7 / 20
惨めな生活
しおりを挟む
「ほら立て、早く立たないか!」
山賊の1人に強く腕を掴まれ、わたしは無理矢理に立たされました。
手を荒縄でキツく縛られ強引に荒縄に付いた紐で引っ張られます。
引かれる度に荒縄が手首に食い込んで、手が千切れそうになり、悲鳴をあげてしまいます。
わたしを取り囲む山賊達は、わたしの悲鳴が上がる度に好色な目を向けてきますが、わたしはそれを冷静に見ている自分に驚いていました。
この1月ほどの間に2度もこんな目に遭っているのです。
慣れたわけじゃありませんが、覚悟のようなものはあります。
やがてわたしは小高い山の中腹にある洞窟に連れてこられました。
洞窟の中に入るにつれ、女性と思しき悲鳴が響いてきます。
それは入り口から真っ直ぐに延びる通路から横に掘られたいくつもの横穴から聞こえています。
わたしは耳を覆いたくなりますが、縛られたままの手ではどうすることも出来ませんでした。
恐らく彼女達は、わたしと同じくあの砦から拐われてきたのでしょう。
わたしは一番奥の穴に連れてこられました。
そこにはラムス達数名が居ました。
「やっと来たか。待ちくたびれたぜ。
マクベスをこの手で殺し損ねたのは残念だが、アイツの女を犯すことで我慢してやるか。」
わたしを連れてきた山賊は紐をラムスに渡しました。
「ラムス、お前が終わったら俺達が頂くからな。
早く替われよ。」
「わかってるよ!
ちょうど良い具合にしておいてやるからよ。」
そう言うと、ラムスはわたしを近くの横穴に連れて行ったのです。
………………………………
…………………………
……………………
………………
その時間が長かったのか短かったのか、覚えていません。
ただラムスの体がわたしの上で動くのを、ぼんやり見ているだけです。
何も感じず、何も考えず、ひたすらにラムスの行為が終わるのを待つだけでした。
助けを期待することもありません。
あの時の状況から考えて、あの人が生きているはずが無いのですから。
おかしなもので、助けを期待することが無くなると、こんな状況でも諦めがつくものなんですね。
少なくとも最初があの人で良かった。
それだけがわたしの救いです。
これからどれだけ汚されようと、今のわたしにはそれで充分でした。
小1時間ほど経った頃でしょうか、ラムスがようやく立ち上がりました。
「全く面白くともなんとも無い女だな。
マクベスのやつ、なんでこんな女が良かったのか?
まぁ死んだやつの話しは、いらねぇや。」
ラムスはわたしを置き去りにして穴から出ていきました。
すぐに、最初ラムスと一緒にいた男が入ってきて、わたしに覆い被ってきました。
それからは何人もの男達がわたしに汚らしいものを突きつけていったのです。
あれからどれくらいの時間が経ったのでしょう。
時折持ってこられる食事を口にする以外は、絶えず誰かに抱かれています。
光の入らない洞窟の中では、食事の回数だけが、時間を計る術ですが、それすら数えるのをやめてしまいました。
洞窟の中に響いていた女達の悲鳴やすすり泣きも最近は聞くことも無くなりました。
皆諦めてしまったのか、それともどこかに連れて行かれたのか。
それすらもわたしには知る術もありませんでしたし、知りたいと思うこともありませんでした。
「おい、起きろ!」
食事を口にして少しうつらうつらとしていた時、声を掛けられました。
「これを着ろ、外に出るぞ。」
粗末なワンピースを投げつけられ、それを着るように言われました。
気怠い気持ちを無理に奮い立たせ、ワンピースを着たわたしは、男について穴を出ました。
通路を歩いて行くと、同じ格好をした女の人達があちこちの穴から通路に流れてきます。
やがて洞窟の入り口が見えてきました。
眩しい日差しに目を細めます。
しばらくして明るさに慣れてきたころ、わたし達女は手足を縛られて馬車に乗せられました。
馬車に揺られ2日目の夕刻、馬車が止まり、わたし達は降ろされました。
そこは街の外れにある大きな建物でした。
「これはこれはマール様、ようこそお越し下さいました。
本日の商品はこの馬車2台分ですかな?」
「そうだ。貴族の娘や大商人の娘もいるぞ。
高く買い取ってくれよ。」
「毎度ありがとうございます。
1人当たり金貨5枚でいかがでしょうか?
全員で金貨65枚になります。」
「もう少し何とかならんか。」
「では、次も期待しまして金貨70枚お支払い致しましょう。」
「分かった。また頼んだぞ。」
山賊達は金貨を受け取ると、山の方に帰って行きました。
どうやらここは奴隷商人の店のようです。
「さてお前達、わたしについて来なさい。」
奴隷商人は、わたし達の足の縄を解くと、わたし達に建物の中についてくるように促します。
わたし達は足を引きずりながら後について行きました。
山賊の1人に強く腕を掴まれ、わたしは無理矢理に立たされました。
手を荒縄でキツく縛られ強引に荒縄に付いた紐で引っ張られます。
引かれる度に荒縄が手首に食い込んで、手が千切れそうになり、悲鳴をあげてしまいます。
わたしを取り囲む山賊達は、わたしの悲鳴が上がる度に好色な目を向けてきますが、わたしはそれを冷静に見ている自分に驚いていました。
この1月ほどの間に2度もこんな目に遭っているのです。
慣れたわけじゃありませんが、覚悟のようなものはあります。
やがてわたしは小高い山の中腹にある洞窟に連れてこられました。
洞窟の中に入るにつれ、女性と思しき悲鳴が響いてきます。
それは入り口から真っ直ぐに延びる通路から横に掘られたいくつもの横穴から聞こえています。
わたしは耳を覆いたくなりますが、縛られたままの手ではどうすることも出来ませんでした。
恐らく彼女達は、わたしと同じくあの砦から拐われてきたのでしょう。
わたしは一番奥の穴に連れてこられました。
そこにはラムス達数名が居ました。
「やっと来たか。待ちくたびれたぜ。
マクベスをこの手で殺し損ねたのは残念だが、アイツの女を犯すことで我慢してやるか。」
わたしを連れてきた山賊は紐をラムスに渡しました。
「ラムス、お前が終わったら俺達が頂くからな。
早く替われよ。」
「わかってるよ!
ちょうど良い具合にしておいてやるからよ。」
そう言うと、ラムスはわたしを近くの横穴に連れて行ったのです。
………………………………
…………………………
……………………
………………
その時間が長かったのか短かったのか、覚えていません。
ただラムスの体がわたしの上で動くのを、ぼんやり見ているだけです。
何も感じず、何も考えず、ひたすらにラムスの行為が終わるのを待つだけでした。
助けを期待することもありません。
あの時の状況から考えて、あの人が生きているはずが無いのですから。
おかしなもので、助けを期待することが無くなると、こんな状況でも諦めがつくものなんですね。
少なくとも最初があの人で良かった。
それだけがわたしの救いです。
これからどれだけ汚されようと、今のわたしにはそれで充分でした。
小1時間ほど経った頃でしょうか、ラムスがようやく立ち上がりました。
「全く面白くともなんとも無い女だな。
マクベスのやつ、なんでこんな女が良かったのか?
まぁ死んだやつの話しは、いらねぇや。」
ラムスはわたしを置き去りにして穴から出ていきました。
すぐに、最初ラムスと一緒にいた男が入ってきて、わたしに覆い被ってきました。
それからは何人もの男達がわたしに汚らしいものを突きつけていったのです。
あれからどれくらいの時間が経ったのでしょう。
時折持ってこられる食事を口にする以外は、絶えず誰かに抱かれています。
光の入らない洞窟の中では、食事の回数だけが、時間を計る術ですが、それすら数えるのをやめてしまいました。
洞窟の中に響いていた女達の悲鳴やすすり泣きも最近は聞くことも無くなりました。
皆諦めてしまったのか、それともどこかに連れて行かれたのか。
それすらもわたしには知る術もありませんでしたし、知りたいと思うこともありませんでした。
「おい、起きろ!」
食事を口にして少しうつらうつらとしていた時、声を掛けられました。
「これを着ろ、外に出るぞ。」
粗末なワンピースを投げつけられ、それを着るように言われました。
気怠い気持ちを無理に奮い立たせ、ワンピースを着たわたしは、男について穴を出ました。
通路を歩いて行くと、同じ格好をした女の人達があちこちの穴から通路に流れてきます。
やがて洞窟の入り口が見えてきました。
眩しい日差しに目を細めます。
しばらくして明るさに慣れてきたころ、わたし達女は手足を縛られて馬車に乗せられました。
馬車に揺られ2日目の夕刻、馬車が止まり、わたし達は降ろされました。
そこは街の外れにある大きな建物でした。
「これはこれはマール様、ようこそお越し下さいました。
本日の商品はこの馬車2台分ですかな?」
「そうだ。貴族の娘や大商人の娘もいるぞ。
高く買い取ってくれよ。」
「毎度ありがとうございます。
1人当たり金貨5枚でいかがでしょうか?
全員で金貨65枚になります。」
「もう少し何とかならんか。」
「では、次も期待しまして金貨70枚お支払い致しましょう。」
「分かった。また頼んだぞ。」
山賊達は金貨を受け取ると、山の方に帰って行きました。
どうやらここは奴隷商人の店のようです。
「さてお前達、わたしについて来なさい。」
奴隷商人は、わたし達の足の縄を解くと、わたし達に建物の中についてくるように促します。
わたし達は足を引きずりながら後について行きました。
0
あなたにおすすめの小説
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました
春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。
名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。
誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。
ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、
あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。
「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」
「……もう限界だ」
私は知らなかった。
宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて――
ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる