虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

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一章 黒髪令嬢の日常

3.オルコットの芸術講座

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妹様は私の体を乱暴に引っ張って、いつもの調理場へと連れ出します。
住み込みで働いてくれている料理人のチャンドラさんが、不安そうに私を見つめています。
チャンドラさんは家族とは違って、私のことをそんなに苛めたりはしません。
助けることもないですけれど、私が生きてるために必要なお料理を作ってくれる大事な方です。

「オルコット様、また、ですか?」

「そうよ!なんか文句あるの、長帽子?」

長帽子はチャンドラさんのあだ名です。
白い調理着に、白く細長い帽子をいつも被っているからです。
妹様は悪口っぽく言ってますけれど、長い帽子の方が、料理人の階級が上であることが多いので、褒めてる感じになるんですけどね。
なので、チャンドラさんは笑顔です。
ただ、妹様の行動は調理場を荒らされることが多いので、その点については困っているようですが。

「いえ、なんでもありません」

「それなら声かけないでくれる?」

「失礼しました」

調理場は危険がいっぱいです。
包丁、
ナイフ、
フォーク、
スプーン、
火、
お鍋、
ほかにも色々。
武器になってしまうものばかりです。

正直、お兄様の乱暴よりも妹様とのお遊戯の方が身の危険を感じます。
というより、実際損傷が激しいです。
切り傷は治るまでに時間がかかるので、本当に嫌です。

「じゃあ、オルコット様の芸術講座、始まるよー」

でも、仕方がないです。
受け入れるしか、選択肢がないのです。

「今日のテーマはねー、ラブ&セクシー」

片手に包丁、
片手に着火用の火打。
いつもより激しい予感しかありません。
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