190 / 382
第8章 亜人大陸の開発
21 【スパニの立て直し】
しおりを挟む
<<ラモス視点>>
「お初にお目にかかります。キンコー王国で公爵位を賜っております、マサル・カトウと申します。」
「……カトウ殿、今急に現れたのは魔法か?」
「そうでございます。『光学迷彩』と言います。」
「もしかして、クルー達を捕まえてくれたのもそなたか?」
「はい、ハリー殿と一緒に拝謁する予定でしたが、こちらで物々しい気配がありましたので、姿を消して入らせて頂きました。
陛下の危機が迫っておりましたので、勝手ながら、魔法で拘束しました。」
「ではわたくしの傷を癒して頂いたのも、カトウ公爵様でございましょうか?」
「ええ、残念ながら、近衛兵の方を全て救うことは出来ませんでしたが。」
侍従長のみならず、近衛兵までもか。
「実はわたしも王宮に入る際に襲われまして、カトウ公爵様の御子息に助けられましたし、カチア嬢も御子息達に助けられたのです。
それだけではありません。バァイフ家を襲った山賊達も、御子息達の活躍で全員捕らえられ、ロンドーの牢に収監されております。」
「それでは一連の騒動は全てカトウ殿達のおかげで終息したと。」
「陛下、その通りでございます。
もしカトウ公爵様達が居られなければ、わたし達の命も亡くなって、この国はクルー達にいいようにされていたと思います。」
なんということだ。儂達の失態を名も知らぬ他国の有力者が救ってくれるとは!
「カトウ殿、改めて礼を言う。本当にありがとう。」
「ラモス陛下。頭をお上げ下さい。
全てはカチア嬢をたまたま見つけたわたしの子供達が見つけた偶然から始まったことです。
こんなに大きな話になるとは思っていませんでしたが、あくまでも偶然が重なっただけの事です。
あまり、お気遣いの無きよう。」
この御仁、大層器の大きい人のようだ。
そう言えばジャボ大陸の『人族』がロンドーやヤライ、ヤコブに入っているとハリーが言っていたな。
「ハリー、もしかしてこのカトウ殿が、ロンドーやヤライ、ヤコブを活性化させたお方か?」
「そうでございます。カトウ公爵様が会頭を務められるカトウ運輸という商会が、3国に先進的な文化をもたらし、3国間の交易のみならず、ジャボ大陸との交易も仕切っておられます。」
「そうか、この御仁が居られるのであれば、さぞかしまっとうな商売を行っておられるのであろうな。」
「わたしも、今回の件でロンドーのアーク王とお会いしてきましたが、カトウ公爵様とはすっかり打ち解けておられました。
カトウ公爵様は、ロンドーのクーデターも防がれたそうです。」
「もしや、我が国がヤライに攻め入った時も?」
「そうです。あの時は敵対したことになってしまいますが、ヤライの陣地構築に協力しておりました。」
「そうか、確かに多くの兵を失ったのだが、思えばあの時強硬に軍部が出兵を主張した時から、この騒動は始まっていたのかも知れんな。
儂が軍部をもっと押さえておけば、重税を強いることも、徴兵を強化することも無かったのかもしれん。
ハリーも反対しておったな。」
儂がうなだれているのを見ていたのか、カトウ殿が言葉を紡ぐ。
「ラモス陛下。
ジャボ大陸でも長い間小規模な戦乱があちこちで続いていました。
武力による争いは何も生まないのです。残るのは疲弊した民と荒廃した土地のみです。
ただ、国同士が争わないと文化や文明が発達しないのは過去の歴史を見ても明らかです。
わたしは、武力でなく経済力で国が競い合う『経済戦争』を各国に提案してまいりました。
適切に経済を大きくすることは、民を豊かにさせ、国の安定につながりますし、更に国を発展させることに繋がりますでしょう。
既にロンド、ヤライ、ヤコブの3国はジャボ大陸に使節団を送り、あちらの様々な文化や生産技術を取り入れて経済的に裕福な国へと変わりつつあります。
この機会に、スパニもこの『経済戦争』に加わりませんか?
わたし達もお手伝いさせて頂きます。」
「陛下、どうかご決断ください。わたしもカトウ公爵様が言われる『経済戦争』で3国やジャボ大陸の国々と競い合ってみたいと思っています。
今の我が国を立て直す道はこれしかないとも思っています。」
確かにハリーの言うとおりだ。この国はあまりにも疲弊しすぎているし、腐りきってしまっている。
抜本的に手を入れていく必要があるだろう。
だが、各領主が搾取しか考えていない今、国を富ませることなど可能だろうか?
「カトウ殿、話は分かりました。
ただお恥かしい話しですが、我が国の領主は腐りきっており、領民からの搾取しか考えておりません。
中央の役人は清廉な者に入れ替えることも可能ですが、領主は………」
「………そうですね、少し荒っぽい方法ですが、『中央集権制』を取り入れてみてはどうでしょう。」
「『中央集権制』とは?」
「お初にお目にかかります。キンコー王国で公爵位を賜っております、マサル・カトウと申します。」
「……カトウ殿、今急に現れたのは魔法か?」
「そうでございます。『光学迷彩』と言います。」
「もしかして、クルー達を捕まえてくれたのもそなたか?」
「はい、ハリー殿と一緒に拝謁する予定でしたが、こちらで物々しい気配がありましたので、姿を消して入らせて頂きました。
陛下の危機が迫っておりましたので、勝手ながら、魔法で拘束しました。」
「ではわたくしの傷を癒して頂いたのも、カトウ公爵様でございましょうか?」
「ええ、残念ながら、近衛兵の方を全て救うことは出来ませんでしたが。」
侍従長のみならず、近衛兵までもか。
「実はわたしも王宮に入る際に襲われまして、カトウ公爵様の御子息に助けられましたし、カチア嬢も御子息達に助けられたのです。
それだけではありません。バァイフ家を襲った山賊達も、御子息達の活躍で全員捕らえられ、ロンドーの牢に収監されております。」
「それでは一連の騒動は全てカトウ殿達のおかげで終息したと。」
「陛下、その通りでございます。
もしカトウ公爵様達が居られなければ、わたし達の命も亡くなって、この国はクルー達にいいようにされていたと思います。」
なんということだ。儂達の失態を名も知らぬ他国の有力者が救ってくれるとは!
「カトウ殿、改めて礼を言う。本当にありがとう。」
「ラモス陛下。頭をお上げ下さい。
全てはカチア嬢をたまたま見つけたわたしの子供達が見つけた偶然から始まったことです。
こんなに大きな話になるとは思っていませんでしたが、あくまでも偶然が重なっただけの事です。
あまり、お気遣いの無きよう。」
この御仁、大層器の大きい人のようだ。
そう言えばジャボ大陸の『人族』がロンドーやヤライ、ヤコブに入っているとハリーが言っていたな。
「ハリー、もしかしてこのカトウ殿が、ロンドーやヤライ、ヤコブを活性化させたお方か?」
「そうでございます。カトウ公爵様が会頭を務められるカトウ運輸という商会が、3国に先進的な文化をもたらし、3国間の交易のみならず、ジャボ大陸との交易も仕切っておられます。」
「そうか、この御仁が居られるのであれば、さぞかしまっとうな商売を行っておられるのであろうな。」
「わたしも、今回の件でロンドーのアーク王とお会いしてきましたが、カトウ公爵様とはすっかり打ち解けておられました。
カトウ公爵様は、ロンドーのクーデターも防がれたそうです。」
「もしや、我が国がヤライに攻め入った時も?」
「そうです。あの時は敵対したことになってしまいますが、ヤライの陣地構築に協力しておりました。」
「そうか、確かに多くの兵を失ったのだが、思えばあの時強硬に軍部が出兵を主張した時から、この騒動は始まっていたのかも知れんな。
儂が軍部をもっと押さえておけば、重税を強いることも、徴兵を強化することも無かったのかもしれん。
ハリーも反対しておったな。」
儂がうなだれているのを見ていたのか、カトウ殿が言葉を紡ぐ。
「ラモス陛下。
ジャボ大陸でも長い間小規模な戦乱があちこちで続いていました。
武力による争いは何も生まないのです。残るのは疲弊した民と荒廃した土地のみです。
ただ、国同士が争わないと文化や文明が発達しないのは過去の歴史を見ても明らかです。
わたしは、武力でなく経済力で国が競い合う『経済戦争』を各国に提案してまいりました。
適切に経済を大きくすることは、民を豊かにさせ、国の安定につながりますし、更に国を発展させることに繋がりますでしょう。
既にロンド、ヤライ、ヤコブの3国はジャボ大陸に使節団を送り、あちらの様々な文化や生産技術を取り入れて経済的に裕福な国へと変わりつつあります。
この機会に、スパニもこの『経済戦争』に加わりませんか?
わたし達もお手伝いさせて頂きます。」
「陛下、どうかご決断ください。わたしもカトウ公爵様が言われる『経済戦争』で3国やジャボ大陸の国々と競い合ってみたいと思っています。
今の我が国を立て直す道はこれしかないとも思っています。」
確かにハリーの言うとおりだ。この国はあまりにも疲弊しすぎているし、腐りきってしまっている。
抜本的に手を入れていく必要があるだろう。
だが、各領主が搾取しか考えていない今、国を富ませることなど可能だろうか?
「カトウ殿、話は分かりました。
ただお恥かしい話しですが、我が国の領主は腐りきっており、領民からの搾取しか考えておりません。
中央の役人は清廉な者に入れ替えることも可能ですが、領主は………」
「………そうですね、少し荒っぽい方法ですが、『中央集権制』を取り入れてみてはどうでしょう。」
「『中央集権制』とは?」
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~
中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」
唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。
人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。
目的は一つ。充実した人生を送ること。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!
yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。
しかしそれは神のミスによるものだった。
神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。
そして橘 涼太に提案をする。
『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。
橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。
しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。
さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。
これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる