさといい香水のようだった。
容器の取っ手には細かいカットが入っており、その部分を掴んで振る。
フォマはそのアイテムに見覚えがあるようだった。
「媚薬みたいですね、好感度ポーションですか?」
「ビンゴでござる、これはバレンタインイベントのときに条件報酬で得られるものでござる」
「そんなのあったか?」
「戦闘報酬ではなく、限定キャラのNPCからお使いクエストを受けることで得られるものでござる。
そして、これを渡したNPCは好感度が無条件に五段階まで上がるでござる」
「十段階中か?」
「いいや、五段階中でござる」
「へぇ?」
NPCと呼ばれるキャラクターたちには、好感度というパラメータが存在する。
そしてプレイヤーが何度も話かけたりアイテムを渡したり、ときにはお使いと呼ばれる簡単なミッションを達成したりすることで、彼らの好感度は上がっていく。
好感度を上げることで得られるアイテムやイベントはキャラクターによって異なるが、いずれも段々と親し気になっていく。
二段階では知人、三段階で友人、四段階は親友、五段階まで上がれば恋人として扱われるため、一部のプレイヤーは躍起になって好感度を上げている。
とはいえ、ストーリーの本筋やキャラの育成には関係のないゲーム要素でもある。
「拙者はイベントが始まる前に全てのNPCの好感度を五段階まで上げていたでござるが、念のために持っていて正解でござったな」
「…お前がアイテムコレクターで良かったよ」
「そうでござろう!
実際このアイテムは互換性が低い上に、課金では得られないという希少性があって…」
「気持ち悪いですねぇ」
「何ででござるか!?」
「ともかく、それをドラ息子に飲ませりゃいいんだな?」
「そうでござる。
あと一本は宰相に使うでござる。
ついでに彼らが好感度のある主要NPCなのかどうか、実験をするでござるよ。
効かなくてもキングの吸血で眷属にするか、フォマの魔法で使い魔にするでござるよ」
NPCの中でもモブといわれる重要度の低いキャラクターたちは好感度がなく、街の賑わいや道先を示すだけの置物として扱われている。
彼らがこの世界にも存在するのか、もしくはプレイヤー以外の全ての人間がそうなのか、サカナは興味を抱いていた。
本来ゲームにはハーバー家もこの舞踏会も存在せず、サカナたちはあるはずのないシナリオをプレイしていることになる。
もしも全員がモブなら、フォマが示すように彼らはゲーム内と同じように代替性の利くシステムであるともいえる。
「反対に主要NPCと同じ扱いなら、何が好感度達成報酬として得られるのか…
拙者はそこが知りたいでござる。
オルガ殿も全員が救われるのであれば、文句はないでござろう?」
「え?そ、それはそうですが…」
「確認でござるが、メイドらが脱走して自ら通報することはないのでござるな?」
「それは絶対にないです。通報されても信じてもらえないでしょうし…。
で、でも…お仲間の二人はあまりやる気がなさそうですが…それに」
「あらー…?」
話がまとまりかけて立ち上がったサカナだったが、見るとキングは不良生徒のように両手を頭の上にやって外を見ているしフォマは欠伸を噛み殺している。
それぞれ窓と扉に全体重をかけて寄りかかって退屈しており、ようやくサカナは自分だけが実験に浮足立っていたと気づいた。
「あー…言い忘れたでござるが、宰相のネットワークがあれば他のプレイヤーの情報が相手より早く得られるはずでござる。
それに、ギルドの仲間の情報もより確実に得られるでござるよ」
「なるほどな、じゃあ奇襲も可能なわけだ」
「それを早く言ってください」
キングは片側だけ口角を上げて窓枠から床に下り、フォマも背を正して立つ。
オルガはその様子を見て、心底彼らと利害が一致していて良かったと思う。
正義や思いやりの心を持たない、自分の欲望だけで動く人間ほど先が読めないものもいない。
敵対していたら、きっと相手が少女だろうと彼らは容赦しないだろう。
何より、この二人の実質リーダーであり聞きなれない単語の実験を企んでいるサカナこそが一番恐ろしい。
オルガは静かに腰を抜かしたまま、一人下から彼らを見上げていた。
「あ、あの…話を聞いていますか…?
宰相がいないとはいえ、護衛には、この国最強の冒険者や闘技場の優勝者たちが雇われているのですよ?
それに、事件がバレたらすぐに王国騎士団に通報されて…」
「お?護衛がいるのか、いいねぇ。
たぎってきたぜ」
「は、はぁ…!?」
「護衛は覆滅するでござる、この真実は公にはさせないでござるよ」
「な、あ…あなた方は、一体…」
「拙者たちは通りすがりの…そう、ただのPK集団でござるよ。
では少女救出作戦改め、ハーバー家乗っ取り作戦を実行するでござる!」
無邪気な少年のような明るい口ぶりと顔で、サカナは拳を握りしめた。
だが高らかに宣言した内容は、アーサー王国最大の虐殺事件を予告するものだ。
ハーバー家に仕えるメイド達総勢三十人を除き、利害関係者およそ百五十人以上を一夜にして葬る。
そしてその主人を傀儡にして屋敷を丸ごと乗っ取るという、力ずくの強奪作戦が始まった。
「第2章 目立ちすぎる王都潜入」終
次回「第3章 大貴族の乗っ取り作戦」
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「まぁ、仕方ないですね」
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「だからでござる。
貴族の後ろ盾があれば、拙者たちも活動しやすいでござる。
決行は今夜パーティーが終わった後、全員が寝静まってからでござる」
オルガの話を聞かず、サカナはキングとフォマに説明をする。
パーティーは日が変わる前には終わるが、片付けが終わるころには深夜になるだろう。
主催者は舞踏会の後もしばらくは談笑をして酒を飲み、従者たちは従者たちで招待客の対応に一日中追われて心身共に疲れて寝静まる。
そのため、忍び込むには絶好の日である。
オルガは自分たちしか知り得ない情報や間取りの説明に、ようやく彼らがただの強盗ではないと理解する。
「オルガにも協力してもらうでござるよ。
まずはメイドを全員解放するから、彼女たちに紛れて村に逃げるなり、散るなり、全員でなくてもいいから導くでござる。
我々はその後、宰相を懐柔して取り込むでござる」
「懐柔ってどうやんだ?」
「コレを使うでござる」
「…なんだそりゃ」
サカナが取り出したアイテムに、キングは初めて見るという顔をする。
そのアイテムは雫型の透明なガラス容器にピンク色のとろみのある液体が入ったもので、装飾や大きさといい香水のようだった。
容器の取っ手には細かいカットが入っており、その部分を掴んで振る。
フォマはそのアイテムに見覚えがあるようだった。
「媚薬みたいですね、好感度ポーションですか?」
「ビンゴでござる、これはバレンタインイベントのときに条件報酬で得られるものでござる」
「そんなのあったか?」
「戦闘報酬ではなく、限定キャラのNPCからお使いクエストを受けることで得られるものでござる。
そして、これを渡したNPCは好感度が無条件に五段階まで上がるでござる」
「十段階中か?」
「いいや、五段階中でござる」
「へぇ?」
NPCと呼ばれるキャラクターたちには、好感度というパラメータが存在する。
そしてプレイヤーが何度も話かけたりアイテムを渡したり、ときにはお使いと呼ばれる簡単なミッションを達成したりすることで、彼らの好感度は上がっていく。
好感度を上げることで得られるアイテムやイベントはキャラクターによって異なるが、いずれも段々と親し気になっていく。
二段階では知人、三段階で友人、四段階は親友、五段階まで上がれば恋人として扱われるため、一部のプレイヤーは躍起になって好感度を上げている。
とはいえ、ストーリーの本筋やキャラの育成には関係のないゲーム要素でもある。
「拙者はイベントが始まる前に全てのNPCの好感度を五段階まで上げていたでござるが、念のために持っていて正解でござったな」
「…お前がアイテムコレクターで良かったよ」
「そうでござろう!
実際このアイテムは互換性が低い上に、課金では得られないという希少性があって…」
「気持ち悪いですねぇ」
「何ででござるか!?」
「ともかく、それをドラ息子に飲ませりゃいいんだな?」
「そうでござる。
あと一本は宰相に使うでござる。
ついでに彼らが好感度のある主要NPCなのかどうか、実験をするでござるよ。
効かなくてもキングの吸血で眷属にするか、フォマの魔法で使い魔にするでござるよ」
NPCの中でもモブといわれる重要度の低いキャラクターたちは好感度がなく、街の賑わいや道先を示すだけの置物として扱われている。
彼らがこの世界にも存在するのか、もしくはプレイヤー以外の全ての人間がそうなのか、サカナは興味を抱いていた。
本来ゲームにはハーバー家もこの舞踏会も存在せず、サカナたちはあるはずのないシナリオをプレイしていることになる。
もしも全員がモブなら、フォマが示すように彼らはゲーム内と同じように代替性の利くシステムであるともいえる。
「反対に主要NPCと同じ扱いなら、何が好感度達成報酬として得られるのか…
拙者はそこが知りたいでござる。
オルガ殿も全員が救われるのであれば、文句はないでござろう?」
「え?そ、それはそうですが…」
「確認でござるが、メイドらが脱走して自ら通報することはないのでござるな?」
「それは絶対にないです。通報されても信じてもらえないでしょうし…。
で、でも…お仲間の二人はあまりやる気がなさそうですが…それに」
「あらー…?」
話がまとまりかけて立ち上がったサカナだったが、見るとキングは不良生徒のように両手を頭の上にやって外を見ているしフォマは欠伸を噛み殺している。
それぞれ窓と扉に全体重をかけて寄りかかって退屈しており、ようやくサカナは自分だけが実験に浮足立っていたと気づいた。
「あー…言い忘れたでござるが、宰相のネットワークがあれば他のプレイヤーの情報が相手より早く得られるはずでござる。
それに、ギルドの仲間の情報もより確実に得られるでござるよ」
「なるほどな、じゃあ奇襲も可能なわけだ」
「それを早く言ってください」
キングは片側だけ口角を上げて窓枠から床に下り、フォマも背を正して立つ。
オルガはその様子を見て、心底彼らと利害が一致していて良かったと思う。
正義や思いやりの心を持たない、自分の欲望だけで動く人間ほど先が読めないものもいない。
敵対していたら、きっと相手が少女だろうと彼らは容赦しないだろう。
何より、この二人の実質リーダーであり聞きなれない単語の実験を企んでいるサカナこそが一番恐ろしい。
オルガは静かに腰を抜かしたまま、一人下から彼らを見上げていた。
「あ、あの…話を聞いていますか…?
宰相がいないとはいえ、護衛には、この国最強の冒険者や闘技場の優勝者たちが雇われているのですよ?
それに、事件がバレたらすぐに王国騎士団に通報されて…」
「お?護衛がいるのか、いいねぇ。
たぎってきたぜ」
「は、はぁ…!?」
「護衛は覆滅するでござる、この真実は公にはさせないでござるよ」
「な、あ…あなた方は、一体…」
「拙者たちは通りすがりの…そう、ただのPK集団でござるよ。
では少女救出作戦改め、ハーバー家乗っ取り作戦を実行するでござる!」
無邪気な少年のような明るい口ぶりと顔で、サカナは拳を握りしめた。
だが高らかに宣言した内容は、アーサー王国最大の虐殺事件を予告するものだ。
ハーバー家に仕えるメイド達総勢三十人を除き、利害関係者およそ百五十人以上を一夜にして葬る。
そしてその主人を傀儡にして屋敷を丸ごと乗っ取るという、力ずくの強奪作戦が始まった。
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