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2章 第2の婚約者
43.秘密道具
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「それで、封じると一言で言っても、具体的にどうすれば?私、破壊系の魔法しか使えないのですけど」
試してみてはいないので、実際の所の真偽は分からない。
私が使える、と認識しているのは破壊系の魔法だけだ。
指、あるいは手をかざし、対象の破壊をイメージする。
単純かつお手軽だが、あまり汎用性がない。
使用したのは先のバルバトロスとの会談時と火龍駆除、そして練習がてらに山をふきとばしたときくらいだ。
他にも試せば色々できるかもしれない、本当は。
例えば、空を自由に飛んだり、
例えば、瞬間的に長距離を移動したり、
例えば、石をパンに変えたり。
ーーいや、できないな。
とりあえず、試しにイメージしてみたが、どれも現実化する気配がない。
やはり私は破壊の魔女らしい。
「貴女の力をこれに注ぎ込んでください」
クリスティアさんは、ブレスレットのような、リングを取り出した。
全部で5個あるみたいで、その内の一つを私に渡した。
「これは……何ですか?」
見れば見る程ただのリングだ。
丸い、細い、針金細工のようなもろそうな外観。
これに力を込める?
込めるどころか、置いた場所の背景諸共消し飛ばしてしまいそうだけれど。
「これは、私とアルバート家が極秘開発した特殊な装置です」
「アルバート家、ですか」
まさかここで我が邸宅にて軟禁中の彼の名前が出るとは驚きだった。
確かに、彼の領地は工業系の分野で成長中とは聞いていたが。
まさか、魔法分野についても造形があるとは。
世の中、どこでどう繋がっているか分からないものだ。
「試しに、一つこれに対して魔法を放ってみてください。なるだけ、弱めにお願いします」
「わ、わかりました」
言われるがままに、私はリングをテーブルに置いて、少し離れる。
そして、対象の破壊を想像する。
なるべくソフトに、
なるべく極小領域に。
指をかざし、魔力を解き放つ。
解き放つ、
解き放っている……はずだった。
だが、目の前のリングは輝きを放つだけで、一向に消滅する気配はない。
背景のテーブルと壁たちも無事を保っている。
「おお、これは凄い」
素直に感想が出た。
いくら意識的に威力を抑えたとはいえ、まさか傷一つつけられないとは。
リングを手に取ると僅かに振動している程度で変化はない。
私の全力に耐えられるかどうか分からない。
分からないが、やり方によっては抵抗しうる。
数を増やし、
サイズを上げれば、
私に対する防御壁足りうる。
私にとっての脅威足りうる。
これは、不味いな。
「……あっ」
クリスティアさんの手が触れた。
リングを私の手からするりと、取り戻す。
事も無げに、私に触れる。
「どうかしましたか?」
そして、微笑む。
爽やかに、
穏やかに。
「いや……その……何もっ」
私は終始ドキマギしっぱなしであった。
お願いが、もっと可愛いことならば良かったのに。
例えば、私と婚約してくれ、とか。
まあ、きっと、例に漏れず破棄というか形骸化するだろうけれど。
試してみてはいないので、実際の所の真偽は分からない。
私が使える、と認識しているのは破壊系の魔法だけだ。
指、あるいは手をかざし、対象の破壊をイメージする。
単純かつお手軽だが、あまり汎用性がない。
使用したのは先のバルバトロスとの会談時と火龍駆除、そして練習がてらに山をふきとばしたときくらいだ。
他にも試せば色々できるかもしれない、本当は。
例えば、空を自由に飛んだり、
例えば、瞬間的に長距離を移動したり、
例えば、石をパンに変えたり。
ーーいや、できないな。
とりあえず、試しにイメージしてみたが、どれも現実化する気配がない。
やはり私は破壊の魔女らしい。
「貴女の力をこれに注ぎ込んでください」
クリスティアさんは、ブレスレットのような、リングを取り出した。
全部で5個あるみたいで、その内の一つを私に渡した。
「これは……何ですか?」
見れば見る程ただのリングだ。
丸い、細い、針金細工のようなもろそうな外観。
これに力を込める?
込めるどころか、置いた場所の背景諸共消し飛ばしてしまいそうだけれど。
「これは、私とアルバート家が極秘開発した特殊な装置です」
「アルバート家、ですか」
まさかここで我が邸宅にて軟禁中の彼の名前が出るとは驚きだった。
確かに、彼の領地は工業系の分野で成長中とは聞いていたが。
まさか、魔法分野についても造形があるとは。
世の中、どこでどう繋がっているか分からないものだ。
「試しに、一つこれに対して魔法を放ってみてください。なるだけ、弱めにお願いします」
「わ、わかりました」
言われるがままに、私はリングをテーブルに置いて、少し離れる。
そして、対象の破壊を想像する。
なるべくソフトに、
なるべく極小領域に。
指をかざし、魔力を解き放つ。
解き放つ、
解き放っている……はずだった。
だが、目の前のリングは輝きを放つだけで、一向に消滅する気配はない。
背景のテーブルと壁たちも無事を保っている。
「おお、これは凄い」
素直に感想が出た。
いくら意識的に威力を抑えたとはいえ、まさか傷一つつけられないとは。
リングを手に取ると僅かに振動している程度で変化はない。
私の全力に耐えられるかどうか分からない。
分からないが、やり方によっては抵抗しうる。
数を増やし、
サイズを上げれば、
私に対する防御壁足りうる。
私にとっての脅威足りうる。
これは、不味いな。
「……あっ」
クリスティアさんの手が触れた。
リングを私の手からするりと、取り戻す。
事も無げに、私に触れる。
「どうかしましたか?」
そして、微笑む。
爽やかに、
穏やかに。
「いや……その……何もっ」
私は終始ドキマギしっぱなしであった。
お願いが、もっと可愛いことならば良かったのに。
例えば、私と婚約してくれ、とか。
まあ、きっと、例に漏れず破棄というか形骸化するだろうけれど。
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