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Main story
母と恋人の関係性
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「ごめん、もう大丈夫だから」
羽那子が持って来てくれたお茶を飲み、少し落ち着いた里奈。
そういえば、羽那子は里奈の事を『りなりん』ではなく『里奈さん』と呼んでいたな。
里奈も電話越しに羽那子の事を『藤村さん』と呼んでいた。
それだけで里奈と羽那子、そして俺の立ち位置が見えて来る。
そしてその中に美紀が加わると、俺達の関係性がどうなるか気になるところだ。
しかし里奈が泣き止んですぐに他の女の子の話をするのはデリカシーがないように思う。
当たり障りなく、授業の進み具合などを聞く方がいいだろう。授業の話を出せば、転校生の話題にも話が飛ぶだろう。
「授業内容で特に押さえておくべき点ってあった?」
「そうそう、私のノートを写メってくれる?
本当はコンビニでコピーしたかったんだけど……」
けど、羽那子が先に帰り、一番に俺の様子を見るだろう事が嫌で急いでここに来た。というところか。
里奈が鞄から取り出した各教科のノートを順番にスマホで撮影していく。
「これを見ながら自分のノートに書き写すよ、ありがとうな」
さて、ところで。
「それ以外で何か面白い話はあった? 桝先生がまた誰かにキレたとか」
数学担当の桝先生はよく生徒にキレる。もちろん本気ではなく冗談の延長線上で本当に注意すべき事を突いてくるのだ。
この絶妙さ加減がみんなを授業に集中させる為のスパイスになっているので、桝先生は人気がある。
「うーん、特にはなかったかな。
私もノートを正確に取らないと! っていう使命感でいつもより集中してたから、周りの雑談とかあんま聞いてなかったし」
いやいや、集中していたとはいえ、転校生が来たならさすがに気付くだろう。そもそも、美紀が紹介されるのは朝一だ。
紹介された後に桝先生の授業が始まるという順番だから、美紀に気付かない訳がない。
少ししつこくなるが、さらに突き詰めて聞いているか。
「授業以外で変わった事は? 民人が何かバカやったとか」
「町村君? 伊千郎がいないから寂しそうにはしてたけど……」
町村君、か。関係性がかなり違う。今日は休んで正解だったか。
しかしどれだけ様子を見ていても、実際に会わない事には雰囲気を掴むのは難しいだろう。
明日はちゃんと学校へ行こう。里奈と羽那子の距離感が遠いのを見ると、とても気が重いけど。
コンコンコンッ
「どうぞ」
扉の隙間から顔だけ出したのは母さんだった。
「里奈ちゃん、ご飯食べてって。今用意してるから」
その言葉を受けて里奈が慌てて立ち上がり、勢いよく胸の前で両手を振る。
「いえいえそんな! 悪いですよ!!」
「そんな事ないわよ。凛子には私から連絡しておいたから。
あら、ちょうど良いところにテーブルが置いてあるわね。この部屋に運んで来るわ」
凛子? 知らない名前だが、話の流れ的には……。
「母が!? あっ! スマホに連絡が来てました。いっこさんのお世話になりなさいって」
「そうよ、先輩の言う事は絶対なんだから」
里奈の母親は母さんの後輩にあたる人なのか。ノリ的に部活かな?
母さんは昔、陸上部だったと聞いた事がある。
「という事で、もうちょっとだけ時間が掛かるからゆっくりしてて。
あっ、せっかくだから伊千郎の昔のアルバム持って来ようか。待っててね」
バタンッ、と扉を閉め、タッタッタッと離れていく母さん。
何でそんなに楽しそうなのか。
そもそも母さん的に隣の幼馴染ではなく部活の後輩の娘と付き合っている俺に対して、どう思っているのかが聞きたい。
もちろん聞けないが、俺が置かれている環境ってめちゃくちゃ複雑じゃね!?
羽那子が持って来てくれたお茶を飲み、少し落ち着いた里奈。
そういえば、羽那子は里奈の事を『りなりん』ではなく『里奈さん』と呼んでいたな。
里奈も電話越しに羽那子の事を『藤村さん』と呼んでいた。
それだけで里奈と羽那子、そして俺の立ち位置が見えて来る。
そしてその中に美紀が加わると、俺達の関係性がどうなるか気になるところだ。
しかし里奈が泣き止んですぐに他の女の子の話をするのはデリカシーがないように思う。
当たり障りなく、授業の進み具合などを聞く方がいいだろう。授業の話を出せば、転校生の話題にも話が飛ぶだろう。
「授業内容で特に押さえておくべき点ってあった?」
「そうそう、私のノートを写メってくれる?
本当はコンビニでコピーしたかったんだけど……」
けど、羽那子が先に帰り、一番に俺の様子を見るだろう事が嫌で急いでここに来た。というところか。
里奈が鞄から取り出した各教科のノートを順番にスマホで撮影していく。
「これを見ながら自分のノートに書き写すよ、ありがとうな」
さて、ところで。
「それ以外で何か面白い話はあった? 桝先生がまた誰かにキレたとか」
数学担当の桝先生はよく生徒にキレる。もちろん本気ではなく冗談の延長線上で本当に注意すべき事を突いてくるのだ。
この絶妙さ加減がみんなを授業に集中させる為のスパイスになっているので、桝先生は人気がある。
「うーん、特にはなかったかな。
私もノートを正確に取らないと! っていう使命感でいつもより集中してたから、周りの雑談とかあんま聞いてなかったし」
いやいや、集中していたとはいえ、転校生が来たならさすがに気付くだろう。そもそも、美紀が紹介されるのは朝一だ。
紹介された後に桝先生の授業が始まるという順番だから、美紀に気付かない訳がない。
少ししつこくなるが、さらに突き詰めて聞いているか。
「授業以外で変わった事は? 民人が何かバカやったとか」
「町村君? 伊千郎がいないから寂しそうにはしてたけど……」
町村君、か。関係性がかなり違う。今日は休んで正解だったか。
しかしどれだけ様子を見ていても、実際に会わない事には雰囲気を掴むのは難しいだろう。
明日はちゃんと学校へ行こう。里奈と羽那子の距離感が遠いのを見ると、とても気が重いけど。
コンコンコンッ
「どうぞ」
扉の隙間から顔だけ出したのは母さんだった。
「里奈ちゃん、ご飯食べてって。今用意してるから」
その言葉を受けて里奈が慌てて立ち上がり、勢いよく胸の前で両手を振る。
「いえいえそんな! 悪いですよ!!」
「そんな事ないわよ。凛子には私から連絡しておいたから。
あら、ちょうど良いところにテーブルが置いてあるわね。この部屋に運んで来るわ」
凛子? 知らない名前だが、話の流れ的には……。
「母が!? あっ! スマホに連絡が来てました。いっこさんのお世話になりなさいって」
「そうよ、先輩の言う事は絶対なんだから」
里奈の母親は母さんの後輩にあたる人なのか。ノリ的に部活かな?
母さんは昔、陸上部だったと聞いた事がある。
「という事で、もうちょっとだけ時間が掛かるからゆっくりしてて。
あっ、せっかくだから伊千郎の昔のアルバム持って来ようか。待っててね」
バタンッ、と扉を閉め、タッタッタッと離れていく母さん。
何でそんなに楽しそうなのか。
そもそも母さん的に隣の幼馴染ではなく部活の後輩の娘と付き合っている俺に対して、どう思っているのかが聞きたい。
もちろん聞けないが、俺が置かれている環境ってめちゃくちゃ複雑じゃね!?
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