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3章 政略と征略
66.暴力と平和
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屋敷は襲撃され、
大事な使用人2人は暴力的に蹂躙され、
自身も半拘束状態にて、敵地へと移送中。
こんな状況なのに、私アリシア=ラインバルトの機嫌は悪くなかった。
むしろ良いといってもいい。
心が程よい感じにドキドキしているからだ。
胸を小人が叩いている。
トントンと
ドンドンと。
どこか心地いい。
これが恋というやつなのかもしれない。
酷い手段を使っているが、それは私を手に入れるため。
併せて、私が欲しい理由も魔法等の力ではなく、私の見た目を求めている。
それが何故か嬉しかった。
アルベルトのように力を求めるのではなく、
バルバトロスのように政治的価値ではなく、
ゴットファザのように真の愛娘のためではなく。
私を求めてくれるのが、嬉しかった。
「アリシア、お前は我の婚約者となり、エーテルザットの歴史の変化の象徴となる。お前の姿は美しい。見る者を魅了し、味方同士で争うことの哀れさを愚かしさを理解させるのには十分だ」
また褒められた。
頬が染まるのを感じる。
「奪い、争い、憎み合うという醜い連鎖から、与え、助け合い、愛し合う。そんな美しい連鎖へとーー」
「笑わせる、理想論だろ。そんなものは」
「何?」
かなり頑丈に縛られたアルベルトが割って入る。
その言葉にヘーゲルも不快感を隠すこともせず顔に出す。
「お前たちから暴力をとったら何が残る?今の序列2位の地位はどうやって築いた?お前はどうやって現当主になった?考えれば分かることだ。お前の言葉はただの理想論、だが、もし仮に現実になれば、それは最早エーテルザットではない」
アルベルトは侮蔑するように言う。
「加えて、武力なしでどうやって今の体制を維持する?反対勢力を粛清でもするのか?だが、それを使うのには武力しかない。言葉が通じる連中ではないからな。それに、現に僕やアリシア嬢を武力で強奪している。さっき自分でも言ってただろ、戦いで勝ち取るのが自分たちのやり方だって。まさか、無意識か?」
嘲笑するように、言う。
「お前たちは変われないし、変わらない。エーテルザットの考え方、魂は死ぬまで、いや、死んでも残り続ける。呪いのように、お前たちの魂にこべりつく」
「言わせておけば、おまけ風情がぬけぬけとーー」
ヘーゲルがアルベルトに向け、拳を構える。
だが、アルベルトは怯まない。
言葉を続ける。
少し前までのへたれた彼はどこへ消えた?
「ほら、これがお前の本性だ。暴力があるなら使う。そいつは依存症だ。オーバードーズのお前たちはもう治らない。口で平和をつぶやきつつ、拳を握るのさ」
アルベルトは、手も足も出ない代わりに、全力で口を使った。
言葉で、戦っていた。
大事な使用人2人は暴力的に蹂躙され、
自身も半拘束状態にて、敵地へと移送中。
こんな状況なのに、私アリシア=ラインバルトの機嫌は悪くなかった。
むしろ良いといってもいい。
心が程よい感じにドキドキしているからだ。
胸を小人が叩いている。
トントンと
ドンドンと。
どこか心地いい。
これが恋というやつなのかもしれない。
酷い手段を使っているが、それは私を手に入れるため。
併せて、私が欲しい理由も魔法等の力ではなく、私の見た目を求めている。
それが何故か嬉しかった。
アルベルトのように力を求めるのではなく、
バルバトロスのように政治的価値ではなく、
ゴットファザのように真の愛娘のためではなく。
私を求めてくれるのが、嬉しかった。
「アリシア、お前は我の婚約者となり、エーテルザットの歴史の変化の象徴となる。お前の姿は美しい。見る者を魅了し、味方同士で争うことの哀れさを愚かしさを理解させるのには十分だ」
また褒められた。
頬が染まるのを感じる。
「奪い、争い、憎み合うという醜い連鎖から、与え、助け合い、愛し合う。そんな美しい連鎖へとーー」
「笑わせる、理想論だろ。そんなものは」
「何?」
かなり頑丈に縛られたアルベルトが割って入る。
その言葉にヘーゲルも不快感を隠すこともせず顔に出す。
「お前たちから暴力をとったら何が残る?今の序列2位の地位はどうやって築いた?お前はどうやって現当主になった?考えれば分かることだ。お前の言葉はただの理想論、だが、もし仮に現実になれば、それは最早エーテルザットではない」
アルベルトは侮蔑するように言う。
「加えて、武力なしでどうやって今の体制を維持する?反対勢力を粛清でもするのか?だが、それを使うのには武力しかない。言葉が通じる連中ではないからな。それに、現に僕やアリシア嬢を武力で強奪している。さっき自分でも言ってただろ、戦いで勝ち取るのが自分たちのやり方だって。まさか、無意識か?」
嘲笑するように、言う。
「お前たちは変われないし、変わらない。エーテルザットの考え方、魂は死ぬまで、いや、死んでも残り続ける。呪いのように、お前たちの魂にこべりつく」
「言わせておけば、おまけ風情がぬけぬけとーー」
ヘーゲルがアルベルトに向け、拳を構える。
だが、アルベルトは怯まない。
言葉を続ける。
少し前までのへたれた彼はどこへ消えた?
「ほら、これがお前の本性だ。暴力があるなら使う。そいつは依存症だ。オーバードーズのお前たちはもう治らない。口で平和をつぶやきつつ、拳を握るのさ」
アルベルトは、手も足も出ない代わりに、全力で口を使った。
言葉で、戦っていた。
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