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君と見た景色
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君は昔からいつもそうだ。辛い時も、しんどい時もいつも笑顔。
これは、僕とあるひとりの女性の話だ。
あれは僕が中学校二年生の時の話だ。僕は笑顔の素敵な彼女に恋をした。クラスで人気者な彼女に恋をした。
最初は、ただみんなの前で愛想を振りまくただの八方美人だと密かに思っていた。
クラスで人気者の彼女と、いつも教室の隅で読書をしている僕。
そんな僕たちが二人で歩んだ話をしよう。
今、もうこの世にはいない彼女に捧げる話を。
ある日の数学の授業の時だった。僕が教科書を忘れて戸惑っているとまだほとんど会話もした事のない、ただ隣の席なだけの彼女が何も言わずにそっと席をくっつけた。僕は人とくっつくのも、話をするのも苦手でできれば一人でいたい。だけど彼女の隣にいて話をする事は、不思議と心地良かった。そうして話をしていくうちに、彼女の魅力に惹かれ恋をした。そして告白し、お付き合いする関係となった。
中学校に入学した当時、まさかこんなことになるなんて思って居なかった。しかし、家庭の事情で僕は遠くの街に引越しをしなければいけなくなった。
引っ越し前夜、僕は彼女とデートに行くことになった。花火大会を見に行った。
空に響き渡る花火の鮮やかな色、綺麗な音色。
そんな事よりも僕は、その花火を見ている彼女の横顔に夢中だった。
少し開いたままの口、大きく見開いている目。
その景色は今でも脳裏に焼き付いている。
そんな僕を見て彼女は「見て!この花火とっても綺麗だよ!」
僕が空を見上げると、そこにはとても色鮮やかな今までに見た事のないような花火が空一面に広がっていた。
その時は、これが君と見る最後の景色だとは思いもしなかった。
引越しを終え彼女に連絡するが、返事が帰ってこない。電話にも出ない。心配になったが前の中学校に彼女の事を聞ける友人もいない。
不安で仕方なかったが、会いに行こうにも到底子供の会える距離ではなかった。新天地で忙しい僕は彼女の事を考える時間が徐々に少なくなっていった。
時は過ぎ僕が20歳になった頃、勇気を振り絞り彼女に会いに行った。するとばったり当時僕の担任だった先生に会った。
彼女が現在どうしているのか知りたくて僕は先生に尋ねた。
その時僕は衝撃の一言を耳にする。
「え?お前知らなかったのか?。彼女交通事故で亡くなったんだよ」
僕は受け止めきれないこの過酷な現実に言葉が見つからなかった。
そこでまた先生が口を開いてこう言った。
「あれだよ。昔この地域で花火大会があっただろ?。その帰り道の途中で交通事故にあったんだよ。」
僕は腰の力が一気に抜け涙が溢れ出た。
そんな僕に先生は戸惑いを隠せずにいた。
僕は先生に全てを話した。当時付き合っていた事、花火大会へ彼女と行った事。
僕は先生から彼女のご家族が住んでいる住所を聞き不安の闇に包まれそうになりながらも会いに行った。彼女のお母さんは全てを察したかのように僕を笑顔で家の中に招き入れてくれた。
僕は、彼女の仏壇に手を合わせ、彼女の部屋を眺めていた。
そこで僕は彼女の日記を発見する。
そこには、僕との思い出がたくさん詰まっていた。
僕は涙が止まらなかった。最後に記されていた文に僕は涙が溢れたのだ。
「私に彼は勿体無いくらいの優しさをくれるの。遠距離だとしても私は彼のことがこれから先もずっーとだいすき。」
僕は後悔の念に押しつぶされそうになった。
あの時、家まで送って帰っていれば。あの時、無理にでも会いに行っていればと。
彼女は僕を恨んでいないだろうか。彼女は空の上から僕を見守ってくれているのだろうか。
そんなことを考えるうちに僕も年を取った。
いつかまたどこかで君と会えるだろうか。
会ったらまたいろんな景色を二人で見よう。
僕にとっていちばん大切なもの
は君と見る景色なんだから。。。
これは、僕とあるひとりの女性の話だ。
あれは僕が中学校二年生の時の話だ。僕は笑顔の素敵な彼女に恋をした。クラスで人気者な彼女に恋をした。
最初は、ただみんなの前で愛想を振りまくただの八方美人だと密かに思っていた。
クラスで人気者の彼女と、いつも教室の隅で読書をしている僕。
そんな僕たちが二人で歩んだ話をしよう。
今、もうこの世にはいない彼女に捧げる話を。
ある日の数学の授業の時だった。僕が教科書を忘れて戸惑っているとまだほとんど会話もした事のない、ただ隣の席なだけの彼女が何も言わずにそっと席をくっつけた。僕は人とくっつくのも、話をするのも苦手でできれば一人でいたい。だけど彼女の隣にいて話をする事は、不思議と心地良かった。そうして話をしていくうちに、彼女の魅力に惹かれ恋をした。そして告白し、お付き合いする関係となった。
中学校に入学した当時、まさかこんなことになるなんて思って居なかった。しかし、家庭の事情で僕は遠くの街に引越しをしなければいけなくなった。
引っ越し前夜、僕は彼女とデートに行くことになった。花火大会を見に行った。
空に響き渡る花火の鮮やかな色、綺麗な音色。
そんな事よりも僕は、その花火を見ている彼女の横顔に夢中だった。
少し開いたままの口、大きく見開いている目。
その景色は今でも脳裏に焼き付いている。
そんな僕を見て彼女は「見て!この花火とっても綺麗だよ!」
僕が空を見上げると、そこにはとても色鮮やかな今までに見た事のないような花火が空一面に広がっていた。
その時は、これが君と見る最後の景色だとは思いもしなかった。
引越しを終え彼女に連絡するが、返事が帰ってこない。電話にも出ない。心配になったが前の中学校に彼女の事を聞ける友人もいない。
不安で仕方なかったが、会いに行こうにも到底子供の会える距離ではなかった。新天地で忙しい僕は彼女の事を考える時間が徐々に少なくなっていった。
時は過ぎ僕が20歳になった頃、勇気を振り絞り彼女に会いに行った。するとばったり当時僕の担任だった先生に会った。
彼女が現在どうしているのか知りたくて僕は先生に尋ねた。
その時僕は衝撃の一言を耳にする。
「え?お前知らなかったのか?。彼女交通事故で亡くなったんだよ」
僕は受け止めきれないこの過酷な現実に言葉が見つからなかった。
そこでまた先生が口を開いてこう言った。
「あれだよ。昔この地域で花火大会があっただろ?。その帰り道の途中で交通事故にあったんだよ。」
僕は腰の力が一気に抜け涙が溢れ出た。
そんな僕に先生は戸惑いを隠せずにいた。
僕は先生に全てを話した。当時付き合っていた事、花火大会へ彼女と行った事。
僕は先生から彼女のご家族が住んでいる住所を聞き不安の闇に包まれそうになりながらも会いに行った。彼女のお母さんは全てを察したかのように僕を笑顔で家の中に招き入れてくれた。
僕は、彼女の仏壇に手を合わせ、彼女の部屋を眺めていた。
そこで僕は彼女の日記を発見する。
そこには、僕との思い出がたくさん詰まっていた。
僕は涙が止まらなかった。最後に記されていた文に僕は涙が溢れたのだ。
「私に彼は勿体無いくらいの優しさをくれるの。遠距離だとしても私は彼のことがこれから先もずっーとだいすき。」
僕は後悔の念に押しつぶされそうになった。
あの時、家まで送って帰っていれば。あの時、無理にでも会いに行っていればと。
彼女は僕を恨んでいないだろうか。彼女は空の上から僕を見守ってくれているのだろうか。
そんなことを考えるうちに僕も年を取った。
いつかまたどこかで君と会えるだろうか。
会ったらまたいろんな景色を二人で見よう。
僕にとっていちばん大切なもの
は君と見る景色なんだから。。。
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