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ようこそ異世界へ
ミーアの正体がバレました
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ミーアを人間の姿に戻して、俺はミーアと一緒にスタイロンさんの店に向かった。
相変わらず店の前には冒険者の数が多い。この前来た時にはよく流行っているだけかと思っていたが、ドラゴンスレイヤーの店だと考えると、冒険者の姿が多いのも頷ける。
なんと言っても冒険者の仕事って常に危険が付きまとうから、きっと仕事前に神社にお参りするような感覚なのかも知れないな。
ミーアと2人で店に入る。
店の外は冒険者で賑わっていたが、中はそれほどでもなかった。
「こんにちは。」
「おー。この前のシルバーウルフの少年か。えーと名前は...聞いていなかったっけ?俺はスタイロンって言う。」
「ヒロシです。こっちは俺の相棒でミーアです。」
「ミーアです。」
スタイロンさんの顔が怖かったのか、ミーアが俺の後ろに隠れるようにして挨拶する。
「お前ら、ちょっと奥に行こうか。デニー!今日はもう店じまいだ。今の客が終わったら閉店しておいてくれ。」
スタイロンさん促されて、俺とミーアは奥の部屋に入っていった。
「ミーアと言ったか。お前人間じゃないな!魔人か。」
ミーアが隠れた理由はスタイロンさんの鋭い視線を向けられたからだった。
「やっぱりスタイロンさんには、判っちゃいますか。ミーアは森の奥で1人で居たんで俺の仲間として連れてきたんです。可愛いでしょ。」
「可愛いってお前。魔人だぞ。お前はちょっと変わった気を纏っているが間違いなく人間だろう。
どうして魔人を素直に受け入れているんだ?」
どうしてって言われても、亜人を仲間にするのってラノベの定番だし、別に俺に危害を加えるわけでもなし、そんなに強いわけでもないし。
「普通に良い子だからですよ。魔人だったら問題でもあるのですか?」
「いや、問題があるのかどうかが問題じゃなくて、魔人と人間っていうのは水と油だろう。
人間を見つけたら見境なしに襲ってきやがるし。」
まあ確かに襲って来られたけど、寂しかったからだろうし、武者修行だって言ってたから、別に俺が人間だから無差別って訳でも無かったし。
「人間だってそうじゃない!僕も学校でそう習ったもの。でも僕は無差別に人間を襲うようなことはしないよ!」
ミーアも負けずに反論する。
2人とも一触即発の様子を醸し出している。
「まあ、スタイロンさんもミーアも落ち着いて下さい。
ミーアと2人で今日半日過ごしていますが、人間といるのと同じですよ。
スタイロンさんは魔人に何かされたのですか?」
「いや、俺自身は何かされたというわけでは無いが。しかし、昔魔人が大挙して攻めてきていくつもの街が壊滅したという記録も残っているし。」
「ミーアの方はどうだ?」
「僕はおじい様から話しを聞いているよ。
1000年ほど前、人間のアブラハム男爵とかいうのが突然僕達の国を攻撃してきたんだって。
その時、魔人の女の子をたくさん攫って行ったらしいの。
それを取り返そうとして、人間の国に攻め込んだら、大規模な戦闘になったって。
その時人間が使った巨大な威力を持つ兵器で、人間の国ごと魔人も人間も亡くなってしまったって言ってたわ。
それ以来、魔人は人間と関わらないように生きてきたって言ってた。」
「1000年前の話しなんて正確なのか?」
「僕達魔族の平均寿命は800年ほどなのよ。僕もおじい様が700歳くらいの時に聞いたんだから間違いないわ。」
「ってことは...ミーアって300歳を超えているの!」
「そうよ、今350歳くらいかな。レディーに年齢を聞くのって失礼じゃない!」
いやそういう問題でも無いと思うけど。まあ、ラノベでも魔人は長寿命の設定が多いからね。
「スタイロンさん、ミーアはこう言っていますけど。」
「...アブラハム男爵に1000年前か...。確かに一致するな。」
スタイロンさん、独り言を言いながら何かを考えている。
「確かに、そこの魔人、ミーアと言ったか、彼女の言っていることとこちらに残っている言い伝えは一致するところが多い。
だがこちらでは、魔人が人間の女の子を攫って、その時に街をいくつも壊滅させたことになっている。」
「でも、それじゃあ話のつじつまが合わないですよね。
もし魔人が人攫いするのが目的だったら、街を壊滅させたらその後攫えなくなるじゃないですか。
街を残しておいた方が魔人にとっては都合がいいはずですよね。」
「確かにそうだが。...」
「どちらにしても、ミーアはそれほど強くありませんし、こんなに可愛いんだから問題ないじゃないですか。
魔人って見破れたのもスタイロンさんほどの強者だからでしょ。」
「まあそうだな、可愛いからどうかは別としてもヒロシの方が確かに強そうだ。
恐らく見破れるのは俺とギルマスのホールドくらいか。
分かった、ヒロシ、お前がミーアの監視、いや面倒を見るんだぞ。それが条件だ。
この後ギルドに行くんだろ。俺がホールドに紹介状を書いてやるよ。それを持っていけ。」
「スタイロンさん、ありがとうございます。さすがドラゴンスレイヤーは懐が厚い。」
俺のあからさまなヨイショに場の雰囲気も和む。
「じゃあ持ってきたものを見せてもらおうか。」
そこから2時間ほど、狩ってきた獲物のことやミーアとの出会いの状況などを話し、買い取り額でかなり懐が温かくなった俺とミーアは、スタイロンさんの店を後にした。
相変わらず店の前には冒険者の数が多い。この前来た時にはよく流行っているだけかと思っていたが、ドラゴンスレイヤーの店だと考えると、冒険者の姿が多いのも頷ける。
なんと言っても冒険者の仕事って常に危険が付きまとうから、きっと仕事前に神社にお参りするような感覚なのかも知れないな。
ミーアと2人で店に入る。
店の外は冒険者で賑わっていたが、中はそれほどでもなかった。
「こんにちは。」
「おー。この前のシルバーウルフの少年か。えーと名前は...聞いていなかったっけ?俺はスタイロンって言う。」
「ヒロシです。こっちは俺の相棒でミーアです。」
「ミーアです。」
スタイロンさんの顔が怖かったのか、ミーアが俺の後ろに隠れるようにして挨拶する。
「お前ら、ちょっと奥に行こうか。デニー!今日はもう店じまいだ。今の客が終わったら閉店しておいてくれ。」
スタイロンさん促されて、俺とミーアは奥の部屋に入っていった。
「ミーアと言ったか。お前人間じゃないな!魔人か。」
ミーアが隠れた理由はスタイロンさんの鋭い視線を向けられたからだった。
「やっぱりスタイロンさんには、判っちゃいますか。ミーアは森の奥で1人で居たんで俺の仲間として連れてきたんです。可愛いでしょ。」
「可愛いってお前。魔人だぞ。お前はちょっと変わった気を纏っているが間違いなく人間だろう。
どうして魔人を素直に受け入れているんだ?」
どうしてって言われても、亜人を仲間にするのってラノベの定番だし、別に俺に危害を加えるわけでもなし、そんなに強いわけでもないし。
「普通に良い子だからですよ。魔人だったら問題でもあるのですか?」
「いや、問題があるのかどうかが問題じゃなくて、魔人と人間っていうのは水と油だろう。
人間を見つけたら見境なしに襲ってきやがるし。」
まあ確かに襲って来られたけど、寂しかったからだろうし、武者修行だって言ってたから、別に俺が人間だから無差別って訳でも無かったし。
「人間だってそうじゃない!僕も学校でそう習ったもの。でも僕は無差別に人間を襲うようなことはしないよ!」
ミーアも負けずに反論する。
2人とも一触即発の様子を醸し出している。
「まあ、スタイロンさんもミーアも落ち着いて下さい。
ミーアと2人で今日半日過ごしていますが、人間といるのと同じですよ。
スタイロンさんは魔人に何かされたのですか?」
「いや、俺自身は何かされたというわけでは無いが。しかし、昔魔人が大挙して攻めてきていくつもの街が壊滅したという記録も残っているし。」
「ミーアの方はどうだ?」
「僕はおじい様から話しを聞いているよ。
1000年ほど前、人間のアブラハム男爵とかいうのが突然僕達の国を攻撃してきたんだって。
その時、魔人の女の子をたくさん攫って行ったらしいの。
それを取り返そうとして、人間の国に攻め込んだら、大規模な戦闘になったって。
その時人間が使った巨大な威力を持つ兵器で、人間の国ごと魔人も人間も亡くなってしまったって言ってたわ。
それ以来、魔人は人間と関わらないように生きてきたって言ってた。」
「1000年前の話しなんて正確なのか?」
「僕達魔族の平均寿命は800年ほどなのよ。僕もおじい様が700歳くらいの時に聞いたんだから間違いないわ。」
「ってことは...ミーアって300歳を超えているの!」
「そうよ、今350歳くらいかな。レディーに年齢を聞くのって失礼じゃない!」
いやそういう問題でも無いと思うけど。まあ、ラノベでも魔人は長寿命の設定が多いからね。
「スタイロンさん、ミーアはこう言っていますけど。」
「...アブラハム男爵に1000年前か...。確かに一致するな。」
スタイロンさん、独り言を言いながら何かを考えている。
「確かに、そこの魔人、ミーアと言ったか、彼女の言っていることとこちらに残っている言い伝えは一致するところが多い。
だがこちらでは、魔人が人間の女の子を攫って、その時に街をいくつも壊滅させたことになっている。」
「でも、それじゃあ話のつじつまが合わないですよね。
もし魔人が人攫いするのが目的だったら、街を壊滅させたらその後攫えなくなるじゃないですか。
街を残しておいた方が魔人にとっては都合がいいはずですよね。」
「確かにそうだが。...」
「どちらにしても、ミーアはそれほど強くありませんし、こんなに可愛いんだから問題ないじゃないですか。
魔人って見破れたのもスタイロンさんほどの強者だからでしょ。」
「まあそうだな、可愛いからどうかは別としてもヒロシの方が確かに強そうだ。
恐らく見破れるのは俺とギルマスのホールドくらいか。
分かった、ヒロシ、お前がミーアの監視、いや面倒を見るんだぞ。それが条件だ。
この後ギルドに行くんだろ。俺がホールドに紹介状を書いてやるよ。それを持っていけ。」
「スタイロンさん、ありがとうございます。さすがドラゴンスレイヤーは懐が厚い。」
俺のあからさまなヨイショに場の雰囲気も和む。
「じゃあ持ってきたものを見せてもらおうか。」
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