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第十五話 あれ、もしかして……?
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服が届くまでクルトはそわそわと数日間待ち続けた。
(まだかな、まだかな……)
しかしあまりにも落ち着きがないと、バルハルトに笑われてしまうかもしれない。
さすがにそれでは恥ずかしいので、服のことなど一切覚えていない、というような顔で過ごしていた。
「あと何日だろう……」
服を買ってから一週間ほどたった日の朝、クルトはドラゴンの面倒を見ながら、つい呟いてしまった。
それはそばで立っていたバルハルトの耳に入ってしまったらしい。
「何だ、そんなに楽しみにしていたのか?」
彼にそう言われて、クルトは赤くなった。
「別に……ちょっと気になっていただけですよ」
もごもごと言い訳がましく言えば、彼はにやりと笑った。
「そうか、気になっていたのか。今日の昼頃届く予定だぞ」
「本当?!」
思わず瞳を輝かせれば、バルハルトはなぜかクルトをじっと見つめてきた。
「……..あの、バルハルト殿ってよく私の顔を見つめてきますけど、何か私の顔についていますかね?」
クルトの言葉にバルハルトはハッとしたような顔をし、ぶっきらぼうな口調で言った。
「別になんでもない」
それだけ言うと彼はさっさとどこかへ行ってしまった。
(本音を言うと結構怖いんだよね。真顔で見てくるから)
それなりに気まずくなるので、少し控えてほしいと思っているクルトであった。
「クルト様、服が届きましたよ!」
バルハルトの言っていた通り、ちょうど昼頃に服が届いたと、階下からジェシカに呼ばれた。
わくわくしながら一階へ降りて行き、荷物を開けてみれば中には注文した服が綺麗に畳まれて入っていた。
「うわぁっ、綺麗!!」
光沢のある生地を触ってみれば、非常に滑らかな手触りで、クルトは何度も触ってしまった。
おまけに裾の部分には、細かなビーズと蔦の模様の刺繍が施されていて、服を一気に華やかな印象にしていた。
「早速着てみてはいかがですか?」
ジェシカにそう勧められ、早速部屋で着替えてみることにしたのだが。
「あれ、帯が上手く締められない……」
まさかの後ろで締めるタイプの帯だったため、これまで前で帯を締めていたクルトは上手くできない。
「うーん、うーん……」
唸りながらやっていると、ドアを叩く音がした。
「入って良いですよ。ちょっと帯を締めて……」
てっきり執事が入ってきたのだと思ってそう言ったが、入ってきたのはまさかのバルハルトだった。
「帯を締められないのか?」
「見ればわかるでしょう!」
恥ずかしさでぶっきらぼうな口調になってしまう。
しかしバルハルトはそんなクルトの様子に一向に構うことなく、さっさと帯を締めてくれた。
「……….ありがとうございます」
「一人でできるように練習しておけ」
「はい」
否定できないので素直に返事をする。
新しい服を着てテンションが上がったクルトは、バルハルトの前でクルリと回ってみせた。
「似合ってますか?」
「馬子にも衣装、と言う感じだな」
彼の言葉にクルトは思いっきり眉を寄せて、口をへの字にして不満を表してみる。
「素直に褒められない人は部屋から出ていってくださいっ」
「誰に帯を締めてもらったと思っているんだ?」
バルハルトがそう軽口を叩きながら笑ったことにクルトはとても驚き、まじまじと彼の顔を見た。
そしてあることに気がついてしまったのだ。
(もしかしてバルハルトはイケメンの部類に入るのでは?!)
(まだかな、まだかな……)
しかしあまりにも落ち着きがないと、バルハルトに笑われてしまうかもしれない。
さすがにそれでは恥ずかしいので、服のことなど一切覚えていない、というような顔で過ごしていた。
「あと何日だろう……」
服を買ってから一週間ほどたった日の朝、クルトはドラゴンの面倒を見ながら、つい呟いてしまった。
それはそばで立っていたバルハルトの耳に入ってしまったらしい。
「何だ、そんなに楽しみにしていたのか?」
彼にそう言われて、クルトは赤くなった。
「別に……ちょっと気になっていただけですよ」
もごもごと言い訳がましく言えば、彼はにやりと笑った。
「そうか、気になっていたのか。今日の昼頃届く予定だぞ」
「本当?!」
思わず瞳を輝かせれば、バルハルトはなぜかクルトをじっと見つめてきた。
「……..あの、バルハルト殿ってよく私の顔を見つめてきますけど、何か私の顔についていますかね?」
クルトの言葉にバルハルトはハッとしたような顔をし、ぶっきらぼうな口調で言った。
「別になんでもない」
それだけ言うと彼はさっさとどこかへ行ってしまった。
(本音を言うと結構怖いんだよね。真顔で見てくるから)
それなりに気まずくなるので、少し控えてほしいと思っているクルトであった。
「クルト様、服が届きましたよ!」
バルハルトの言っていた通り、ちょうど昼頃に服が届いたと、階下からジェシカに呼ばれた。
わくわくしながら一階へ降りて行き、荷物を開けてみれば中には注文した服が綺麗に畳まれて入っていた。
「うわぁっ、綺麗!!」
光沢のある生地を触ってみれば、非常に滑らかな手触りで、クルトは何度も触ってしまった。
おまけに裾の部分には、細かなビーズと蔦の模様の刺繍が施されていて、服を一気に華やかな印象にしていた。
「早速着てみてはいかがですか?」
ジェシカにそう勧められ、早速部屋で着替えてみることにしたのだが。
「あれ、帯が上手く締められない……」
まさかの後ろで締めるタイプの帯だったため、これまで前で帯を締めていたクルトは上手くできない。
「うーん、うーん……」
唸りながらやっていると、ドアを叩く音がした。
「入って良いですよ。ちょっと帯を締めて……」
てっきり執事が入ってきたのだと思ってそう言ったが、入ってきたのはまさかのバルハルトだった。
「帯を締められないのか?」
「見ればわかるでしょう!」
恥ずかしさでぶっきらぼうな口調になってしまう。
しかしバルハルトはそんなクルトの様子に一向に構うことなく、さっさと帯を締めてくれた。
「……….ありがとうございます」
「一人でできるように練習しておけ」
「はい」
否定できないので素直に返事をする。
新しい服を着てテンションが上がったクルトは、バルハルトの前でクルリと回ってみせた。
「似合ってますか?」
「馬子にも衣装、と言う感じだな」
彼の言葉にクルトは思いっきり眉を寄せて、口をへの字にして不満を表してみる。
「素直に褒められない人は部屋から出ていってくださいっ」
「誰に帯を締めてもらったと思っているんだ?」
バルハルトがそう軽口を叩きながら笑ったことにクルトはとても驚き、まじまじと彼の顔を見た。
そしてあることに気がついてしまったのだ。
(もしかしてバルハルトはイケメンの部類に入るのでは?!)
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