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第1章 キンコー王国は行政改革で大忙し
8【閑話 マリスの憂鬱】
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カタッ、カタッ、カタッ、カタッ………………………………………………………………………………………………
「マリス君!」「はい。」
私は、パソコンのキーボードから視線を上げて声の主である課長を見上げた。
「この書類の数字、合計が間違っていないかね?」
私は慌てて課長に近寄り少し前に提出した書類を覗き込む。
そこにある数字をしばらく眺めて、指摘された数字が間違えている事に気づいた。
「すいません。すぐに直して再提出します。」
「マリス君、そこ以外にも間違いがないか良くチェックしてから出してね!!」
ううっ ちょっと怒ってる。
早く仕上げなきゃ。
作り掛けの書類もあるし、今日も残業決定かぁ……
席に戻ると隣の席に座ってるゼウスさんが「ドンマイ!」って声を掛けてくれる。
ゼウスさんは、現場から本署である此処にきた叩き上げだ。
現場での仕事を認められて抜擢された、ある意味エリートかもしれない。
私の名前はマリス。
国家A級採用試験に合格して、異世界管理局に3億年前に入局した、ピチピチの新入社員です。
A級試験を一発合格して異世界管理局に入った、いわゆる勝ち組のはずなんだけどね。
なかなか仕事に慣れなくって…
ちょっと5月病かなぁって思う今日この頃です。
異世界管理局の仕事は、大きく3つ。
1つ目は、この世界の維持に必要な信仰心を集める為の畑となる異世界を作ること。
2つ目は、信仰心を最大限に引き出す為の生き物や文化などの仕組みを作ること。
3つ目は、その世界の文化が滞留したり、破壊されたりして退廃しないように管理し、必要都度異世界どうしで人を交換して、文化を強制的に更新すること。
つまり、此処は異世界から見たら神の世界であり、異世界管理局の職員は神様となるのです。
まぁ、実際には馬車馬のようにこき使われるしがない庶民なんだけどね。
私は、異世界管理局の本署で異世界の管理者(異世界から見たら創造神であり管理局内では現場監督)からの様々な要望や苦情を処理する庶務課に配属になりました。
庶務課は不人気なので、定年間際の人が多い。
ゼウスさんもそのひとり。
定年は180億歳なので、後20億年ほどで定年退職になると聞いています。
ゼウスさんって凄い人らしいですよ。
なんでもアースっていう異世界を作ったらしいんですけど、それが46億年前だそうです。
46億年前っていうと、まだその頃は、全て職人作業で進められていて、既にある星を成熟させるだけでも、大変だったらしいです。
しかも何もないところに星から作ったって。
大体新規に星から作ったら今でも成功率15%くらいです。
当時だったら奇跡に近かったんでしょうね。
まず、上手く自転させないと丸く固まらないし、適度な引力を持つ恒星の近くに適度な質量、距離を保たないと、飛んで行って壊れたり、恒星に吸い込まれたりして、すぐに無くなってしまいます。
上手く星ができたら、次は生物を作る必要があります。
コレがまた大変!できたばかりの星って熱い溶岩に覆われていて、なかなか固まらない。
水もない。
ある程度時間をかけて冷やしてから水を入れて生物が住める環境にしなきゃならないんですけど、そのタイミングが難しい。
早すぎると星自体が割れてしまうし、遅いと乾いてカサカサになった砂のように星がどんどん恒星に吸い込まれて無くなってしまうのです。
だから星自体を作るだけでも大変なのに、その星を46億年も維持していくんですよ。
凄すぎです。
ゼウスさんの凄さは、こんなもんじゃないです。
なんと作った下等生物を上手く進化させ、独自の文化を生み出せる様な、とても優秀な「人間」っていう生物に仕上げたそうです。
これってもの凄い事で、ほぼ奇跡らしいんです。
なんと「人間」は、自分達だけで星を維持できる知能があり、自立して行動できるんです。
本来なら、現場監督は定年までその星を維持する為にかかりっきりになるんですが、アースに限っては、運営課が定期的に観察するだけでいいみたいです。
星から作ったケースではそれまで前例が無かったそうです。
今は、その人間を元に作ったプロトタイプ生命がいて、それを新しい星にばらまくだけの簡単なお仕事になったんですけどね。
私、公共放送の「プロジェクト○」で放送しているのを見てましたから………
そのゼウスさんが本署に栄転になり、運営課長として運営課の改革を行い、他にも事例がそこそこできつつあります。
そして最近になって、定年間際の慰労も兼ねてゼウスさんが庶務課にやって来られた訳です。
そんな偉大な方なので、新入生の私としては、恐縮しっぱなしなのですが、ゼウスさんはとっても気さくな方で、いつもニコニコと相談に乗って下さいます。
おっと、ゼウスさんの話しに夢中になってしまいましたね。
私は採用されてすぐに花形部署の公安課に配属されたのですが、公安と言えば局内の不正を取り締まる部署。
温厚過ぎる性格が職場不適格と判断されました。
わたしだって合格率5%のA級採用試験に合格したんですよ。
知識もあるし、神技も結構使えます。
公安課長に抗議しましたが、「知識とか神技とかのレベルじゃない。
君が醸し出すそののほほんとした空気が公安課のピリッとした雰囲気を壊していってるんだ。
頼むから壊れる前に移動してくれ。」って。
なんて理不尽な事でしょうか。
すぐに人事課から移動先として運営課へ移動の打診をしてもらいましたが、ダメでした。
運営課は、同じ花形の公安課と何かにつけて対抗しており、公安課を放り出されたわたしを受け入れるのは、プライドが許さないんだとか。
他の部署もA級採用を入れるのは煙たいらしく、結果わたしは、庶務課に送られた落ちこぼれと評価されているみたいです。
その為、庶務課でもあまり良い扱いをされていません。
今日の書類のミスも、私が計算したところじゃなくて、現場から送られてきた添付資料なんです。
あまりに字が汚くて読めなかったので、最終の合計だけチェックしてたんですけど、途中のどうでも良い様な数字の合計が間違っていたみたいです。
あの日和見みたいな課長がこんなところに気がつくなんて、もしかしてこの課長超優秀?って思って先輩に聞いてみました。
「あれは、新人イビリよ。
あの現場から来るあの添付資料はいつも同じ物で間違ったまま修正されていないの。
課長はそれを知っていて、新人が来るといつも渡しているのよ。
私もやられたわ。」
まぁこんな具合です。
でも現場よりはマシと、日々雑務をこなしています。
そう わたしは逆境に強い乙女なのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
翌日出勤してみると、いつも静かな事務所内がやけに騒がしい。
席について、隣のゼウスさんに何があったのか尋ねてみます。
「実は、今朝早くに運営課から連絡があってね、新規に作成する予定の星に現場監督で行くはずだった署員が事故で緊急入院したそうだ。
代わりの人を寄越して欲しいと人事に泣きついたらしいが、この人材不足の折、自部署でなんとかしろと無下にされたらしい。
それで困った時の庶務課になんとかならないか、と迫って来たらしい。」
そんなの無体な話しだぁって憤ってたら、こちらに向けられた視線を感じる。
これは、ヤバイ気がする。
「ちょっと花摘みにでも」
とこそっと事務所を出ようとしたら、やっぱり呼び止められた。
「マリス君、良かったなぁ、君A級採用だったよね。
君の活躍の場が見つかったよ。
運営課に移動だ。
人事課に行っておいで。」
いつの間にか決まっていた………
それから、慌ただしい送別会と形だけの歓迎会があって、あっという間に現場に行く日になりましたとさ。
って感じで私は今片道100万年もかかる現場に向かっている。
どんだけ遠いんだとお思いのそこのあなた、あなた達の感覚で大体24時間くらいです。
それでも充分遠いよね。
「何はともあれ決まってしまったことはしょうがない」と見送りに来てくれたゼウスさんに鼻息荒く話してたら、
「現場は現場で楽しいところだよ。
マリスさんも、しばらくは大変だと思うけどね、現場は、自分を大きくしてくれるよ。
いつでも力になるから困ったらすぐに連絡してね。」
って言ってくれた。
うん、さすがゼウスさんの言葉は重みが違う。頑張れそう。
「マリス君!」「はい。」
私は、パソコンのキーボードから視線を上げて声の主である課長を見上げた。
「この書類の数字、合計が間違っていないかね?」
私は慌てて課長に近寄り少し前に提出した書類を覗き込む。
そこにある数字をしばらく眺めて、指摘された数字が間違えている事に気づいた。
「すいません。すぐに直して再提出します。」
「マリス君、そこ以外にも間違いがないか良くチェックしてから出してね!!」
ううっ ちょっと怒ってる。
早く仕上げなきゃ。
作り掛けの書類もあるし、今日も残業決定かぁ……
席に戻ると隣の席に座ってるゼウスさんが「ドンマイ!」って声を掛けてくれる。
ゼウスさんは、現場から本署である此処にきた叩き上げだ。
現場での仕事を認められて抜擢された、ある意味エリートかもしれない。
私の名前はマリス。
国家A級採用試験に合格して、異世界管理局に3億年前に入局した、ピチピチの新入社員です。
A級試験を一発合格して異世界管理局に入った、いわゆる勝ち組のはずなんだけどね。
なかなか仕事に慣れなくって…
ちょっと5月病かなぁって思う今日この頃です。
異世界管理局の仕事は、大きく3つ。
1つ目は、この世界の維持に必要な信仰心を集める為の畑となる異世界を作ること。
2つ目は、信仰心を最大限に引き出す為の生き物や文化などの仕組みを作ること。
3つ目は、その世界の文化が滞留したり、破壊されたりして退廃しないように管理し、必要都度異世界どうしで人を交換して、文化を強制的に更新すること。
つまり、此処は異世界から見たら神の世界であり、異世界管理局の職員は神様となるのです。
まぁ、実際には馬車馬のようにこき使われるしがない庶民なんだけどね。
私は、異世界管理局の本署で異世界の管理者(異世界から見たら創造神であり管理局内では現場監督)からの様々な要望や苦情を処理する庶務課に配属になりました。
庶務課は不人気なので、定年間際の人が多い。
ゼウスさんもそのひとり。
定年は180億歳なので、後20億年ほどで定年退職になると聞いています。
ゼウスさんって凄い人らしいですよ。
なんでもアースっていう異世界を作ったらしいんですけど、それが46億年前だそうです。
46億年前っていうと、まだその頃は、全て職人作業で進められていて、既にある星を成熟させるだけでも、大変だったらしいです。
しかも何もないところに星から作ったって。
大体新規に星から作ったら今でも成功率15%くらいです。
当時だったら奇跡に近かったんでしょうね。
まず、上手く自転させないと丸く固まらないし、適度な引力を持つ恒星の近くに適度な質量、距離を保たないと、飛んで行って壊れたり、恒星に吸い込まれたりして、すぐに無くなってしまいます。
上手く星ができたら、次は生物を作る必要があります。
コレがまた大変!できたばかりの星って熱い溶岩に覆われていて、なかなか固まらない。
水もない。
ある程度時間をかけて冷やしてから水を入れて生物が住める環境にしなきゃならないんですけど、そのタイミングが難しい。
早すぎると星自体が割れてしまうし、遅いと乾いてカサカサになった砂のように星がどんどん恒星に吸い込まれて無くなってしまうのです。
だから星自体を作るだけでも大変なのに、その星を46億年も維持していくんですよ。
凄すぎです。
ゼウスさんの凄さは、こんなもんじゃないです。
なんと作った下等生物を上手く進化させ、独自の文化を生み出せる様な、とても優秀な「人間」っていう生物に仕上げたそうです。
これってもの凄い事で、ほぼ奇跡らしいんです。
なんと「人間」は、自分達だけで星を維持できる知能があり、自立して行動できるんです。
本来なら、現場監督は定年までその星を維持する為にかかりっきりになるんですが、アースに限っては、運営課が定期的に観察するだけでいいみたいです。
星から作ったケースではそれまで前例が無かったそうです。
今は、その人間を元に作ったプロトタイプ生命がいて、それを新しい星にばらまくだけの簡単なお仕事になったんですけどね。
私、公共放送の「プロジェクト○」で放送しているのを見てましたから………
そのゼウスさんが本署に栄転になり、運営課長として運営課の改革を行い、他にも事例がそこそこできつつあります。
そして最近になって、定年間際の慰労も兼ねてゼウスさんが庶務課にやって来られた訳です。
そんな偉大な方なので、新入生の私としては、恐縮しっぱなしなのですが、ゼウスさんはとっても気さくな方で、いつもニコニコと相談に乗って下さいます。
おっと、ゼウスさんの話しに夢中になってしまいましたね。
私は採用されてすぐに花形部署の公安課に配属されたのですが、公安と言えば局内の不正を取り締まる部署。
温厚過ぎる性格が職場不適格と判断されました。
わたしだって合格率5%のA級採用試験に合格したんですよ。
知識もあるし、神技も結構使えます。
公安課長に抗議しましたが、「知識とか神技とかのレベルじゃない。
君が醸し出すそののほほんとした空気が公安課のピリッとした雰囲気を壊していってるんだ。
頼むから壊れる前に移動してくれ。」って。
なんて理不尽な事でしょうか。
すぐに人事課から移動先として運営課へ移動の打診をしてもらいましたが、ダメでした。
運営課は、同じ花形の公安課と何かにつけて対抗しており、公安課を放り出されたわたしを受け入れるのは、プライドが許さないんだとか。
他の部署もA級採用を入れるのは煙たいらしく、結果わたしは、庶務課に送られた落ちこぼれと評価されているみたいです。
その為、庶務課でもあまり良い扱いをされていません。
今日の書類のミスも、私が計算したところじゃなくて、現場から送られてきた添付資料なんです。
あまりに字が汚くて読めなかったので、最終の合計だけチェックしてたんですけど、途中のどうでも良い様な数字の合計が間違っていたみたいです。
あの日和見みたいな課長がこんなところに気がつくなんて、もしかしてこの課長超優秀?って思って先輩に聞いてみました。
「あれは、新人イビリよ。
あの現場から来るあの添付資料はいつも同じ物で間違ったまま修正されていないの。
課長はそれを知っていて、新人が来るといつも渡しているのよ。
私もやられたわ。」
まぁこんな具合です。
でも現場よりはマシと、日々雑務をこなしています。
そう わたしは逆境に強い乙女なのだ。
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翌日出勤してみると、いつも静かな事務所内がやけに騒がしい。
席について、隣のゼウスさんに何があったのか尋ねてみます。
「実は、今朝早くに運営課から連絡があってね、新規に作成する予定の星に現場監督で行くはずだった署員が事故で緊急入院したそうだ。
代わりの人を寄越して欲しいと人事に泣きついたらしいが、この人材不足の折、自部署でなんとかしろと無下にされたらしい。
それで困った時の庶務課になんとかならないか、と迫って来たらしい。」
そんなの無体な話しだぁって憤ってたら、こちらに向けられた視線を感じる。
これは、ヤバイ気がする。
「ちょっと花摘みにでも」
とこそっと事務所を出ようとしたら、やっぱり呼び止められた。
「マリス君、良かったなぁ、君A級採用だったよね。
君の活躍の場が見つかったよ。
運営課に移動だ。
人事課に行っておいで。」
いつの間にか決まっていた………
それから、慌ただしい送別会と形だけの歓迎会があって、あっという間に現場に行く日になりましたとさ。
って感じで私は今片道100万年もかかる現場に向かっている。
どんだけ遠いんだとお思いのそこのあなた、あなた達の感覚で大体24時間くらいです。
それでも充分遠いよね。
「何はともあれ決まってしまったことはしょうがない」と見送りに来てくれたゼウスさんに鼻息荒く話してたら、
「現場は現場で楽しいところだよ。
マリスさんも、しばらくは大変だと思うけどね、現場は、自分を大きくしてくれるよ。
いつでも力になるから困ったらすぐに連絡してね。」
って言ってくれた。
うん、さすがゼウスさんの言葉は重みが違う。頑張れそう。
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