虐げられた黒髪令嬢は国を滅ぼすことに決めましたとさ

くわっと

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終章

106.予定調和な結末

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予想通りというか、
予定通りというか。

「助けてくれぇー」

結果はありきたりでした。

「死にたくない、死にたくない」

まやかしの正義で勝てる程、戦いは甘くはないのです。
無論、私単独あるいはマーテルロ家の人間のみの勢力ならば、結果は違ったかもしれません。

「神は我らを見捨てたのかーー」

言葉による人心の乱れ、
同じ形をしたものを傷つける抵抗感や罪悪感。
あるいは、神さまという上位存在に逆らっているかもしれないという不安感。

「痛い、痛い……やめてくれ、俺が、俺が悪かったからっ!」

けれど、動物さん相手には効きません。
言葉も基本通じません。
神さまも信じていません。
だから、彼らは全力で、気の向くままに闘争を行える。

「獣如きが、人間に、歯向かう、などとっ!」

加えて、多少の痛みで怯むことはありません。
痛みの感じ方も、人のそれとは違います。
種族によっては、高くもあるし低くもある。
それは痛みに限らず、他の分野でも差異は当然あります。
人のように、均一化した集団ではありませんから。
それは良さでもあるし、悪さでもあります。

だけれど、結果として圧倒的数量と種族のばらつきを備えた集団は、お互いがお互いの特性を補い合っています。
大きい動物さんと、小さい動物さん。
素早い動物さんと、おっとりした動物さん。

「やはり、悪魔には、魔女には勝てないのか……」

このまま、この混成動物兵団で、隣の国に攻め込んでしまうのも良いかもしれません。
負ける気は、全くないので。

ーーむむっ、背後に気配を感じます。
直感に従い振り向くと、先の小太りの男がいました。
流石は私の気配察知能力。
他者の害意敵意には敏感ですね。

私に棍棒のような錫杖を振りかぶっています。
あぁ、この方々が信じる神さまは、神具を殺生に使う道具にすることも、許すのでしょうか?

「お前さえ、お前さえ殺せば、この獣どもも止まるんだろう?」

彼は、振りかぶった姿勢のまま、私に尋ねました。

「さあ、どうでしょうか?」

私は正直に答えます。
だって、自由意志で動いている彼らがどうするかなんて、分かりようもないのですから。
でも、私からお願いした犬さんたちは止まるかもしれません。
けど、そんな保証はどこにもありません。

「なら、試すまでだっ!」

勢いをつけて、
声をあげて、
殺意を込めて。

彼の錫杖は、私の頭蓋目掛けて進んできます。
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