【本編完結】十八禁BLゲームの中に迷い込んだら、攻略キャラのひとりに溺愛されました! ~連載版!~

守屋海里

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4章:十八禁BLゲームの中に迷い込んだら、最愛の人が出来ました!

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 呆れたような、感心したようなアデルの声に、おれは首を傾げた。そして、あっと思い出した。アデルの過去。襲われたんだっけ……返り討ちにしたみたいだけど。そういう家族なら離れてもツラくないのかも……?



「本当、キミって平和ボケしてるよね……」

「そんなしみじみ言わなくても!」

「だってそう思うもの。ボクとは正反対」



 ……? アデルは平和ボケしていないってこと? 日本からの転生者なのに? とアデルを見ると、アデルはふわぁと眠そうに欠伸をした。おれらは眠ることにして、「おやすみ」と言って灯りを消す。

 目を閉じると、すぐに眠ってしまい、気が付くと朝だった。そして、ルードがおれの部屋に居て、アデルが居ることに複雑そうな表情を浮かべていた。



「……ルード? お帰りなさい……」

「ああ、ただいま。……なぜアデルがヒビキの部屋に?」

「……なんか、昨日急に来て……泊るって……」



 怒っているのだろうか、とちらりとルードを見ると、ルードは肩をすくめておれのベッドに座ると、すやすや寝ているアデルを見て――……。



「いつまで狸寝入りをしているつもりだ」

「……なんだバレてたの」

「起きてたの!?」



 びっくりして大声を出してしまった。うるさそうに耳を手で塞ぐアデルに、おれは口元を押さえた。よく気付いたなぁ、寝たふりしているって。ルードすごいなぁと思っていると、アデルが起き上がってうーんと背伸びをした。おれも起き上がる。



「それで、なぜこの部屋に居る」

「この子と色々話したかったんだよ。って言うかキミ、帰って来たばかりでしょ。埃っぽい。せめて綺麗にしてから来なよ。この部屋を汚すつもり?」

「……ヒビキに変なことをするなよ」

「タイプじゃないからしないってば」



 ……タイプだったらするのか? と思いつつ、ルードが渋々ながらもアデルの言う通りにお風呂に向かい、おれはアデルに視線を向けた。



「なに?」

「……あのさ、思い付いたことがあるんだけど……陛下に謁見って出来る?」

「ボクと一緒にってこと?」

「むしろ、アデルと一緒じゃないと出来ないことだから、アデルにも協力を頼みたい」



 そしておれは、アデルに考えを話した。アデルはちょっと呆れたように聞いていたけれど、最後まで話すと「ふむ」と呟いてぱちんとウインクをした。……なんでこの世界の人たちってこんなに綺麗にウインク出来るんだろう……。ちなみにおれはウインク上手に出来ません!



「良いよ、店の宣伝にもなりそうだし。でも、そうなると時間がちょっと足りなくない?」

「うん、だから猛特訓しないといけない。アデルは時間取れそう?」

「ボクは平気。店はあんまり忙しくないし、シリウスに頼めば聞くだろしー……って言うか元々シリウスの店だし」



 肩をすくめてそういうアデルに、おれはちょっと笑ってしまった。なんだかんだ、アデルとシリウスさんはうまくいっているらしい。



「善は急げ。ボク、ちょっと陛下にアポ取って来るよ」

「え、もう?」

「時間が惜しいじゃん。それじゃあ、またね」



 そう言ってアデルはおれの部屋から出て行った。すると、アデルと入れ替わるようにルードがおれの部屋に来た。……相変わらずおれと一緒に入らない時は烏の行水らしい。



「アデルは?」

「帰りました。えっと、ルード、驚かないで聞いて欲しいんですけれど――」



 おれはちょっとだけ、アデルに話したことをルードに伝えた。ルードはちょっと不安そうにしていたけれど、「ヒビキが決めたことなら」と優しく微笑んでくれた。許しを得たおれはぱぁっと表情を明るくさせた。

 それを見たルードがよしよしとおれの頭を撫でる。



「今日はどうしますか?」

「そうだね……、一緒に本でも読もうか。ヒビキの部屋で」

「え?」

「狭い分、ヒビキとの距離が近い気がする」



 まぁ、いつもの寝室と比べたらそうだろうな……。そんなわけでおれはルードと一緒に書庫に向かい、読みたい本を自室に持って来て、ついでにリアにお茶と軽食をお願いした。自分の部屋でルードと一緒にご飯を食べるって、不思議な感じ。そして……ルードくらいの長身だと狭そうだなぁと思ってしまう。……その身長、ちょっとくれないかなぁと思いつつ、サンドウィッチを頬張る。

 ちなみにアデルが使った布団は別の使用人さんが片付けてくれた。



「……ルードにとっては狭い、ですよね?」

「狭いには狭いが……この狭い空間でヒビキとふたりきりというのも悪くない。まさか先にアデルに泊まられるとは思わなかったが……」

「泊まる気だったんですか!? ベッド狭いですよ!?」



 おれが思わずそう言うと、ルードはキョトンとした表情を浮かべて、それからクスクスと肩を震わせて笑った。



「一緒のベッドで寝て良いの?」



 にんまりと笑うルードに問われて、おれは「あっ」と口元を押さえた。アデルは布団で寝たのに、ルードがこの部屋に泊まるとなると、一緒のベッドって……! どれだけルードと一緒に寝る時は一緒のベッドって刷り込まれているんだろう!



「……ルードの身長じゃ、ベッドからはみ出ちゃいますよ……?」

「その分ヒビキとぴったり密着出来るね」



 にこにこと嬉しそうに笑うルードに、あの広いベッドでもかなり密着して寝ているような気がする……とは言えなかった。だって抱き着いて寝てるから……。



「それにしても、ヒビキは面白いことを考えたね」

「陛下が許してくれるなら、ですけどね」



 おれが考えたことをやるには、陛下の許しが要る。もし陛下にダメって言われたら諦めるつもりだ。どうしてもそこじゃなきゃ出来ないってわけではないし。

 アデルと一緒に謁見して、提案して……それで良いって言ってもらえるかは全然わからないしなぁ。

 本を手に取って表紙を捲ろうとした瞬間、バンッと扉が開いた。



「謁見の許可取って来た! 行くよ!」

「え、今!?」

「ルードは夜勤明けでしょ? 寝てなよ。ほら、早く!」



 あまりの勢いに本をルードに渡して――アデルに対して「ちょっと待って!」と声を掛けて寝室に向かい、服を着替え、それなりに身支度をしてからバタバタと駆け足で陛下の元へと向かった。

 まさかこんなに早く謁見の許可がおりるとは思わなくて、驚いてしまった。



「よくこんなにすぐ、許可もらえたね?」

「キミ、ボクのこと誰だと思っているの。国賓だよ?」

「あ。……そうだった」



 国賓でもこんなに簡単に謁見の許可っておりるもんなんだろうか。それとも、ここがそういう世界だから? 謎だ。……おれが考えても仕方ないことか……。

 そして、おれとアデルは陛下と一緒にお茶を飲みながら、アデルに話した内容を陛下に伝えた。すると、陛下は興味深そうにおれの話を聞いてくれて、にっこりと笑って許可をもらった。



「それが中に居る人たちだけってのは、アレだから……。ちょっとこっちでも手を加えさせてもらうよ。それでも良い?」

「え? は、はい……。あの、一体どんな?」

「ふふ。多分あなたなら出来ると思うんだ」



 楽しそうに口角を上げる陛下に、おれは首を傾げて、アデルは肩をすくめた。



「……それじゃあ、ちょっと話し合っておこうか。どんな風にするのかを、ね」



 陛下がそう言うとアデルがおれに視線を向けた。どんな風にするのか……おれが想像していた話をすると、ふたりとも真剣に聞いてくれた。そこから、ああしたほうが良いとか、こうしたほうが良いとかどんどんと改善案が出てくる。

 記憶を継承している陛下はともかく、アデルもこんなにアイディアを出してくれるとは……。

 そうしているうちに、陛下の仕事が押し寄せてきたのでおれとアデルは陛下との話し合いを終えた。



「色々合わせないといけないから、練習しないとね」

「そうだね。――みんなに届くと良いな」

「人がどう思うかなんて、それぞれの感性だろうに……」



 呆れたように、それでも、アデルは楽しそうに笑っていた。……笑うとかなり印象が変わるなぁ。そんなことを考えながら、おれとアデルは王城を後にした。

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