婚約破棄された腹いせに適当な隣国を滅ぼします

くわっと

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1.プロローグ

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あぁ、ルパイン様、どうして貴方は裏切ったのですか?

私の想いを、
私の気持ちを、
私との契約を、
私との婚約を。

私の何がいけなかったのですか?
私のどこが悪かったのですか?
どうか、教えてください。
ちゃんと直しますから。
貴方のために、頑張りますから。

だから、どうか私だけを見てください。
せめて私を貴方の側においてください。

どうか、
どうか、
どうか。

私を捨てないでください。
お願いですから、
何でもしますから。

『断る。もう終わったのだ』

『貴様が我のためにできることはただ一つ』

『我の前に二度と姿を現さないことだけだ』

やめて、
やめて、
行かないで。

どんな形でもいいから、
私を好きに使っていいから、
私の全てを捧げるから。

お願いだから、側にいてーー

ーー

「……また、あの夢ですか」

ぐっしょりと汗で濡れたシーツ。
高鳴る心音。
胸の痛み。

「夢の中でしか会えない、それもあの場面ばかりというのは、ルパイン様は本当に残酷ですね」

毒づきながら、ふぅと呼吸を整える。
最悪の目覚めだ。
いや、あの日から毎晩この夢を見ていているのだから最悪ではないか。
最悪も毎日続けばそれは日常だ。
悪夢に落ち、悪夢に始まる。
だけれど、大事なのは悪夢を友とすることだ。
敵ではなく、友に。
そうすれば、いづれ悪夢の方から心を開いてくれる。私の望みを叶えてくれる。
きっとーー

「お嬢様、大丈夫ですか」

大柄の男が心配そうに駆け寄ってくる。
彼の名前はミゾノグチ。
遥か東方出身の異国の民であり、私の執事的な存在。
武芸に優れ、情に厚く、何より私に尽くしてくれる。
あの方程ではないが、大事な存在の一つ。

「ミゾノグチ、ありがとう。大丈夫、いつものことです」

これも私の日常の一欠片だ。
彼の日常の一欠片だ、
毎朝のルーチンワーク。

不幸の道を転がる、私の日常。
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