1000年前の恋人が忘れられない吸血鬼の話

もちえなが

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メイ編 うっかり人間に恋に落ちた話

同僚

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――ドンドン

「ユエル!いるか!開けろ!」
「ユエルさん!俺っす、ウェンティっす!」

「ん……、なんだ」

寝ていると、下で騒がしい音がする。
まだ太陽が出ているのに。

睡眠を邪魔されて眉をひそめる。

「ん、メイ……同僚たちだ」

隣で寝ていたユエルも目を覚ます。

「起こしてごめんね、ちょっと下に行ってくるよ」
「ん……」
 
ユエルが包帯を巻いて、服を着る。
舐めたおかげで昨日よりはマシだが、まだ傷が完治するわけもなく、痛々しい。

眠い目をこすりながら、ユエルを見送るともう一度目を閉じた。

「おはよう、君たちこんな朝からどうしたんだい?」
 
「もう昼だ……ってお前、その傷……」
「わ、ひでぇ!ボロボロじゃないっすか」

「えへへ」
「ってことはお前……本当に破門されたのか?」

「あー、もう聞いたんだ」
「え、ユエルさんまじなんすか!なんですか!」

うるさい。
寝ようと思っても、優秀な耳が、下の話し声をしっかり拾ってしまう。

「あの、吸血鬼のせいなのか……?」

「やめて、違うよ!僕が自分で決めたんだ。別に教会所属じゃなくても、仕事はある。ソロでやるのもありかなって思っていたし、良い機会だったんだ」
「ユエルさん……」

「馬鹿か!司教は領主と繋がってんだぞ。この町の仕事をお前に回さないよう嫌がらせするに決まってる!」
「そ、そしたら、別の街に…」

「お前に実力があっても、吸血鬼と恋人のハンターなんて簡単に信用してもらえるか!」

なるほどな…。
つまり、ユエルは考えなしで決めたわけか。
ユエルめ、嘘だったら容赦しないって言ったよな?
司教に。

ズボンを履いて下の階へ降りる。

「今すぐ破門を取り消してもらいに行きましょう!」
「僕は別に構わないさ」
「ユエル、つまらない意地を張るな!」

「あのさー、うるさいんだけど」

「お、お前、吸血鬼!」
「メイ!」

玄関でいつまでも騒がれて眠れやしない。
眠い目を片目だけ開いて、ユエルにもたれかかった。

「さっさと司教んとこ、案内してもらえる?」

 
「ぐはっ!色気やば!!」
「め、メイったら!そんな格好で出てきちゃだめだろう?」
「はぁ……?」

ユエルにぐいぐいと背中を押されて2階に戻される。

「先輩、俺誘惑されそうだったっす」
「馬鹿、黙ってろ!」
「あれぇ?先輩案外むっつりっすか?」

玄関でやいやい言い合ってる騒がしいのを置いて、ユエルにシャツを着せられる。

「……なんで怒ってんの、お前」
「怒ってない!」

怒ってんだろ。
そんなに頬膨らせることあるか。

ふ、可愛いやつ。

「……乳首、見られたから?」

シャツを捲ってユエルを煽った。

「っ、メイ!」
「いっ…ぁっ、」

ユエルに左乳首を思い切り噛まれる。
そのまま押し倒されて、左乳首を舐められながら、右乳首を摘まれる。

「あっ、あぁっ、ユエル、んっ、あぁ」

もう一度、噛まれて、舌で潰される。右は捻りながら
先っぽを爪でカリカリと引っ掻かれた。

「ぁ、つよ、はぁ、あぁ、きもちいい、あぁ、あんっ」
 
――ガンッ!

「あ……」
「あ、ごめん、メイ!」

下にあいつらがいるのを忘れてた。

「つい強くしちゃった、痛かった?」
「んっ、ふ、最高だった」
「メイったら……」

ユエルと見つめ合い、キスをする。
舌を絡めながら、ユエルが優しく乳首を撫でる。
 
「ちゅっ、んぅっ、あっ、んっ、あぁ」

――ガンッ、ガンッ!

「チッ」
「ふふ、もう行こうか」

機嫌の直ったユエルが俺のシャツを整え、二人で1階へ降りる。

「わぁ、ウェンティどうしたの?」

ウェンティと呼ばれる男が、頭から血を流していた。

「先輩が俺の頭を、いっ!……いやなんでもねぇっす、ユエルさん」
「そう?ほらタオル使って」

「あざっす。……先輩、まじ許さねーっすから」
「ふんっ」

4人で暖炉の前にある椅子に座る。

「で、あんた、司教のとこに連れてけって言ったな。何する気だ」
「メイ、僕は良いんだ。もう教会には戻らない」
「ユエル!」
 
「ユエルさんほどの人がいなくなったら、教会も痛手っす。司教も本当は手放したくなかったはずっす」

「へー、そんなにユエルは重要なのか」
 
「当たり前っす!この前の事件もユエルさんがいなかったら犯人すら見つからなかったっす」
「ユエルは教会のエースだ。いなくては困る」

なるほどな。

「……ユエルは教会に戻りたいか?」
「え…、う、ううん」
「俺とか関係なくだ。正直に答えなきゃこの場で犯す」

「ひっ!マジっすか」
「黙ってろウェンティ!」

「……メイ、僕は……」
「あぁ」

「僕は、ハンターができればそれでいい。」

じっと、ユエルを見つめる。
 
「本当だよ。嘘じゃない。
僕には、これしかないんだ。戦うことしかしてこなかったし、それ以外、何をして良いかもわからない。」
「ユエルさん……」

「僕はこの仕事が好きなんだ。ハンターの仕事ができるから教会に入っただけで、僕はどこに身を置いていたってやりたいことは一緒さ」

ユエルがまっすぐ俺を見る。
そこに迷いはなかった。

「お前の気持ちはわかった」
 
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