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ムーン大陸でも国造り
どこから手をつけていこうか?
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「ヒロシ君、君の席はここだよ。」
ハリス王子が案内してくれたのは会議机の上座、いちばん奥の短いところだ。
向かって右手にスマルさん、フランシス王子、左手にはクルステさん、シルベスタさん、ハリス王子が並んでいる。
「お帰りヒロシ君。」
「シルベスタさん、ありがとうございます。
ところで俺がここに座ってもいいんですか?」
「何を言ってるんだ。君のためにこの3年間空けてあったんだよ。
君以外に誰が座るんだい。」
皆んなニコニコしながら席を勧めてくれる。
これ以上遠慮してもな。
俺は席に座わると皆んなも席に着いた。
「さてとヒロシ殿、先ずはあれから何があったのか教えてくれるか。」
スマルさんが皆んなを代表して聞いてきた。
俺は星が消滅したこと、ミケツカミ様とサナキスのこと、俺の決意などについて話した。
こんな荒唐無稽な話しなんだけど、皆んなは真面目に聞いてくれた。
クルステさんからムーン大陸の話も聞いていたみたいだし、ある程度の覚悟も出来ていたんだろうな。
「ヒロシ君の話しはだいたい理解出来た。
クルステさんからムーン大陸の話しを聞いた時も飲み込むのに時間が掛かったけど、今聞いた話しも飲み込むには少し時間が必要かもな。
それじゃ、こちら側の話しは俺がしよう。」
シルベスタさんがこちらに来てからの皆んなの話しをしてくれた。
「こちらに来てから各国の国民を各地に割り振って生活基盤を整理していったんだよ。
特に人族の王族が中心になってね。
我々魔人は結構嫌われたんだけどな。
エレクトス王国のデニス王とインディアナ神国のスマル大神官がとりなしてくれて、ひとつの国として独立できることになった。
クルステさんが魔法を使い、人数に合わせて領土に線を入れてくれたおかげで、スムーズに移動は出来たんだ。
その後は俺達も各国に戻って国の整備活動に戻った。
だけどしばらくして重大なことに気付いたんだよ。
この塔の周辺と皆に与えられた土地で時間の流れが大きく違うことに。」
シルベスタさんが一呼吸置く。
そして大きなため息をひとつ吐いた。
「全ての国の王族が集まり協議した。その結果、俺達4名以外は外の世界に残って国民と共に国を再興していくことにしたんだ。
そして俺達4人とクルステさんはこの世界が永く続くようなルールや体制を作るためにここに残ることになった。
俺達はこの世界の人達に齢を取らないことを悟られないようにこの旧島から出ないことにしたし、この旧島エリアは立ち入り禁止の聖域と呼ばれるようになった。
代々各国の王となる者だけにこの5人のことが告げられ、ここで決めた方針に則ってそれぞれの国の運営を行ってきたんだ。
ここでは未だ3年しか経っていないこともあり、外では240年経っているであろう現在も当初と同じ理念でこの世界は動いているよ。
そしてヒロシ君、君を待っていたんだよ。我々全員を救ってくれて、この世界を与えてくれた君をね。」
皆んなが俺を見てうなずいている。
「いやーヒロシ殿。本当に帰ってきてくれてよかった。兄上からヒロシ殿が星の消滅に巻き込まれたと聞いた時は本当に焦ったぞ。
まあ、ヒロシ殿のことだからな、必ず戻ってくると信じて待っておったぞ。がハハハハハ。」
フランシス王子もハリス王子も瞳に涙を溜めて笑っているし。
「皆さん遅くなりましたけど、待っていてくれてありがとう。
これからは俺も一緒に頑張っていきますから、よろしくお願いします。」
「「僕達こそよろしく。」」
フランシス王子とハリス王子が声を合わせた。
「さてヒロシさん。今の現状なんだが、ある程度までは文明も発達して人口も増えたんだが、ここしばらくは伸び悩んでいるんだよ。」
クルステさんが俺に現状の問題について話してきた。
「クルステさん、文明とは生活基盤のことでしょうか?
それとも文化のことでしょうか?」
「そうだね、どちらかというと生活基盤かな。
便利な道具や上下水道、道路網や建築技術なんかの、元々ムーン大陸にあったものを広めたんだ。」
「じゃあ、今度は文化を高めましょう。
教育や芸術、道徳なんかですね。
今のまま生活基盤だけが進むと人々は楽をしようと思い、機械文明に入ってしまいます。
ムーン大陸の過去のように過ちを犯す者も出てくるかもしれません。
感受性を高め、適切な教育と道徳観を植え付ける必要があると思います。」
「なるほどな。人にとって大切な物や分別をキチンと理解していれば、文明は自然と良い方向にいくということだな。
さすがはヒロシ殿。」
スマルさんにべた褒めされたけど、さっきの話しは俺が通っていた中学校の校訓の一部なんだよね。
毎週全校朝礼で校長から聞かされていたから覚えていただけなんだけど。
まあ、ここにいる人達は皆んな頭が良さそうだから、ヒントを与えれば勝手に解釈してくれるよね。
スマルさんは早速自分の考えを皆んなに話しながら、意見をまとめている。
この人脳筋だと思ってたけど、意外に政治家向きかも。
ハリス王子が案内してくれたのは会議机の上座、いちばん奥の短いところだ。
向かって右手にスマルさん、フランシス王子、左手にはクルステさん、シルベスタさん、ハリス王子が並んでいる。
「お帰りヒロシ君。」
「シルベスタさん、ありがとうございます。
ところで俺がここに座ってもいいんですか?」
「何を言ってるんだ。君のためにこの3年間空けてあったんだよ。
君以外に誰が座るんだい。」
皆んなニコニコしながら席を勧めてくれる。
これ以上遠慮してもな。
俺は席に座わると皆んなも席に着いた。
「さてとヒロシ殿、先ずはあれから何があったのか教えてくれるか。」
スマルさんが皆んなを代表して聞いてきた。
俺は星が消滅したこと、ミケツカミ様とサナキスのこと、俺の決意などについて話した。
こんな荒唐無稽な話しなんだけど、皆んなは真面目に聞いてくれた。
クルステさんからムーン大陸の話も聞いていたみたいだし、ある程度の覚悟も出来ていたんだろうな。
「ヒロシ君の話しはだいたい理解出来た。
クルステさんからムーン大陸の話しを聞いた時も飲み込むのに時間が掛かったけど、今聞いた話しも飲み込むには少し時間が必要かもな。
それじゃ、こちら側の話しは俺がしよう。」
シルベスタさんがこちらに来てからの皆んなの話しをしてくれた。
「こちらに来てから各国の国民を各地に割り振って生活基盤を整理していったんだよ。
特に人族の王族が中心になってね。
我々魔人は結構嫌われたんだけどな。
エレクトス王国のデニス王とインディアナ神国のスマル大神官がとりなしてくれて、ひとつの国として独立できることになった。
クルステさんが魔法を使い、人数に合わせて領土に線を入れてくれたおかげで、スムーズに移動は出来たんだ。
その後は俺達も各国に戻って国の整備活動に戻った。
だけどしばらくして重大なことに気付いたんだよ。
この塔の周辺と皆に与えられた土地で時間の流れが大きく違うことに。」
シルベスタさんが一呼吸置く。
そして大きなため息をひとつ吐いた。
「全ての国の王族が集まり協議した。その結果、俺達4名以外は外の世界に残って国民と共に国を再興していくことにしたんだ。
そして俺達4人とクルステさんはこの世界が永く続くようなルールや体制を作るためにここに残ることになった。
俺達はこの世界の人達に齢を取らないことを悟られないようにこの旧島から出ないことにしたし、この旧島エリアは立ち入り禁止の聖域と呼ばれるようになった。
代々各国の王となる者だけにこの5人のことが告げられ、ここで決めた方針に則ってそれぞれの国の運営を行ってきたんだ。
ここでは未だ3年しか経っていないこともあり、外では240年経っているであろう現在も当初と同じ理念でこの世界は動いているよ。
そしてヒロシ君、君を待っていたんだよ。我々全員を救ってくれて、この世界を与えてくれた君をね。」
皆んなが俺を見てうなずいている。
「いやーヒロシ殿。本当に帰ってきてくれてよかった。兄上からヒロシ殿が星の消滅に巻き込まれたと聞いた時は本当に焦ったぞ。
まあ、ヒロシ殿のことだからな、必ず戻ってくると信じて待っておったぞ。がハハハハハ。」
フランシス王子もハリス王子も瞳に涙を溜めて笑っているし。
「皆さん遅くなりましたけど、待っていてくれてありがとう。
これからは俺も一緒に頑張っていきますから、よろしくお願いします。」
「「僕達こそよろしく。」」
フランシス王子とハリス王子が声を合わせた。
「さてヒロシさん。今の現状なんだが、ある程度までは文明も発達して人口も増えたんだが、ここしばらくは伸び悩んでいるんだよ。」
クルステさんが俺に現状の問題について話してきた。
「クルステさん、文明とは生活基盤のことでしょうか?
それとも文化のことでしょうか?」
「そうだね、どちらかというと生活基盤かな。
便利な道具や上下水道、道路網や建築技術なんかの、元々ムーン大陸にあったものを広めたんだ。」
「じゃあ、今度は文化を高めましょう。
教育や芸術、道徳なんかですね。
今のまま生活基盤だけが進むと人々は楽をしようと思い、機械文明に入ってしまいます。
ムーン大陸の過去のように過ちを犯す者も出てくるかもしれません。
感受性を高め、適切な教育と道徳観を植え付ける必要があると思います。」
「なるほどな。人にとって大切な物や分別をキチンと理解していれば、文明は自然と良い方向にいくということだな。
さすがはヒロシ殿。」
スマルさんにべた褒めされたけど、さっきの話しは俺が通っていた中学校の校訓の一部なんだよね。
毎週全校朝礼で校長から聞かされていたから覚えていただけなんだけど。
まあ、ここにいる人達は皆んな頭が良さそうだから、ヒントを与えれば勝手に解釈してくれるよね。
スマルさんは早速自分の考えを皆んなに話しながら、意見をまとめている。
この人脳筋だと思ってたけど、意外に政治家向きかも。
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