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第13章 魔獣と古代人
4 【砂漠の調査2】
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<<ムラーク子爵嫡男ハヤル視点>>
あのマサル様が我が領地に来られた。
と、言っても砂漠に行くために我が領地を通られるだけなんだけど。
俺は直接マサル様のお顔を見るのは初めてだ。
俺達が生まれた15年前、モーグル王国は高度経済成長期の真っ最中で、国中が好景気に沸いていたそうだ。
突然現れたマサル様が神の御業としか思えない所業で貧困にあえいでいたこのモーグル王国を救って下さったそうだ。
王都には大きなマサル様の石像がある。
俺は王都の中等学校に通っていたので、街一番の繁華街である中央広場の真ん中にある、あのマサル様像はいつも見ていた。
モーグル王国の貴族は12歳までに中等教育を終え、嫡男は領地経営を3年間、それ以外は高等教育を3年間受けるのが通常である。
俺も、13歳から父上と一緒にこのムラーク子爵領の経営に携わっている。
2年間の修業を経て、父上から何とか及第点を頂いた俺は、今こうしてマサル様とご同行させて頂く栄誉を得たのだ。
「マサル様、我が領は如何でしょうか?」
「うん、民の顔が皆んな明るくってとても良いと思いますよ。
ムラーク子爵様やハヤル君の頑張りの成果が良く出ていると思いますよ。」
この2年間の頑張りを認めて頂いたようで、涙が出てくる。
マサル様と言えばマサル共和国の実質上王様であるのは良く知られているのだが、カトウ運輸の会頭であることは、あまり知られていない。
あの世界一の商会を自らの手で立ち上げたその手腕は、知る人ぞ知るである。
そんな物凄い経営者に褒められたのは、領地を経営している我々にとって、何事にも代えがたい。
「マ、マサル様ぁ~。うううっ。」
「ハヤル君、さあ泣き止んで下さいね。
あなたの頑張りは、皆んなが見ていますからね。
領民の皆さんが幸せになることだけを考えていれば、ハヤル君はきっと素晴らしい領主になると思いますよ。」
「あ、ありがとう、ございます。
お、俺、頑張ります。うううっ。」
俺が感極まって泣きじゃくっているうちに、砂漠のオアシス、ハミル村に到着したんです。
<<ライズ騎士視点>>
「ライズさん、この辺りですか?」
「そ、そうですあります。
わたし達は、音を聞き付けてこの辺りまで来ました。
そう、ちょうど、マサル様が立っておられる辺りに立っていました。」
「じゃあ、ここで待っていて下さいね。」
マサル様はそう言うと飛んで行ってしまいました。えっ!!
「魔獣が現れたのはこの辺りでしたかあ~?」
150メートルほど先で降りたマサル様が大声で位置の確認をしておられます。
「ええ、その辺りです。そこら辺にキメラが、それと奥側10メートルくらいのところにギガントがいました。」
マサル様がいる辺りはまだ数日前の惨劇そのままで、血が乾いた無残な残骸が残っているのが見えます。
サマル様はそれらを興味深げに見渡した後、いくつかの肉片に手を触れました。
するとマサル様が触れたモノが一瞬にして消えていきます。
あの大きさからいって、おそらくギガントの残骸だとは思いますが。
「ちょっと奥に行ってみますね。」
マサル様はジャンプするとそのままものすごい速さで飛んで行ってしまいました。
ここまで随行して頂いたムラーク子爵ご子息も、唖然としてその姿を見送っておられました。
「騎士殿、マサル様はやはり神の御使い様なのでしょうか?いえ、あの方が神なのかも知れませんね。」
はい、わたしも同意見です。
<<マサル視点>>
ギガントと思われる残骸を発見した。
直径2メートル弱ある大木のような胴体は2つに切断されており、内臓を引き出して食い散らかしていた。
おそらく、キメラの2本の大きなハサミにより一撃で切断されたものだと思われる。
その他の魔物については、ライズ騎士達の証言通り、なんらかの液体で溶かされていた。
消化液のようだが、魔物の多くがほぼ即死な状態から見て、かなり強力な毒素を含んでいることは間違いないだろう。
ちょっと待てよ?
スタンピードがやって来たのは西の方からで、キメラは東側から現れた。ってことは、このキメラに追われてスタンピードが始まったのでがなく、キメラは待ち伏せしていて、別の何かがスタンピードを起こさせたんじゃないのか。
「ちょっと奥に行ってみますね。」
俺は一声かけてから、スタンピードが始まったであろう西に向けて移動した。
西に2キロメートルほど行ったところに、多くの魔物の死骸が散乱していた。
おそらくスタンピードが発生する原因となった 何か がここで起こったのだろう。
しかしここは砂漠のど真ん中。こんなところにあれだけの魔物がいるはずがない。
あの魔物はどこから現れたのだろう?
注意深くその辺りに何か痕跡がないか探してみる。
約100メートル西側にそれはあった。
かすかに砂の上に残る痕跡。複雑な文様と絡み合った線、それがいくつも見つかった。
上空に飛び上がり、俯瞰的にそれらを眺めてみる。
俺はタブレットを取り出し、地面に残る痕跡を撮影し、そして検索を掛けてみた。
「やっぱりそうか!」
検索結果は予測した通り、失われたはずの超古代の転移の魔方陣であった。
あのマサル様が我が領地に来られた。
と、言っても砂漠に行くために我が領地を通られるだけなんだけど。
俺は直接マサル様のお顔を見るのは初めてだ。
俺達が生まれた15年前、モーグル王国は高度経済成長期の真っ最中で、国中が好景気に沸いていたそうだ。
突然現れたマサル様が神の御業としか思えない所業で貧困にあえいでいたこのモーグル王国を救って下さったそうだ。
王都には大きなマサル様の石像がある。
俺は王都の中等学校に通っていたので、街一番の繁華街である中央広場の真ん中にある、あのマサル様像はいつも見ていた。
モーグル王国の貴族は12歳までに中等教育を終え、嫡男は領地経営を3年間、それ以外は高等教育を3年間受けるのが通常である。
俺も、13歳から父上と一緒にこのムラーク子爵領の経営に携わっている。
2年間の修業を経て、父上から何とか及第点を頂いた俺は、今こうしてマサル様とご同行させて頂く栄誉を得たのだ。
「マサル様、我が領は如何でしょうか?」
「うん、民の顔が皆んな明るくってとても良いと思いますよ。
ムラーク子爵様やハヤル君の頑張りの成果が良く出ていると思いますよ。」
この2年間の頑張りを認めて頂いたようで、涙が出てくる。
マサル様と言えばマサル共和国の実質上王様であるのは良く知られているのだが、カトウ運輸の会頭であることは、あまり知られていない。
あの世界一の商会を自らの手で立ち上げたその手腕は、知る人ぞ知るである。
そんな物凄い経営者に褒められたのは、領地を経営している我々にとって、何事にも代えがたい。
「マ、マサル様ぁ~。うううっ。」
「ハヤル君、さあ泣き止んで下さいね。
あなたの頑張りは、皆んなが見ていますからね。
領民の皆さんが幸せになることだけを考えていれば、ハヤル君はきっと素晴らしい領主になると思いますよ。」
「あ、ありがとう、ございます。
お、俺、頑張ります。うううっ。」
俺が感極まって泣きじゃくっているうちに、砂漠のオアシス、ハミル村に到着したんです。
<<ライズ騎士視点>>
「ライズさん、この辺りですか?」
「そ、そうですあります。
わたし達は、音を聞き付けてこの辺りまで来ました。
そう、ちょうど、マサル様が立っておられる辺りに立っていました。」
「じゃあ、ここで待っていて下さいね。」
マサル様はそう言うと飛んで行ってしまいました。えっ!!
「魔獣が現れたのはこの辺りでしたかあ~?」
150メートルほど先で降りたマサル様が大声で位置の確認をしておられます。
「ええ、その辺りです。そこら辺にキメラが、それと奥側10メートルくらいのところにギガントがいました。」
マサル様がいる辺りはまだ数日前の惨劇そのままで、血が乾いた無残な残骸が残っているのが見えます。
サマル様はそれらを興味深げに見渡した後、いくつかの肉片に手を触れました。
するとマサル様が触れたモノが一瞬にして消えていきます。
あの大きさからいって、おそらくギガントの残骸だとは思いますが。
「ちょっと奥に行ってみますね。」
マサル様はジャンプするとそのままものすごい速さで飛んで行ってしまいました。
ここまで随行して頂いたムラーク子爵ご子息も、唖然としてその姿を見送っておられました。
「騎士殿、マサル様はやはり神の御使い様なのでしょうか?いえ、あの方が神なのかも知れませんね。」
はい、わたしも同意見です。
<<マサル視点>>
ギガントと思われる残骸を発見した。
直径2メートル弱ある大木のような胴体は2つに切断されており、内臓を引き出して食い散らかしていた。
おそらく、キメラの2本の大きなハサミにより一撃で切断されたものだと思われる。
その他の魔物については、ライズ騎士達の証言通り、なんらかの液体で溶かされていた。
消化液のようだが、魔物の多くがほぼ即死な状態から見て、かなり強力な毒素を含んでいることは間違いないだろう。
ちょっと待てよ?
スタンピードがやって来たのは西の方からで、キメラは東側から現れた。ってことは、このキメラに追われてスタンピードが始まったのでがなく、キメラは待ち伏せしていて、別の何かがスタンピードを起こさせたんじゃないのか。
「ちょっと奥に行ってみますね。」
俺は一声かけてから、スタンピードが始まったであろう西に向けて移動した。
西に2キロメートルほど行ったところに、多くの魔物の死骸が散乱していた。
おそらくスタンピードが発生する原因となった 何か がここで起こったのだろう。
しかしここは砂漠のど真ん中。こんなところにあれだけの魔物がいるはずがない。
あの魔物はどこから現れたのだろう?
注意深くその辺りに何か痕跡がないか探してみる。
約100メートル西側にそれはあった。
かすかに砂の上に残る痕跡。複雑な文様と絡み合った線、それがいくつも見つかった。
上空に飛び上がり、俯瞰的にそれらを眺めてみる。
俺はタブレットを取り出し、地面に残る痕跡を撮影し、そして検索を掛けてみた。
「やっぱりそうか!」
検索結果は予測した通り、失われたはずの超古代の転移の魔方陣であった。
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