プレイヤーキラー~PKギルドの世界征服~

栗金団(くりきんとん)

文字の大きさ
39 / 41
第3章 大貴族の乗っ取り作戦

【第38話】 フォマとサカナの合流

しおりを挟む
 「なあぁんでござるかこれはー!?」
 その最上階では、サカナが腕を振って叫んでいた。
 階段を上がっている途中からどこからか風が吹いていると思ったら、頂上はフォマの広範囲攻撃で壊滅的な状況にあった。
 廊下は焼き畑後の更地のように荒み、屋根が吹き飛び部屋が半壊し吹きさらしの屋上のようになっている。
 護衛を倒しながらほとんどスキルを使わずに進んできたサカナには、その攻撃が過剰なものだと知っていた。
 「やはり怒りで我を忘れているでござるか…?
 いやでもこれは…さすがにやりすぎでござる…!?」

 (しかし『火龍の突風』はともかく、『天界の落とし物』まで使うとは。
 考えにくいでござるが、スキルを重ねがけするほど強い敵がいた可能性も…いや、ないでござるな。
 あ!珍しい武器が落ちているでござる!)

 ハルマンの部屋に急ぐサカナ。
 その途中、廊下に倒れる護衛の死体が身に付けている装備に目を奪われて足を止めた。
 先端が舌のように狭まった剣は、ゲーム世界では見かけなかったデザインだ。
 アイテムオタクとしては、手に取って振り回してから鑑定もしてみたい。
 サカナはウロウロと左右に動いては屈伸したり伸びをしたりして、剣を舐めまわすように見る。
 だが、作戦遂行のためにハルマンに死なれても困る。
 「うぅ…しかし、フォマを止めねば…あぁでも気になるでござる…くっ…ぐうう!!」

 (後で!
 後で絶対に取りに行くでござる!)

 泣きながら駆け出したサカナは、武器や死体を見ないように目を逸らして走り出した。
 置いてきた武器のためにも気合を入れて、扉が無くなった部屋の前に滑りながら辿り着く。
 そのサカナに目掛けて、フォマが飛んできた。
 下駄の歯がサカナの顔に刺さり、フォマとフォマが抱えている三人分の体重が一人のフランケンシュタインにかかる。
 「あいたぁっ!?」
 「ぐげぇ…!?」
 「…おや?」
 直後、ハルマンの部屋が爆発した。
 火傷の男が部屋に火属性魔法を放つ前、フォマの瞳には男の手からプラズマのような青白く放電するエネルギーが映った。
 フォマは考えるより速くメイドを掴んで逃げ、ついでにハルマンを蹴り飛ばした。
 メイドを互い違いにお姫様抱っこしたフォマが、サカナの顔を蹴って廊下に着地する。
 ハルマンは腹を蹴り飛ばされて潰れたカエルのような声を上げながら、廊下の壁にぶつかった。
 サカナは蹴られて仰け反った状態から、腹筋だけで上体を起こす。
 「いててて…もう~、何でござるか~?」
 「大丈夫ですか?」
 「あぁ、拙者は…」
 「お嬢さん方」
 「そっちでござるか!?拙者は顔を蹴られたでござるが!?」
 「サカナ、こっちを見ないように」
 フォマは足で障害物を排除すると、裸のままのスミレとカスミを腕から下ろした。
 そして裸の彼女たちが異性のサカナを前に恥ずかし気に恥部を隠したのを見て、視線を遮るように立つ。
 睨まれたサカナはすぐに両手で顔を覆って、「見ていないですよ」とアピールをする。
 「私は大丈夫です…」
 「わ、私も…」
 「拙者散々な扱いでござる…別に見ないでござるし…」
 「緊急事態だったんですよ。
 服…は、うーん。これしかないです」
 廊下は風通しも良く、外からは丸見えだ。
 フォマはアイテムボックスを開いて、服の代わりになる物を探し始めた。
 コスチュームは譲渡ができず、本人しか着ることができない。
 最終的に黒マントを選んで出すと、空中からアイテムを出したフォマに二人は口を開け放って驚いた。
 「寒いでしょうが、少し待ってください。
 すぐに他の子たちと合流させてあげますからね」
 「ありがとうございます…!」
 「ありがとうございます…」
 二人で一枚の黒マントを羽織ってお辞儀をする少女たちに、フォマは満面の笑みでうんうんと頷いた。
 それでもやはり寒いのか、二人は体温を分け合うように向かい合ってくっつき、柔らかい頬同士が当たって反発する。
 少女の仲の良さを目の当たりにしたフォマは、さらに声を漏らして歓喜する。
 「ふふふっ…かわいいですねぇ…」
 その声でサカナはセルフ目隠しを取った。
 「…もういいでござるか?」
 「駄目です」
 「何だ、マントを身に付けているではないでござるか…で、この男がハルマンでござるな?」
 「恐らくは」
 「おーい、無事でござるかー?」

 (彼がハルマン、そして彼女たちは娼婦ではなく恐らくメイド。
 ということは、予想通り彼は幼女に手を出したでござるな。
 このまま放っておいたら、そこのバーサーカーに殺されてしまうでござる)

 「う…あ……」

 (け、蹴られた…?
 この僕が…?ハーバー家に対する何たる不敬…)

 ひっくり返って痙攣するハルマンを、上からのぞき込むサカナ。
 それを差し置いてフォマが脇から、文字通りハルマンの首根っこを掴んで持ち上げた。
 サカナは、全裸で矮小な男を宰相アルマン侯爵の息子と断言できなかった。
 だが、散々瞬殺してきたか弱い人間が寒さからか恐怖からか青ざめて震えていることを危惧する。
 瓦礫を落としながら高く持ち上げられていくハルマン、それを持って廊下の端に向かうフォマに説得を試みる。
 「落ち着くでござるフォマ!
 それ…それを、ゆっくり地面に置くでござるよ!」
 「それ…?それって僕のことか…?」
 「駄目です、コレは出来るだけ苦しめて殺さなければ」
 「これ…?
 おい、おい!そこの男!
 僕を助けろ!そうすれば金でも何でも…」
 「お前は黙っているでござる」
 「……」
 ハルマンは、自分の顔すら知らない無礼者に噛みつく元気もなかった。
 ただ護衛も服も取り上げられて殺されかけている今の状況を救ってくれるなら、もはや神でも貴族でなくても良かった。
 サカナはフォマを刺激しないように、じりじりと距離を詰めていく。
 だがフォマが断崖絶壁を目指していることがわかると手を伸ばして、ハルマンの足を掴んだ。
 ハルマンが乙女のような悲鳴を上げた。

 (ハルマンを殺されても最悪アルマンを傀儡にすれば良いのでござるが…
 ここまで事を荒立ててしまった以上、ハルマンは道具として隠蔽に使いたいでござる)

 「きゃああぁっ!?
 いたっ、いたいっ!痛いっ!?」
 「…ハルマンは計画に必要でござる、殺すのは良くないでござる」
 「別に私だって殺したくないですよ。
 ただ、計画の前に罪を償うべきです」
 首をフォマに、足首をサカナに掴まれてハルマンが目を左右に動かす。
 歩き続けるフォマと立ち続けるサカナの間に挟まれ伸ばされたハルマンは、背中の骨と筋肉がギチギチと軋む音を聞いた。
 ひたすらに痛みを訴えるが、二人はまるでハルマンの悲鳴が聞こえていないという様子だった。
 お互いから目を離さず刀光剣影の雰囲気を保っているにも関わらず、相手のことなど気にしていないかのようにサカナは身じろぎ一つせず、フォマは足を止めない。
 「おい!!痛いっ!放せ!やめろっ!いたたたたっ!」
 「…罪というと?」
 「少女を傷つけたこと、怖がらせたこと、純潔を奪ったこと、自由を奪ったこと……あと無断で私に触ったことです」
 「あぁあ!!千切れる!足がもげる!!
 悪かった!だから放せ!」
 「…困るでござるな」
 「あなたが困っても私は別に困りませんが」
 サカナは振り返って少女たちの距離を確認する。
 少女を人質にする方法も考えるが、どのみちハルマンは助からず、フォマの恨みを買うだけだと思い直す。
 彼女とサカナでは、この世界における倫理観が違う。
 何があっても自分を曲げず障害など退けてしまえばいいというのがフォマの考えであり、見えている障害は避けて平穏にいたいというのがサカナの考えだ。
 だが、だからこそサカナは

 (本当に、拙者を飽きさせないでござるな…!)

 「痛いっ!本当に痛いんだって!ごめんなさい!ごめんなさい!」
 「…なら、少女たちはどうでござるか?」
 「……どういうことですか?」
 「なぁ聞いてくれ!僕の話を聞いてくれ!?
 ああぁ!?父上えええ!!……がくっ」
 「一番被害を受けているのは彼女たちでござるよ。
 勝手に殺して全部終わりにして良いでござるか?」
 「それは…ふぅ、それもそうですね」
 「そこで提案でござる」
 サカナから作戦を聞いたフォマは、心なしか背が伸びたハルマンを連れて来た道を引き返した。
 手を放したサカナを通り過ぎて足を止めたのは、一つの毛布に包まって座り込む少女たちの元だ。
 彼女たちの目の前に気絶したハルマンを吊るすと、小さく悲鳴が上がった。
 顔中から体液という体液を垂らしたハルマンには、もはや貴族のプライドも弱者に威張る覇気もない。
 フォマは彼女たちから何歩か下がって距離を取ると、サカナの方を見る。
 「では、行くでござるよ」
 「いつでもどうぞ」
 アイテムボックスから好感度ポーションを取り出したサカナは、コルクを引き抜いて栓を開ける。
 そしてハルマンの顎を片手で掴んで固定すると、その口に液体を注ぎ始めた。
 滝のように激しい水音を立ててポーションがハルマンの口に注がれていく。数秒立って、ハルマンが跳ね起きた。
 「ぶくぶくぶく…がぶっ!?がぼがぼっ!?」
 「ちゃんと全部飲むでござる」
 「吐いたら舐めさせますよ」
 「がぼがっ!ばぼばっ!!がぐっ!」
 手足をバタつかせながらポーションに溺れるハルマン。
 気にせずポーションを傾けるサカナとそれを抑えつけるフォマ。
 自分たちが怖れていた存在がふらっと現れた美女と美男子に痛めつけられている様子に、少女たちはクスクスと笑い声を上げた。
 それを見てフォマは釣られたように声を殺して笑い、サカナは緊張が解けたように息をつき、ハルマンは恐怖で叫び声を上げる。
 やっとポーションが空になると、同時にハルマンも静かになった。
 「げほっ…がはっ……」
 「さて、どうなることやら」
 「うまく行けば、拙者に大量の好感度アイテムが振り分けられるはずでござるが…」
 ふいに顔を上げたハルマンが、涙で潤んだ瞳でサカナを見つめた。
 空のポーションをアイテムの指定場所に片していたサカナと、無言で目が合う。
 サカナがフォマにハルマンを下ろすよう手で示して、首を横に振られる。
 同様のやりとりが二回繰り返された後、痺れを切らしたサカナが口を開いた。
 「えー…ハルマン、どの?」
 「何だサカナ、今日も美しいな」
 「美しい…!?ひぃ!?」
 「ぐっ…!」
 フォマが噴出して顔をそむけた。
 ハルマンの瞳の中にはいかがわしい色のハートが浮かび、サカナに尊敬と愛情を抱いているのは見ているだけでわかった。
 ハルマンは恋する乙女のように惚けた表情でサカナに手を伸ばし、サカナは異様な恐怖を感じて彼の手が届かない場所まで後ずさる。
 好感度ポーションの効果は見て明らかだった。とろけるように甘い声でハルマンはサカナに愛を囁く。
 「ハルマン殿だなんて言うな、僕とサカナの仲ではないか」
 「…では、ハルマン?」
 「あぁ、何だサカナ。僕の子猫ちゃん」
 「子猫…!?
 …な、何故、拙者の名前を知っているのでござる?」
 「貴様のことなら何でも知っているぞ、本名は魚@くそ雑魚侍参上!だろう?
 それがどうした?」

 (システムが勝手に教えたでござるか?
 とすると、彼らはNPCとして扱うことができるということ。
 すなわちこの状態もずっと続くのでござろうか…)

 「お願いだからハンドルネームをフルで呼ばないで欲しいでござる…むっ!?」
 「おわっ…!」
 ふいに、フォマがハルマンを掴んでいた手を放した。
 まさにそのサカナによって足を痛めていたハルマンは無抵抗に地面に落下していき、反射的にサカナは彼を腕に受け止めていた。
 何をするのだとフォマを見るが、ニヤニヤするばかりで答えない。
 サカナは、ハルマンの一部が硬くなって足に当たっていることに気づいた。一気に鳥肌が立った。
 「サカナ…僕のことを守ってくれたのか…!?」
 「ううっ!?
 嫌、そう、でござるが…違うでござる!」
 「やはり僕達は愛し合って…」
 「うわあああ!?」
 下を見ると、ハルマンはサカナの筋肉質な腕に蛇のように肌を摺り寄せ腕を絡めていた。
 全裸のままであったため、直に体温が伝わってサカナの顔が強張っていく。
 サカナは思わずハルマンを強く突き放して立ち上がると、焼け焦げた部屋の前まで離れて忍者のように壁に身体を寄せた。
 好感度ポーションの報酬を得た効果音など、もはやどうでも良かった。
 サカナはハルマンから向けられる眼差しと共に、好感度を限界まで上げるということを確信した。
 だがアイテムを確認する以前に、良く知らない相手から恋人として見られるということに吐き気を催す嫌悪感を覚える。
 「ははは、照れるでない。
 貴様は優しいのだな…」
 「あぁ…!!背筋がゾクゾクする…!
 フォマ!!わかっててやったでござるな!?」
 「ふふふ、お陰で面白い物が見られました」
 「ぐぬぬ…」
 「しかし、罰は受けて貰わねば」
 「……あぁ、そうでござるな」
 くるりと裏面が表面になるように、フォマの表情が切り替わった。
 四つん這いでサカナに這いよるハルマンを跨ぐと、しゃがみ込んで少女たちと同じ視線で尋ねる。
 サカナの作戦はこうだ。まず、ハルマンに好感度ポーションを飲ませる。
 そしてもし好感度上昇に失敗したときは、黙ってフォマに身柄を引き渡す。
 しかしもし好感度が限界まで上がった時は、好感度に物を言わせてハルマン自身に自分への罰を与えるように命令する。
 それも少女たちの要望通りに。
 好感度の効果を確かめる実験もかねた提案を、フォマは罪人が自ら罪を償う点が気に入って承諾した。
 決して、ハルマンを許したわけではない。
 「さぁ、お嬢さん方。この男を、どうしたいですか?」
 「…へ」
 「殺すでも足を潰すでも、好きにすることができますよ」
 「…え」
 「あなたたちの手は煩わせません。しかし彼に罰を与えることができるのです」
 「……」
 少女たちは、フォマの問いかけが理解できないようだった。
 二人でお互いの身体を抱きしめ合うばかりで、困惑した表情を浮かべる。
 サカナは近寄るハルマンを足先で牽制しながら、彼女たちに同情をする。
 彼女たちに話しかけるフォマの声色は、とても優しく穏やかだ。
 だがその裏表を間近に見たら、誰だって差し出された甘い蜜にも裏があるのではないかと疑う。
 そもそもどこにも所属もしていない、騎士団でもない、強盗からの提案ではなおさらだ。その結果、
 「まだ怖がっているのかもしれませんね。
 サカナ、この件は保留にしましょう」
 「わかったでござる」
 「サカナ…!サカナ…!」
 フォマは結論を先送りにした。
 少女たちも憎い相手に何をしていいのか、わからずにいるのだろう。
 時間帯も相まって、眠たげな瞳で舟を漕いでいる。
 サカナは足元まで接近したハルマンの頭に足を置いて遠ざけながら、フォマの提案に乗った。
 そして、ようやく作戦が終わりつつあることに胸をなでおろす。
 だが、舞踏会で来た時はあんなに綺麗に思えた邸宅が一夜にして廃材の塊となったことで先が思いやられる。
 「…それにしても、廊下や部屋をここまで痛めつける必要があったでござるか?」
 「心外な。
 廊下はともかく、部屋は私のせいではありませんよ」
 「え?では誰が?まさか…?ハルマン…!?」
 「いや全然違うぞサカナ!」
 「お主には聞いてないでござる!」
 既に護衛を全滅させたと思っていたサカナは、足に擦り寄るハルマンを手で押さえながらフォマに尋ねる。
 当主を手中に収めたとはいえ、計画ではメイド以外を逃がす予定はない。
 特に冒険者組合に所属して身分を証明していることから、組合からの信頼が厚いベテラン冒険者の護衛に逃げられ不都合な噂を流されるのは最も避けたいことだった。
 だが、それはあくまでサカナの目的と理由である。
 フォマは少女たちを抱き上げると、他のメイドたちと合流するため階段へ向かう。
 「いえ、護衛の一人の仕業です」
 「護衛?」
 「ハルマンの部屋に護衛が一人いて、彼がハルマンごと攻撃をしたのです」
 「待つでござる…ひょっとしてでござるが、その護衛は攻撃した後」
 「はい、窓から逃げました」
 「なぁんでそれを…!
 先に!
 言わないでござるかあぁ!!」
 「どうしたんだ!?サカナ!
 寡黙な貴様が大声を上げるなんて…」
 「だからお主は黙っているでござる!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

氷弾の魔術師

カタナヅキ
ファンタジー
――上級魔法なんか必要ない、下級魔法一つだけで魔導士を目指す少年の物語―― 平民でありながら魔法が扱う才能がある事が判明した少年「コオリ」は魔法学園に入学する事が決まった。彼の国では魔法の適性がある人間は魔法学園に入学する決まりがあり、急遽コオリは魔法学園が存在する王都へ向かう事になった。しかし、王都に辿り着く前に彼は自分と同世代の魔術師と比べて圧倒的に魔力量が少ない事が発覚した。 しかし、魔力が少ないからこそ利点がある事を知ったコオリは決意した。他の者は一日でも早く上級魔法の習得に励む中、コオリは自分が扱える下級魔法だけを極め、一流の魔術師の証である「魔導士」の称号を得る事を誓う。そして他の魔術師は少年が強くなる事で気づかされていく。魔力が少ないというのは欠点とは限らず、むしろ優れた才能になり得る事を―― ※旧作「下級魔導士と呼ばれた少年」のリメイクとなりますが、設定と物語の内容が大きく変わります。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...